ティラン・ロ・ブラン 4 (岩波文庫)

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制作 : 田澤 耕 
  • 岩波書店 (2017年1月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003273845

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ティラン・ロ・ブラン 4 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 北アフリカでモーロ人をやっつけ、キリスト教に改宗させたりと相変わらず大活躍中のティラン君。ギリシャのことはすっかり忘れたかのようにアフリカでもチヤホヤされていたところ、あるモーロ人の王女の奴隷になっていたピラエール・ダ・マ・ビダと再会。もう彼女ほぼ影の主役(笑)でもここまでですでにアフリカで3年の月日が流れていてびっくり。さらに1年くらい戦争して、やっと二人ともギリシャに戻れることに。

    正直4巻は半分以上アフリカでの戦争の話メインで、私が喜ぶ昼メロばりの恋愛パートが少なかったのでちょっと不満(笑)にっくき悪役乳母ビウダは、もっと痛い目にあって欲しかったんだけどアッサリ自殺して退場しちゃうし。でもまあ愛しの皇女カルマジーナ様と再会したティラン君がついに皇女様との寝室での戦いに勝利したのでまあよしとしておきましょう。

    しかしモーロ人相手に戦えば無敵、さらにあれほど鉄壁ガードだった皇女様の城を攻め落としたティラン君ほどの猛者も、突然の不治の病には不戦敗。皇女様との正式な婚礼を目前にしながらあっさりティラン君死去。あまりの唐突さに読者も呆然。

    アーサー王なんか読んでてもそうですが当時の人たちは何かショックを受けるごとに気絶、死ぬほど悲しい、死ぬほど嬉しいなどの理由でいちいち気を失うほど感情爆発させる傾向があったようですが、本書でももれなく頻繁にどのキャラも卒倒、しばしば本当に死にかけたりしつつも実際にそれで死ぬことはなかろうと思っていたら、ティラン君の死後ついに皇帝が嘆きのあまりショック死。そして皇女様も、あの方なしでは生きていけないと思いつめるあまりティラン君の遺体を鼻血まみれにしてしまうほど嘆き悲しみ、宣言通り死んでしまいます。嗚呼。

    ここで終わってもいいと思うんだけど一応補足的にティラン君亡きあとの話も少しあり。皇帝と皇女を同時に失った皇后様は、しかしゲス不倫相手だった息子のような年のイポリト君(ティランの甥っ子だったの?)を新皇帝として夫に迎え、しかし年上の皇后様がわずか3年で亡くなった後は若い後妻を迎えたイポリト君によってティラン君の血筋はギリシャ帝国皇帝として栄えましたとさ、めでたしめでたし。

    というわけで全巻読み終えたわけですが、なかなか楽しかったです。イスラム教徒との戦闘においては、いかにキリスト教の神が正しいか、異教徒を改宗させてお手柄的エピソードもかなり多いけれど、基本的には娯楽小説で、やっぱり当時の読者も恋愛ドラマや明るいエロを楽しみにしていたろうし、それを不道徳と叩かれないためにキリスト教でコーティングする目的もあったんじゃないかという気もする。キャラクター的には騎士としては完全無欠の聖人君子のわりに皇女の寝室ではデリカシーのないティラン君より、お堅い皇女様と恋バナ大好きなその侍女たち、とくに陽気で開放的な侍女ピエラールや、悪役だけど乳母ビウダなんかのほうが人間的な魅力があって好きでした。

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ティラン・ロ・ブラン 4 (岩波文庫)の作品紹介

北アフリカでティランは囚われの身となるも、ついにはイスラム教国を軍事的に征服したばかりかキリスト教に改宗させることに成功する。そして、ギリシャ帝国への帰途につき、想い姫とめでたく婚約したのだが、好事魔多し…。騎士道小説の金字塔、全四冊完結。

ティラン・ロ・ブラン 4 (岩波文庫)はこんな本です

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