ナジャ (岩波文庫)

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制作 : 巖谷 國士 
  • 岩波書店 (2003年7月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003259023

ナジャ (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 金井美恵子の【夢の時間】を思い出した。
    自分が誰であるとか、何故ある場所である事をやっているのか等々を考えはじめることは、迷宮へ入り込む最初の一歩に違いないという。
    「私は誰か?」の問いに対して「私は私である」と同義反復で答えるのではなく、蜘蛛の巣のように複雑に張り巡らされた無数の邂逅の糸をたぐり、ときおり解すようにして、おのれの内の、ある書物やある人物やある絵画に対する、情熱の度合といったものを探ってみる。そのようにしてたどり着いた迷宮の出口で痙攣的な美との曖昧な結合を果たす、ここにいる私を発現させる。

  • シュルレアリスム運動はフロイトによる無意識の発見を契機に、当時のダダイズム的アプローチが接続することで絵画・写真を巻き込んだ一大運動と化す。本書は「シュルレアリスム宣言」を執筆することでその旗振り人となったプルトンが綴った、ナジャと名乗る女性との交際記。「あなたは誰?」「私はさまよう魂。」自由を愛するナジャの行動は超現実的であり、それは無意識の象徴でもある。シュルレアリスム文学は得てして難解になりがちだが、多数付随された写真と恋愛記というあらすじによって、例外的に読みやすさを獲得することに成功している。

  • こんな他人にとってはなんの意味もないラブ・レターみたいなのを小説というの?当事者の間で読まれる分には勝手にして、という感じだけど、これを作品にしちゃうのがシュルレアリスムなのか?デッサンじゃなくて落書きやろこれ、という図版がゴロゴロ。もー勘弁してくれ。そんで最後ナジャどこいった?あっさり恋の対象別の女になってるし、しかもあんた妻帯者やんけ!常人には感じられないものを感じている人間に惹かれながら、自分はいたって普通の生活を送っている、あくまで観察者。べつにそれならそれでいいんだけど、だったらもっと明確にわかりやすく書いてくんない!?もー何から何まで合わなくて、最後まで読んだものの理解は放棄しました。

  • 絵画のシュールレアリスムは大好きだけど、文学は受け付けなかった。写真と文章の配置が別のページになっているのが、作者の意図を組んでいないと思う。ブログのような形式になっていればいいのに・・。

  • アンドレ・ブルトンが街中で出会った女性のナジャとの交流。ナジャは精神的に不安定な女性。だからこそというべきか、ユニークでかけがえのない表現(ことばや絵)で、ブルトンに提示し、ブルトン自身も圧倒されている感覚が生々しく伝わってくる。知り合って、時が経つにつれて、ナジャとブルトンの溝は深まっていくが、それは「ナジャの高みににまで到達していない」のではないかという嫉妬や畏敬の念が入り混じった複雑な感情がつくったものであろう[p159など]。「シュールレアリズム」という枠組みだけで評価するのはもったいない美しい作品。

    また解説など読んでもわかるように、決して小説ではありえないので、作品以外の情報を参照するとより奥行きが出てくる。

  • 後日、再読の価値あり。

  • 白水社版(同じ訳者)ですでに読んでるんですけども、岩波文庫から出たのはブルトン自身による「全面改定版」にもとづいて、細かい注釈も入ったバージョンということで、再読してみました。注釈が詳細だと、いろいろわかって面白い部分もあるんですが、いちいち参照していると純粋なストーリーが頭に入って来ないという難点があります…(私の読み方に問題が?・苦笑)。作者の背景にあった当時の状況を考えながら読むと、純粋に物語りとして読んだ以前よりも面白みは半減したような気がしました。シュールレアリズムも、自動手記とか言い出したあたりでは胡散臭い側面がありますからねえ…。ナジャという女性に関しても、ミューズというよりはただの錯乱からくる言動のおかしい人だったんじゃないの?とか思ってしまうと身も蓋もないし…。ただ最後の1行だけは、何度読んでもハッとさせられます。「美は痙攣的なものだろう、それ以外にはないだろう」

  • アンドレ・ブルトンの代表作となった『ナジャ』
    文章だけではなく、所々に挟まれる写真が読み手のイメージを膨らましていく。ナジャとは、彼女は一体何者だったのか。そんな疑問もまた遠くに流されていく。

  • 「美は痙攣的なものだろう、それ以外にはないだろう」

  • 大学の卒論がコレでした。
    文壇では大昔に「終わっている」シュルレアリスムですが、
    わたしの中ではいまだ現役。
    超現実の中にこそ真実が見える。そんな気がします。
    それはそれとして、ナジャは怖い女です(笑)

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ナジャ (岩波文庫)の作品紹介

パリの町で出会った妖精のような若い女・ナジャ-彼女とともにすごす驚異の日々のドキュメントが、「真の人生」のありかを垣間見せる。「私は誰か?」の問いにはじまる本書は、シュルレアリスムの生んだ最も重要な、最も美しい作品である。1963年の「著者による全面改訂版」にもとづき、綿密な注解を加えた新訳・決定版。

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