- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003262238
感想・レビュー・書評
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文学
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全部で3篇併録されている。凡てに共通する主題は女性に纏わる作品ということだろうか。
”不倫する女性”、”献身する女性”、”音楽に捧げることを決め男を弄んだが挫折し、男を求める女性”・・各々の価値観で男女は交わっていく。
表題作である「かわいい女」は、献身的な女性を”可愛い”と捉えるか”目障り”と捉えるかは人それぞれだろう。2人の夫の死別、3人目は本妻がいながらも、その息子を自分の子どものように可愛がり、教育する姿は献身的なのか滑稽なのか・・。 -
戯曲が有名だが、数多くの短編も書いているチェーホフの代表作3編。いずれも辛口の恋愛もので、「犬を連れた奥さん」は、昼ドラの原型みたいな作品。
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登場人物は、個性的なわけでも、特別な事件を経験するわけでもない。ただ、人が生きていく上で避けることのできない哀しみをたたえている。
読み終わったとき、心がすうーっと静かになる。心を静かにして、余韻を感じたいと思う。次の短編を読み出す前に、一旦本を閉じて心を沈めたくなる、そんな短編集である。
(2015.1) -
男の支えがないと生きる気力を失う女の話。
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【本の内容】
ここに収められた三篇には、晩年の沈潜期に移ろうとするチェーホフ(一八六〇―一九〇四)の精神的・肉体的な変化が微妙に影を落としている。
淡々と描かれた苦く哀しい人間の姿、しかし、その哀しみの底にもなお、ほのぼのと感じられる生のよろこびを故神西清氏の名訳は鮮やかに伝えてあますところがない。
『ヨーヌイチ』を併収。
[ 目次 ]
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今年はチェーホフ生誕150年。
チェーホフといえば神西(じんざい)清。数々の名訳によって日本でのチェーホフ人気を確立させた「文人翻訳者の最後の一人」(本書解説)だ。
小説や評論も手がける多才の人で、1957年に53歳で世を去った。
かわいいだけが取りえの恋愛依存症の女が、夫と死別後、家の離れを借りていた男と恋に落ちた。
2人は秘密を守ったが、自我を持たない女は、男から聞いた話を周囲に受け売りせずにはいられない。
「してみればもはや、もともと彼女は誰かに打ち込まずには一年と暮らせない女で、今やその身の新しい幸福をわが家の離れに見出(みいだ)したのだということは、語るに落ちた次第だった」(『可愛(かわい)い女(ひと)』)
端正で少し古風な言い回しは、決して意訳ではない。
原文に当たれば、驚くほど素直な直訳であることがわかる。
それでいて文章には不自然さのかけらもない。
一世を風靡した神西訳も、今や岩波文庫に2冊を残すのみ。
近年の新訳の自然な語り口は魅力だが、それでも神西訳の輝きは失われることがない。
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
味がわかるような、わからないような・・・
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1940年初版。67年改版で読んだ。