ロボット (岩波文庫)

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制作 : Karel Capek  千野 栄一 
  • 岩波書店 (2003年3月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003277423

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ロボット (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

  •  「ロボット」という単語を生み出したことで知られる戯曲。話の筋はかなり単純なものだ。ある学者によって開発されたロボット達は産業の担い手として世界中に普及するが、あるきっかけで人間に反乱を起こし、ほとんどの人類を殺してしまう。しかし新しいロボットを生産する方法も失われたためロボット達もまた滅亡に向かう。

     ラストはネタバレになるので控えるが、正直言って「そりゃないだろう」と感じる終わり方だった。この感想は21世紀に生きる者だからこそなのかもしれないが、いやほんと、そりゃないだろう。

     戯曲は上演されたものを観て評価すべきかもしれない。5年前にshelfが上演した「R.U.R. a second presentation」という作品はこの戯曲をベースにしているが、そのまま上演したものではなかった。そのまま上演してもあんまり面白くないかも知れない気がするが、だからどこもやらないのか。

  • 思わぬロマンチックなラストに感動してしまった。
    人間って一体なんなんでしょうね。

  • なるほど初めて出現したロボットという言葉は、バイオロイドに対して使われたのか。
    チャペックが、(後代に与えた影響として)金属と螺旋のロボットを苦々しく思っていたということは、ロボットがそのまま人間の比喩だったことの証拠だろう。

    そして最後の人間は見送る側の存在になる。

    カリガリ博士思い出させる舞台の写真も素敵。

    再読すると、前半の巧妙さがはっきりとわかる。
    独特な人生観をもつドミン、俗な精神と高邁な理想を併せ持つ男たち、そしてひとり労働を忘れないアルクビスト。

    前半の主役は人間。
    後半の主役はロボット。
    前後半通してアルクビストは共通し、馬鹿娘のヘレナはある種イノセントな存在ロボットヘレナとして生まれ変わっている。

  • ロボットの原点でありSF好きにはオススメの一冊です。個人的にはこれを読まずしてロボットの魅力を語れないと思います。

  • 1920年、この本が「ロボット」という言葉を生んだ。ディックの『電気羊』など、その後の様々なSF作品の原点。著者の発想力は天才的だ。

  • ドミンやヘレナ、技術者たちに、それぞれ志があり、悪意が無いというところが、この話の美しくも悲しいところだと思う。

  • ロボットという言葉を世界に広めた戯曲。ドラえもんのブリキのラビリンスみたいな感じ。ちゃうけど。
    人間は子供を産まなくなり、反乱を起こしたロボットが一人の老人を残して人間を絶滅させるが、自分たちの生産方法が分からなくてロボット困る、でも一組のカポーが出来てロボット人類?始まるかも、みたいな話だったけど、ムシャクシャする。
    何がムシャクシャするかというと、新しいエヴァに設定された女ロボットが唯一労働に不向きな出来損ないのお花畑志向ロボットだったこと。生産に寄与できる女は再生産から退けられている。
    何だか訳が分からないけどこんなに露骨ということは裏があるってことなのだろうか。
    ううん。そんなに面白くなかったかなあ。

  • わーお。お見事。

  • 現代からみても、ロボットの問題に対する鋭さがある。

  • カレル・チャペックの名前を知ったのは小学生の時。
    「長い長いお医者さんの話」は、最初いぬいとみこの「ながいながいペンギンのおはなし」と題名が似てるなぁ、なんて思った。
    カレルの兄ヨゼフの絵も、小学生の時から好きだった…。
    ロボットという言葉がカレルによって作られた(正確に言うとヨゼフなのか?)言葉だと知ったのは、確か中学生の時…。
    以来、「ロボット」という話に興味は持ちつつも、全然本を手に取れていなかった…そして、ようやく読んだ。

    労働、勤労、人間であること
    …普段SFって殆ど読まないジャンルなのだが、考えることは多かった。
    少し前に出会った農家のおじさんが「働いて、一年間の内に幸せや楽しさを感じることなんてほんのちょっと。殆どはきつくて辛い」と言いながら、一生懸命仕事に精を出していた…ことを、なんとなく思い出したりもしました。

  • 他にもたくさん作品があるようなので引き続き読みます。

  • どうしても大好きな「山椒魚戦争」と比較してしまう自分がいて、「山椒魚戦争」と比べると全体的に物足りなかった印象かも。ロボットの視点が物語にもっと絡んでくると良かったのかもなぁ・・・。

  • 面白かった! この作品から「ロボット」という言葉が生まれたとは知りませんでした。もしかしたらあのロボットたちの末裔が私たちかも、と思ったらちょっとどきっとしましたね。いや、それは飛躍ですけども。

  • 「ロボット」という言葉を生み出した作品とのことだが、出て来るのはアンドロイドというのか有機的?な生命ではない機械。
    文明の発展が人類を幸せに云々というより、人類と機械を分けるもの、魂のきっかけ、ロボットへの民族導入に込められる悪意を興味深く読む。

  • 「恐怖」と「痛み」からロボットは人間になった。高度な文明は人間のためになる

  • ロボット、という言葉の語源になった歴史的SF戯曲。ロボットもののSFが常に孕んでいるテーマの原点でもあり、いろいろ考えさせられる作品でした。

  • チャペックの「ロボット(R.U.R.)」はロボットという単語を初めて世に送り出した戯曲とのこと。
    なお本作に登場するロボットはどちらかというとバイオロイドに近く、変身できないショゴスが良い例えでしょうか。
    内容はSFの古典あるいは原点といった感じか。最後の幕引きが美しい。

  • ロボットの語源を知ったとき、手塚治虫のマンガに登場するロビタを思い出した。
    目的のためにただひたすら労働する存在…なんだか切ない。

    現代の感覚からいうと、ロボットというよりはアンドロイドに近いものが登場するが、主題にはなんら影響を与えていない。
    科学技術の進歩にある落とし穴が描かれているが、星新一のブラックユーモアとは違い、余韻が強く残る。また、全てを描ききっていないため、多様な解釈を生むことができる。

    学校図書館で借りたが、中学生はあまり魅力を感じてくれないかもしれない。

  • ユニバーサル・ロボット社の社長ドミンとヘレナ・ドーミンの会話。ロボットの立場に不満を訴えるヘレナ。結婚した二人10年後ロボットたちの反乱。人間に容赦をしないロボットたち。ロボットとの交渉に向かう男。戦いに敗れ捕えられたアルクビスト博士。人間を滅ぼした後自分たちに子孫を残す力がないと知ったロボットたち。アルクビスト博士に子孫の残し方を調べるように迫るが・・・。

  • 全編を通じて生命とは何かを繰り返し問うている。すごく真面目なストーリー。
    これが世界初のロボットかー、感動。カレル・チャペックいい仕事してます。
    最初からロボットによる終末論が描いた慧眼に畏れ入る。
    この作品なら、人類のロボットもののお初はこの作品です、と宇宙人に対して自信を持って紹介できる(意味不明?)。
    人類の至宝と言って過言ではないでしょう。


    戯曲としては、戦艦や、ロボット軍団の侵攻などは表現が難しそう。それに科白の表現が地味。あまり戯曲向きではないような。
    ストーリーも重いので、本で読みたいところ

    挿入されている写真がマジで怖い。ますますわざわざ演じなくても、と思える。

    SFとしては、フランケンシュタイン、モロー博士の島と同レベル。ぐにゃぐにゃこねまわして生体組織を作ります。


    ただし、ストーリー上、どうしてこうなった?という疑問は多く、作品の完成度は決して高くない。

    活動には痛覚が必要、などの洞察と示唆に富んでいるので、細かいところでも楽しめる。

  • 知ってはいても、読んだことが無い。
    そういう本はたくさんある。
    この本は、そうした本の1冊。
    「ロボット」という言葉を広めた本でもある。
    でも、この本のロボットは機械的なそれではなく、もっとバイオ的なものとなっている。

    大量のロボットが生産され、人間は働かなくて済むようになる。しかし、それと引き換えに出生率が低下し、子どもがまったく生まれない社会になってしまう。
    そして、ついにロボットが反乱を起こし、人間は一人を残し死に絶える。しかし、ロボットはロボットを生産する術を持っていなかった…

    1920年に書かれたとは思えない進んだ内容。古典として残るには理由があるのだなと感じた。戯曲形式であり、舞台で上演されていたとのこと。

  •  機械仕掛けではなく、血と肉で形作られた人造人間が本作におけるロボットである。人間との姿の差異は非常に少なく、ロボットの人道的解放を説きに来たヒロイン/ヘレンも見分けることが全く出来なかった。人間との違いは魂を持たないこと。そして子供を生んだり、同朋を生産することが出来ないこと等だが、それらは大きな違いに感じられた。しかし研究が進むことで魂さえ宿ったロボットが誕生しだす。人間に大きく近づいたロボットたちはもうひとつの問題の解決に乗り出す。つまりロボットを製造する工場の制圧に動き出したのだ。

     私がおもしろいと思ったのは、ロボットが人間に、人間がロボットに近づいていく過程。

     意志を持たないロボットには望みなどなかった。人権団体や聖職者などが何を言っても意に介さず、主の指示する労働にだけ意欲を示す。理想的な労働力としてのロボット。けれど自己保存のために痛みを感じる機能が付けられると、自分たちの行動に疑問を持ち始める。自分たちはどうありたいのか?
     ヒロインのヘレンを自分のモノとしようとせず、仲間たちで囲んで日々を安穏と暮らす研究者たちの姿には生物としての生存本能を全く感じない。同じように世界の人々も生きる努力を必要としなくなり、ゆっくりと種の破滅が近づいてくる。出生率は低下し、ロボット同様に自身の種を増やすことができなくなる。暮らしは優雅でも、向上心の生まれない中では自分たちはどうありたいのか見えてこなくなる。

     人とロボットの立場が逆転するのは必然だった。

     時に曖昧に、時に明確に描かれる人間とロボットの差異は私たちの日々の生活にも当てはまる。著者チャッペクが描いた未来の姿は現代の本質をついていて考えるべきことが多い。これが100年以上前に書かれたものだとすると、人間の本質は全く進歩しておらず、悪く悪く堕ちていっているのではないかと思わされる。

     原点にして頂点の傑作。

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