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- Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003252963
感想・レビュー・書評
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鹿島茂「悪女入門」によれば、「タイトルが少しそぐわないのではないか(中略)主役である『妖婦ヴァレリー』でも『好色男ユロ』でもなく(中略)醜い従妹ベットがタイトルに使われているからです」。
「好色男ユロ」。他の翻訳では「好色一代記」の副題があったように思う。エクトル・ユロのモデルは文豪ヴィクトル・ユゴーというが、サチュリア(男性色情狂)の疑いがあるユゴーならさもありなん。
ベットが手を下さなくても、ユロ家は家長の度を越した猟色により、瓦解したのではあるまいか。
河出世界文学大系版で本文・解説を読んでから、岩波文庫下巻の解説を読む。
追記:闇の仕事師みたいなサン・テステーヴ夫人の迫力が際立っている。さぞかし「人間喜劇」の中で暗躍するのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下巻の展開は激しいとでも言えばいいか。
吐きそうになるくらいには人間が気持ち悪い。
よくもこんなに人間の嫌な面ばかりを剥き出して、
ストーリーを破綻なく進められるものだ。
不思議に予定調和を見る思いがした。
すごいものだ…結局はなるようになったということか。
ベットは望んだものは手に入らなかったが、
望みもしなかったものを押しつけられた。
悪くはないと考えるべきなんだろうけど、嫌な最期だ。 -
上巻参照。
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