幽霊 (岩波文庫)

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著者 : イプセン
制作 : 原 千代海 
  • 岩波書店 (1996年6月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003275047

幽霊 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • イプセンをきちんと読んだのは初めてだけど、よく読むチェーホフと比較してしまう。チェーホフの“奥様”よりは、今どきなかんじで、労働者や働くことへの偏見はない。目に見えないしがらみや習慣や世間体を“幽霊”と評して、とりつかれてる、という表現になることになんか、納得。

  • どこでどの時代に生まれ育ったか、それはどんな環境だったか、その一つ一つが人格形成に影響する。そしてそれは、振り払おうとしても、なかなか振り払えるものではない。いわゆる「常識」と呼ばれるもの。各個人の中にある常識の数が少ないだけ、より自由であると言えるだろう。一体、常識とは何であったか。重んじるべきものと思い込み、実行する。しかしそれは本当に、重んじるべきものなのか。
    女性の自立に意識的なアルヴィング夫人でさえ、息子オスヴァルに対しては因習的な態度をとり、オスヴァルは自分の全く与り知らないところで起こった父親の淫蕩の報いを受ける。歴史も、血も、繋がっている。
    常識を断ち切ることは可能か、否か。正気を失わなければ「太陽」を求めることが出来ないのか。しかし、常識は足枷。それを断ち切り、自由になりたいのだ。

  • 自然主義文学がしばしば好んで取り上げた「(病の)遺伝」というテーマ、そして、「科学の世紀」ともいわれる19世紀における近代化をあざ笑うかのように、人々を恐怖に陥れる非合理的な「幽霊」の暗示。慣習や法や規則の裏に潜む退廃が、においたつように感じられた。

  • 人形の家より先にこれを読んだ。
    イプセンをもっと読んで行きたいと思った、が、絶版多い…

  • 放蕩人生を尽くした夫に悩まされ続けたアルヴィング夫人は、夫から遠ざけて外国で育てたはずの息子に夫と同じ「幽霊」を見る。
    「人形の家」と同じく、結婚の名のもとに女性が金で買われる当時の現実を前提にした女性の自立がその底にあるが、テーマとしては「人形の家」よりも薄くぼやかして描かれている。
    燃え落ちる孤児院、自らの出生を知って屋敷を出ていくメイド、それでも挫けないアルヴィング夫人の前でオスヴァルは言う、「自分を殺してくれ」と。
    親の放蕩癖が子供に遺伝する、それならばいくらでも救いようはあるだろう。
    だが親の罪は子が償わなければならない、それこそが逃げようもない因習の幽霊だったとするならば、生きる喜びはただ理念だけのものでしかないのではないか?

  • とても面白かった。ポイントは過去のことがそのまま現実を乱しているということ。乱しているのは現代の人間だということ。横溝正史臭がする。

  • 2007/12/09

  • 2006夏の重版で買ったよ〜

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原タイトル: Gengangere

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