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- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003263723
感想・レビュー・書評
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ストーリーとしては単純なもので、ロプホーフ、ヴェーラ、キルサーノフの三者が主体となって恋愛、結婚、合理的な裁縫店の経営というように展開していきます。しかし、本書の最も重要なファクターは、ラフメートフとヴェーラの夢であると考えられます。
ラフメートフは他者の痛みや喜びを自分のもののように考えられる人物で、チェルヌイシェフスキーの理想とする社会主義の体現者であるとされています。その彼は、物語中登場するのはほんの短期間ですが、最後の場面において物語の舞台に帰還することが告げられており、これは革命が近いことを暗示しています。また、ヴェーラの夢に現れる宮殿、水晶宮はユートピア的社会主義社会のことで、この部分は著者の示唆していることが分かりやすいと感じました。
本書はドストエフスキーの「地下室の手記」の反駁対象ともなっているため、一緒に読むとより面白いと思われます。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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