可愛い女(ひと)・犬を連れた奥さん 他一編 (岩波文庫)

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著者 : チェーホフ
制作 : 神西 清 
  • 岩波書店 (2004年9月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003262238

可愛い女(ひと)・犬を連れた奥さん 他一編 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • どの作品だったかは忘れたのだが、チェーホフは村上春樹も小説かエッセイの中で触れていたし、先ごろ読んだ金井美恵子の『道化師の恋』にも顔を出していた。トルストイもまた熱心な読者だったそうだ。ことほどさようにチェーホフというのは玄人好みの作家なのだろうか。この短篇集は表題作2篇のほかに「イオーヌィチ」を収録する。いずれも典型的なロシア・リアリズム小説だ。それぞれの物語は短いにも関わらず、なんだかずっしりとした読み応えがあり、いくつもの人生を生きたような気分になる。篇中では、やはり「犬を連れた奥さん」がベストか。

  • 「犬を連れた奥さん」妻子ある40近い女好きのドミートリイ。海岸通に現れた若い奥さんと仲良くなろうとアプローチしていきますが・・・愚かしくも切ない男女の関係を短編に凝縮しています。男女の関係は100年くらいじゃ変わらないってことか。「イオーヌィチ」滑稽なほど盛り上がるタイミングがすれ違ってしまう男女。「よかったなぁ、あのときもらっちまわないで」のつぶやき。ブラックです。「可愛い女」究極の「あなた色にそまるわ」もしくは「つくす女」。幸せを相手に打ち込むことの中に見出す姿を、単に主体性が無いといって笑えるか?自主性をもって不幸なままでいるほうがましなのだろうか?何に幸せを感じるかは本人の問題。良い悪いの価値判断では語れないなぁと改めて感じさせられました。それに巻き込まれる周りがあるから悲劇も生まれ、笑いも生まれるのでしょう。偶然にもパオロ・ガチバルビ著「ねじまき少女」にも通じるテーマでした。遅まきながら完全にチェーホフに目覚めました。チェーホフ面白い!

  • 著者について何も知らない残念なわたくし。
    今の人も150年の昔の人もほぼ同じようなことに熱中したり、悩んでいたりして、人間って成長してないんだわぁ(笑)。
    読後に主人公たちのことを考えてみるとじわじわと人となりが浮かび上がって来て、心の奥底を見透かしている。ゴリキーがチェーホフにリアリズムを殺しているとか言ったらしいが、読んで考えているとその意味がなんとなくわかってくる。

    少し前に読んだシュトルムの宗教観に縛られた苦しい恋と比べると自分本位に宗教も自由自在してしまうチャッカリ感も窺え、それは作家の出自によるところなのか、才能なのか。
    チェーホフが庶民派な階級出身だからなのかロシア人だからなのか、文豪たちの作品と違って主人公も自分の良いように世間を泳ぐような趣でとてお興味深い。

    ハルキせんせいは時々、チェーホフの旅行記のことに言及してるけど、これはホントに面白いかも。ほかの作品も読んでみよう。

  • 2008年12月5日~5日。
     地味。
     ある程度年齢がいかないと、面白味が伝わらないのかも知れない、なんて思った。
     僕なんかはある程度年齢を重ねちゃったので、凄く判る気がしてくる。
     地味、だけどじわじわと味わいが染み込んでくる。

  • 全部で3篇併録されている。凡てに共通する主題は女性に纏わる作品ということだろうか。
    ”不倫する女性”、”献身する女性”、”音楽に捧げることを決め男を弄んだが挫折し、男を求める女性”・・各々の価値観で男女は交わっていく。
    表題作である「かわいい女」は、献身的な女性を”可愛い”と捉えるか”目障り”と捉えるかは人それぞれだろう。2人の夫の死別、3人目は本妻がいながらも、その息子を自分の子どものように可愛がり、教育する姿は献身的なのか滑稽なのか・・。

  • 戯曲が有名だが、数多くの短編も書いているチェーホフの代表作3編。いずれも辛口の恋愛もので、「犬を連れた奥さん」は、昼ドラの原型みたいな作品。

  •  
    ── チェーホフ/神西 清・訳《可愛い女・犬を連れた奥さん
    18991200 1940‥‥-20040916 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003262239
     
     Chekhov, Anton Pavlovich    18600129 Russia 19040715 44 /0702 Julius
    …… 彼は人生から一つの時間、一つのエピソードだけをとって書いた。
     Kropotkin, Pjotr Aljeksjejevich 18421209 Russia 19210208 78 /
     
    http://saiki.cocolog-nifty.com/shoka/2006/01/post_f9fd.html
     グーロフとアンナ 20060109 憂愁書架
     
    (20150224)
     

  • 登場人物は、個性的なわけでも、特別な事件を経験するわけでもない。ただ、人が生きていく上で避けることのできない哀しみをたたえている。
    読み終わったとき、心がすうーっと静かになる。心を静かにして、余韻を感じたいと思う。次の短編を読み出す前に、一旦本を閉じて心を沈めたくなる、そんな短編集である。
    (2015.1)

  • 男の支えがないと生きる気力を失う女の話。

  • 【本の内容】
    ここに収められた三篇には、晩年の沈潜期に移ろうとするチェーホフ(一八六〇―一九〇四)の精神的・肉体的な変化が微妙に影を落としている。

    淡々と描かれた苦く哀しい人間の姿、しかし、その哀しみの底にもなお、ほのぼのと感じられる生のよろこびを故神西清氏の名訳は鮮やかに伝えてあますところがない。

    『ヨーヌイチ』を併収。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    今年はチェーホフ生誕150年。

    チェーホフといえば神西(じんざい)清。数々の名訳によって日本でのチェーホフ人気を確立させた「文人翻訳者の最後の一人」(本書解説)だ。

    小説や評論も手がける多才の人で、1957年に53歳で世を去った。

    かわいいだけが取りえの恋愛依存症の女が、夫と死別後、家の離れを借りていた男と恋に落ちた。

    2人は秘密を守ったが、自我を持たない女は、男から聞いた話を周囲に受け売りせずにはいられない。

    「してみればもはや、もともと彼女は誰かに打ち込まずには一年と暮らせない女で、今やその身の新しい幸福をわが家の離れに見出(みいだ)したのだということは、語るに落ちた次第だった」(『可愛(かわい)い女(ひと)』)

    端正で少し古風な言い回しは、決して意訳ではない。

    原文に当たれば、驚くほど素直な直訳であることがわかる。

    それでいて文章には不自然さのかけらもない。

    一世を風靡した神西訳も、今や岩波文庫に2冊を残すのみ。

    近年の新訳の自然な語り口は魅力だが、それでも神西訳の輝きは失われることがない。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

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