- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003255728
作品紹介・あらすじ
フランス象徴派の巨星たちが登場した後の19世紀末、パリから遠く離れたピレネー山脈の麓から朝露にも似た澄んだ声が響いて、人々を生命の輝きに満ちたはつらつとした詩世界に導いた。自然と愛の詩人ジャム(1868‐1938)であった。素朴で愛すべき詩「ぼくは驢馬が好きだ…」など、初期から晩年までの代表作を幅広く収録。
感想・レビュー・書評
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フランスの詩人 Francis Jammesが生涯にわたって発表してきた数多くの詩集から編集した選詩集。フランシス・ジャムの作品は、"三人の乙女たち"に続いて2作目。ジャムの詩は、彼の生活や彼の周りにある自然の風景などから題材が多く取られており、とても清々しい印象を与えます。ジャムの心境の変化により、重く暗いイメージの作品もあるにはありますが…。そして、やはりフランシス・ジャムという人の作品からは、"少女"というキーワードが外せないです。もし、彼の作品が気に入ったら"三人の乙女たち"もおすすめです。
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たくさん本を借りていたにも関わらず、これだけを1ページずつ
まるでガラスの壜から蓋を開けて、薄荷のキャンディか、綺麗な
果物の砂糖漬けでも取り出して味わうように読んでいました。
おかげで一緒に借りた本は借りなおすことになりそうですが
これで良かったと思います。
清涼で、優しさ 甘い追憶 美しい自然 日々のどこにでもある
慎ましい生活の幸福 祈りの響き―。
などが全編に満ち溢れる佳篇ばかりです。
魂の平安という言葉をよく耳にしますが
安らかさとか、穏やかさというのは、こういうことを
言うんだなとつくづくと感じます。
普通の暮らしの中にあること。
みずみずしい心の動きは、フランス人でない私にも
深く染みとおってきました。
本当にページをめくるのが幸福で、閉じるのが惜しい。
美しい言葉や、素朴な慈しみに出会いたくなったら
何度でも読んでみたい好書です。