葉隠 上 (岩波文庫 青 8-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003300817

感想・レビュー・書評

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  • 「武士道とは死ぬことと見つけたり」の序文で有名な葉隠ですが、武士道とは何なのか詳しく知りたくなったので読んでみました。

    生死をかけた大勝負では、人間は生きることが好きなので、理屈を立てて生きるほうを選択してしまう。

    でも、目標を遂げずに生き長らえることは恥です。武士がお殿様を見捨てて生き残ったとしても、恥で生きることができないでしょう。

    また、死ぬ覚悟をもってすれば、案外人間は死なないものです。

    だから、死ぬことと見つけたりなのです。

  • 読むのに時間がかかるが、その価値を感じる。

  • 葉隠 岩波文庫 上巻 武家の倫理規範の本。名言が多い。


    葉隠は 三島由紀夫や「武士道とは死ぬこと見つけたり」の過激さに引っ張られて、死のイメージが強いが、主君に仕えるという道を全うするために 武士の規範を記したものであって、死と結びつかない部分もある


    常住死身や死狂いの覚悟は、死ぬことは いつでもできる というメンタリティ。

    主君の死を追って殉死するのではなく、死ぬことはいつでもできると思いながら、生きて 主君の仇を討つことが、「武士道とは死ぬこと見つけたり」の意味。


    死ぬことは いつでもできるという メンタリティが 「五輪書」「論語」にない 葉隠の魅力なのだろうが、この刺激的なメンタリティに心頭してしまうと、読書が毒書になる気がする。


    葉隠は、武士としての自己鍛錬 と 人間としての自己鍛錬を論じており、人間としての自己鍛錬部分は 処世術としても読める
    *自己判断を捨て、古人の金言を聞いたり、人に相談すること
    *道とは 我が非を知り、一生打ち置かないこと
    *礼儀により、人から引き立てられて 大器晩成に至る
    *仕合せの時は 自慢、奢りに要注意
    *不仕合わせの時に くさる者は役に立たない


    ビジネス書にあるような「主君のための自己犠牲の精神」と 「愛社精神」を同一化させる ステレオタイプや全体主義的な論調には違和感がある。








  • 【配架場所】 図・2F知の泉 
    【請求記号】 080||IB
    大西 隆 本学前学長紹介図書
    【OPACへのリンク】
     https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/book/1011

  • ★2014SIST読書マラソン推薦図書★
    所在:展示架
    資料ID:09332043

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    開催期間10/27~12/7 (記録カードの提出締切12/12)

  • 死ぬことと見つけたり。
    【熊本学園大学:P.N.なし】

  • 隆慶一郎の「死ぬことと見つけたり」を読んで興味を持ち、こちらも読んだ。旧字体で綴られた古文は読みづらかったが、確かに面白い小話がいっぱい詰まっている。「死ぬことと見つけたり」の元ネタを発見したとき等は特にテンションが上がって良い。

  • 難しいです。

  • 「武士道」を説いた本として有名な葉隠。江戸時代中期に山本常朝という人が語った内容をまとめたものと言われています。
    この本ほど内容が誤解されてるものも無いんじゃないでしょうか。
    まず、一般に「武士道」と思われているイメージは新渡戸稲造の逆輸入本「Bushido: The Soul of Japan」からきています。その内容は日本での宗教的道徳観の一つである、ということで、まぁいわゆる「侍」のイメージを作ってしまったのでしょう。
    そういったイメージが強く、この「葉隠」も「武士道と云ふは、死ぬ事と見付けたり」の一文のインパクトが強く、戦時中なども読まれていることから自己犠牲の尊さや、赤穂浪士的な美徳を説いているように誤解されています。しかし、通して読んでみるとまったく印象が違いますね。
    まず「武士道と云ふは、死ぬ事と見付けたり」の一文は意味合いとしては「一瞬一瞬を死にものぐるいで」というものであり、とくに殉死や特攻を美化するものではありませんし、「忠義」というものも、「忍ぶ恋」つまり片思いのようなもので、主君が冷淡であったりそのようなときに発揮されるもので「これが忠」とは言えるようなものではないとしています。
    ここまででも堅い本と思われそうですが、当時の武士生活のHOW TO的な要素も多く、苦手な上司の酒を断る方法や、あくびの止め方など笑えるような内容もたくさん含まれています。
    個人的な考えでは当時のライフスタイルの一種の自己啓発本であり、新入社員などへの武士入門マニュアルのような意味合いがあったのではないかと。
    ぜひ気軽につまみ読んでほしい本です。

    全3巻 所有
    2、3巻 行方不明中

  • 泰平の江戸時代に鍋島藩(現佐賀県のあたり)の家老(?)が書いたもの。武士とは何か、家臣とはなにかについて説く。ただ将軍に仕えるだけではない、将軍がどのような人間か、使えるに値する人間ならば死ぬまで仕えるべし。

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著者プロフィール

和辻哲郎

明治二二(一八八九)年、兵庫県に生まれる。哲学者・文化史家。大正元(一九一二)年、東京帝大文科大学哲学科卒業。一四年、京都帝大助教授、昭和六(一九三一)年、同大教授。八年には、東京帝大倫理学科教授となり、戦後の昭和二四年に退官する。二五年、日本倫理学会初代会長、三〇年、文化勲章受章。三五(一九六〇)年没。主な著書に『古寺巡礼』の他、『日本古代文化』『風土』『倫理学』(全三巻)『鎖国』『日本倫理思想史』など、また『和辻哲郎全集』(全二五巻 別巻二)がある。

「2020年 『和辻哲郎座談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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