三銃士 下 (岩波文庫 赤 533-9)

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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003253397

感想・レビュー・書評

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  • 下巻を読了してもやはり「三銃士」こんなお話だったんだ…意外…という感である。ただし不満ではなく、予想を覆された喜びである。
    そして、とにもかくにも悪女ミレディ―である。小説、ダルタニャンと三銃士の活躍と友情の物語だったな~という感想よりも、なんだか悪女ミレディーの強烈な存在感が印象に残る。
    英仏の戦争、フランス南西部の港湾都市ラ・ロシェルの攻囲攻防戦を背景に、4人の銃士の戦闘も描かれた。だが、銃士らにとって最も手ごわい敵はミレディ―なのであった。悪女というより、もはや悪魔である。
    とりわけ、ミレディ―が英国の城に囚われ、その「監獄」からの脱獄を図る条りがすごい。うぶな青年将校を一週間ほどかけて篭絡。美貌と虚言、芝居を駆使して少しづつ攻略してゆく。この部分、もはや独立したひとつの小説のようにも思える読み応えである。
     ※52章「囚われの第一日」~「囚われの五日目」、そして58章「脱出」まで、7章/約100頁に及ぶヴォリュームである。恐らく作者デュマ自身、この悪鬼ミレディ―の展開を夢中になって書き進めたように思われる。

    これまで出会った文学上の数多の悪女のなかでも屈指の悪女、ファムファタルであるミレディ―。思わず、このブクログ本棚内に新タグ「ファムファタル」を新設したほどである。
    ミレディ―が如何に悪女であるか。その経緯は込み入っているうえ、その悪行も多いので、詳述はあきらめる。
    さて、そしてふと思い至る。
    これほどの悪女ミレディ―だが、その意志と生き方の力強さにおいて、ある意味、独り立ちした女性像である。物語の舞台は17世紀だが、小説が書かれたのは1884年。19世紀である。輪郭が生まれつつあった近代的な女性像の反映なのかもしれない、と思うのであった。

  • よく映画化されているので、タイトルと「ダルタニアン」という名前は知っていたけど、話の中身は全く知らない、という名作にありがちのパターン。
    これがモンテクリスト伯の作者と同じだったことを本屋で知り、モンテクリスト伯をいたく気に入っていたため、それならば、と読んでみた。

    ダルタニアンは三銃士ではなかったんだね。
    こんな話だったのか!と納得しつつ、やっぱりモンテクリスト伯の方が面白かったかな。

  • ロンドンまで行ってダイヤモンドのアクセサリーを無事に取り戻し、枢機官の目論見を阻止できたが、戦争が始まりダルタニヤンはコンスタンスの消息を失う
    ダラダラと長引く戦争の間にもダルタニヤンたちは愉快に過ごす
    が、ミレディと枢機官の陰謀を察知したダルタニヤンたちはついにミレディを捕まえ処刑する
    全てのたくらみを阻止したダルタニヤンは副隊長に昇進し、アトスはしばらくして除隊、ポルトスは未亡人と結婚、アラミスは修道院へとそれぞれの道を選択する

  • 三銃士、女スパイとの戦い。しかし、すごい女だ・・・。

著者プロフィール

1802-70。フランスを代表する小説家・劇作家。生涯に長短合わせて250篇あまりの作品を書いたとされる。主な作品に『コルシカの兄弟』『モンテ・クリスト伯(巌窟王)』『三銃士』『ブラジュロンヌ子爵(鉄仮面)』『ダルタニャン物語』『王妃マルゴ』『王妃の首飾り』など。

「2016年 『ボルジア家』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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