紅い花 他四篇 (岩波文庫)

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著者 : ガルシン
制作 : 神西 清 
  • 岩波書店 (2006年11月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (150ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003262115

紅い花 他四篇 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 昔、福武文庫の『ガルシン短篇集』を読んだものの、
    相次ぐ引っ越しの途中で手放してしまい、
    少し前に「赤い花」を読み返したくなったので、
    今度はこちらの岩波版を購入。
    タイトル表記は「紅い花」だが、
    古本屋さんで買った1959年改版→1989年第48刷では
    「あかい花」と表記されている。
    個人的にはこのひらがな書きに魅力を感じる。

    収録は「あかい花」「四日間」「信号」(これらは福武文庫で既読)
    と、童話風の「夢がたり」「アッタレーア・プリンケプス」の5編。
    表題作は、精神病院の庭に咲いた罌粟の花を悪の象徴と見なして
    徒手空拳で虚しい戦いを挑む青年の短い物語。
    19世紀後半のロシアという激動の世に生を受け、
    繊細過ぎて精神を病んでしまったインテリゲンチャの魂の叫びが
    美しく痛ましい物語として血の色を含んで開花した――
    とでも言えばいいだろうか。

    それにしても心に沁みる名訳。

  • 短いが、どれも印象に残る美しく悲しい話。悪を滅ぼさなければならないと、その命を削る青年。たしかに狂気だが、いつの世も、世界を変えようと思う人はそういう危うさを孕んでいるのかもしれない。「四日間」―戦争とはこういうものか、と死体の傍らで生にしがみつき、自分の犯した罪と失ってから気付く平時の愛しい日々と向き合う。「信号」男の健気さが邪道に落ちた(?)男の心を引き戻したか。悲しい。「夢がたり」衆愚の中で信念を語る。しっぽが落ちる。また生えてくる。ただそれだけのこと。「アッターレア・プリンケプス」自由に向かってぐんぐん伸びるしゅろの姿は美しかった。しかしその末路は…。地に根を張っていては温室から出て生きられないのかな。

  • 図書館で借りた本。5話の短編集だがかなり薄い本。アッターレア・プリンケプスと信号が好きかな。あかい花は精神病院に収容された青年の話。アッターレア・プリンケプスは絵本を読んでる感覚になるくらい情景が浮かぶ。報われず、あっさりしたラストだが植物達の会話が童心を思い出させる。

  • これはあれか、大人向けの童話って感じだろうか。単に短いからそう思うだけか。概ねこの時代の本というのは、一ページにめっさ文字が入っていて、見るだけでむはーとなってしまうけども、これはどの話も短くて、やっぱこれくらいがちょうど良いわー、とへたれとしては思ってしまう。

  • まるで田舎武者のような素朴さがいい。
    『紅い花』『信号』気に入ってる。

  • 美しいが哀しい。

  • 紅い花と四日間以外は心にじんわりと来るものがあった。
    とくにアッタレーア・プリンケプスは最後のはなしということもあって特に印象に残る。
    強気なアッタレーアが幸せるなることはなかったけれど、消極的ではありながらそのそばに居続けた蔓草を見るとこちら側からは幸福に見えた。

  • 精神病と聞いて手に取ったが、予想外に話の性根がまっすぐだった。
    「紅い花」彼の達成感が実に思われる。
    「四日間」テーマはエグいものの、これからの希望が見えたと思った。
    「信号」虚しい、やるせない。けれども清く終わる。
    「アッタレーア」これだけ後味が悪い。比喩的で色々考えさせられた。

  • 「紅い花」の鮮やかさが強烈。どれもまっすぐ迫ってくるものばかりで、苦しくもあり、また清々しくもあり。純度の高い、研ぎ澄まされた感覚。狂気の美しさ。

  • 精神を侵されていたにしては温かさが息づいていた
    戦争がいかに人間の根源を脅かすかを強かに表現
    そして俗世界から離れ、動植物を登場させた童話のような話。スキダ。
    どの作品にも彼の慎ましやかな優しい心が。

    2009/03/09

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紅い花 他四篇 (岩波文庫)の作品紹介

極度に研ぎ澄まされた鋭敏な感受性と正義感の持主であったロシアの作家ガルシンには、汚濁に満ちた浮き世の生はとうてい堪え得るものではなかった。紅いケシの花を社会悪の権化と思いつめ、苦闘の果てに滅び去る一青年を描いた『紅い花』。他に、『四日間』『信号』『夢がたり』『アッタレーア・プリンケプス』を収録。

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