シルヴェストル・ボナールの罪 (岩波文庫 赤 543-4)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003254349

作品紹介・あらすじ

作者の出世作であり、代表作の一つに数えられる日記体の長篇小説。セーヌ河畔に愛書に囲まれてひっそりと暮す老学士院会員をめぐるエピソードが、静かなしみじみとした口調で語りつづけられる。

感想・レビュー・書評

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  • オチがどーでもよかった記憶しかない。

  • ボナールおじいさんの専門バカでお茶目なところがたまらない。読み返す度に、ほのぼのしそう。
    好きなシーンは、
    「シチリアに行くのをばあやに反対されると思ってたら、意外に反応が薄くて『冷たい女!』って嘆く」ところ(ツンデレw)、
    「見知らぬイタリアの街で寂しかったくせに、背後からフランス語で自分の噂をされているのを聞いて逃げ出す」ところ(ツンデレ)、
    「昔の想い人の孫娘と水入らずで話している時に、塾長のオールドミスに話しかけられて、内心だけで非道いことを考えるが、きちんと挨拶してしまう」ところ(ヘタレ)。

  • 老学究の日記というかたちをとった長編小説。ボナール氏の、暖かい人柄が心にしみる。学士院会員であり不正を憎む高潔な精神の持ち主だが、どこか子供じみていたり、間が抜けた感じがなんともいえない。ぜひ、おじいさんのボヤきでも聞くつもりで、かるく手にとってほしい作品。
    しかしこれを37歳のときに執筆した作者の老獪ぶりには驚嘆させられる。

  • 懐疑派アナトール・フランスの出世作。セーヌ河畔で本にかこまれて読書に耽るシルヴェストル・ボナール老学士院会員の生活をしみじみと綴った日記体長編小説。愛書に埋もれて暮らすなんて羨ましい、と思ったけれども、シルヴェストル翁のさみしさには胸を締め付けられる心地がした。産まれたときから老人だったと言われるアナトール・フランスとシルヴェストル翁との一致性を閲すればこの小説のかなしさは実に作者自身のかなしさと言えるのではないでしょうか。

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著者プロフィール

1844-1924年。パリ生まれ。高踏派詩人として出発、その後小説に転じて『シルヴェストル・ボナールの罪』、『舞姫タイス』、『赤い百合』、『神々は渇く』などの長篇でフランス文学を代表する作家となる。ドレフュス事件など社会問題にも深い関心を寄せ、積極的に活動した。アカデミー・フランセーズ会員。1921年、ノーベル文学賞受賞。邦訳に《アナトール・フランス小説集》全12巻(白水社)がある。

「2018年 『ペンギンの島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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