家なき娘 下―アンファミーユ (岩波文庫 赤 576-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003257623

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  • こどもの時読んでの強い印象は、家がない主人公が池のほとりの葦で作られた小屋で、工夫して暮らすシーン。

    木の葉をお皿に池で釣った魚や野草のスープや鳥の卵で料理するところが、まるでままごとのような。鍋やスプーンを缶詰のブリキカンで作ったり、靴を創ったりするところも興味を引いた。

    原作を読んで=シンデレラストーリー+『小公子』+教養小説+財産をめぐるミステリもどき+過酷な労働者問題+女性の自立+能力技能重視+人種差別問題+理想社会願望+自己確立+大人になる=リアリズムファンタジー(?)

    と、なんと盛りだくさんの感動もの!しかし、主人公の血筋ともいえる強い意志が、同じ気質の祖父と邂逅するまでの山あり谷ありのていねいな語り口は好感を持つ。

    ただしこの岩波文庫の翻訳時はなんと私の生まれた年(1941年)のもの、旧仮名遣い、旧漢字が多く読みづらいかもしれない。大人向きには需要がすくないのかもしれない。

    *****

    これでわたしのこどものころ夢中になって忘れられない本を、大人になってちゃんと読んでみる、はほとんど終わり。
    それは『紅はこべ』『小公女』『小公子』『宝島』『ロビンソン・クルーソー』『二都物語』『ハイジ』『若草物語』などなど。

    『赤毛のアン』『秘密の花園』はもう愛読書なのでなんどもなんども、だから入れない。

  • 小さい頃アニメで見た「ペリーヌ物語」が大好きで、ずっと読みたかった本。
    旧字体が多く、少々読み辛いところもありますが、それでも読む価値はあります。

    王道なお話で、ご都合主義なところもありますが、その分主人公・ペリーヌのしたたかな強さや賢さ、何より優しさが心に染み込みます。
    主人公の苦労が報われて、みんなが幸せになることができる終わり方は読んでいてすっきりします。

  • ペリーヌは児童文学の主人公にふさわしいキャラクターといえましょう。明るく、賢く、誠実で、しっかりもの。しっかりものはしっかり苦労する・・という感じですけど。
    実際、こんな子はおらん、て気もしますが、誰もが認める天使のような子がお祖父さんに認めてもらうまで、名を隠して傍で働くストーリーには引き込まれずにいられません。
    がんこでどうしようもないお祖父さんが少しずつ心を開いていくところとか、お祖父さんの工場を狙っている人物たちと渡り合うところとかも楽しいし、なんといってもお祖父さんに正体が知れて感動の場面はやっぱり泣けます。
    少女版のハックル・べりーであり、ちょいロビンソンクルーソーであり、シンデレラストーリーでもあり、シモーヌ・ベイユもちょっと入っている一度に何度でも美味しい物語だったのだなあと思いました。

    アニメではペリーヌが小屋で自活しているのがとっても魅力的だったりした。食器を作ったり、手製の釣具で魚を釣って食べたりとか、靴や下着も作っていたのだと思うけど、かっこよかったんだなあ。そしてキャリアウーマンのようにバイリンガルで工場長秘書にまで上り詰め、工場の環境を良くするために尽力したりする。まだ子どもなのに・・あかんたれとかおしんもびっくりな展開。
    近年再放送でみたらまんまだった。

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