可愛い女(ひと)・犬を連れた奥さん 他一編 (岩波文庫)

  • 岩波書店
3.55
  • (29)
  • (49)
  • (77)
  • (12)
  • (1)
本棚登録 : 466
感想 : 56
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003262238

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 文学

  • 全部で3篇併録されている。凡てに共通する主題は女性に纏わる作品ということだろうか。
    ”不倫する女性”、”献身する女性”、”音楽に捧げることを決め男を弄んだが挫折し、男を求める女性”・・各々の価値観で男女は交わっていく。
    表題作である「かわいい女」は、献身的な女性を”可愛い”と捉えるか”目障り”と捉えるかは人それぞれだろう。2人の夫の死別、3人目は本妻がいながらも、その息子を自分の子どものように可愛がり、教育する姿は献身的なのか滑稽なのか・・。

  • 戯曲が有名だが、数多くの短編も書いているチェーホフの代表作3編。いずれも辛口の恋愛もので、「犬を連れた奥さん」は、昼ドラの原型みたいな作品。

  •  
    ── チェーホフ/神西 清・訳《可愛い女・犬を連れた奥さん
    18991200 1940‥‥-20040916 岩波文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003262239
     
     Chekhov, Anton Pavlovich    18600129 Russia 19040715 44 /0702 Julius
    …… 彼は人生から一つの時間、一つのエピソードだけをとって書いた。
     Kropotkin, Pjotr Aljeksjejevich 18421209 Russia 19210208 78 /
     
    http://saiki.cocolog-nifty.com/shoka/2006/01/post_f9fd.html
     グーロフとアンナ 20060109 憂愁書架
     
    (20150224)
     

  • 登場人物は、個性的なわけでも、特別な事件を経験するわけでもない。ただ、人が生きていく上で避けることのできない哀しみをたたえている。
    読み終わったとき、心がすうーっと静かになる。心を静かにして、余韻を感じたいと思う。次の短編を読み出す前に、一旦本を閉じて心を沈めたくなる、そんな短編集である。
    (2015.1)

  • 男の支えがないと生きる気力を失う女の話。

  • 【本の内容】
    ここに収められた三篇には、晩年の沈潜期に移ろうとするチェーホフ(一八六〇―一九〇四)の精神的・肉体的な変化が微妙に影を落としている。

    淡々と描かれた苦く哀しい人間の姿、しかし、その哀しみの底にもなお、ほのぼのと感じられる生のよろこびを故神西清氏の名訳は鮮やかに伝えてあますところがない。

    『ヨーヌイチ』を併収。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    今年はチェーホフ生誕150年。

    チェーホフといえば神西(じんざい)清。数々の名訳によって日本でのチェーホフ人気を確立させた「文人翻訳者の最後の一人」(本書解説)だ。

    小説や評論も手がける多才の人で、1957年に53歳で世を去った。

    かわいいだけが取りえの恋愛依存症の女が、夫と死別後、家の離れを借りていた男と恋に落ちた。

    2人は秘密を守ったが、自我を持たない女は、男から聞いた話を周囲に受け売りせずにはいられない。

    「してみればもはや、もともと彼女は誰かに打ち込まずには一年と暮らせない女で、今やその身の新しい幸福をわが家の離れに見出(みいだ)したのだということは、語るに落ちた次第だった」(『可愛(かわい)い女(ひと)』)

    端正で少し古風な言い回しは、決して意訳ではない。

    原文に当たれば、驚くほど素直な直訳であることがわかる。

    それでいて文章には不自然さのかけらもない。

    一世を風靡した神西訳も、今や岩波文庫に2冊を残すのみ。

    近年の新訳の自然な語り口は魅力だが、それでも神西訳の輝きは失われることがない。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 味がわかるような、わからないような・・・

  • 1940年初版。67年改版で読んだ。

  • だめだ!興味が持続しない!

全56件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

一八六〇年、ロシア生まれ。モスクワ大学医学部を卒業し医師となる。一九〇四年、療養中のドイツで死去するまで、四四年の短い生涯に、数多くの名作を残す。若い頃、ユーモア短篇「ユモレスカ」を多く手がけた。代表作に、戯曲『かもめ』、『三人姉妹』、『ワーニャ伯父さん』、『桜の園』、小説『退屈な話』『六号病棟』『かわいい女』『犬を連れた奥さん』、ノンフィクション『サハリン島』など。

「2022年 『狩場の悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

チェーホフの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×