新訂 蹇蹇録―日清戦争外交秘録 (岩波文庫)

  • 127人登録
  • 4.00評価
    • (10)
    • (8)
    • (7)
    • (0)
    • (1)
  • 4レビュー
著者 : 陸奥宗光
制作 : 中塚 明 
  • 岩波書店 (1983年7月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003311417

新訂 蹇蹇録―日清戦争外交秘録 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  •  日清戦争期の外務大臣、陸奥宗光の著。日清戦争、という国運を賭けた戦争とその戦後処理の責にあたった陸奥自らが、終戦後、当時の状況の推移や意思決定の過程を子細に書いた異例の書である。故に発刊後の三十三年間は、外交機密書として世に公刊されていない。

     陸奥の明晰な思考は、当時近代化したばかりであった明治日本においてはまさに一流のものであった。国際法の遵守により正統性を自ら備え、徳義上の論争を自国に優位に運ぶ。一方で欧米各国と絶えず交信し、彼らの利害の範囲を侵さぬよう細心の注意を払い、かつ清に対しては日本の主張を曲げず、講和条約の実効性まで考えた交渉を行う。
     一つ一つの局面、それだけ見れば些細な出来事において陸奥の配慮を尽くした外交の姿勢が見える。真のリアリズム外交の、最上の教科書としても読むに堪える。
     陸奥の緻密な記憶、論理を尽くした文筆力には驚きを禁じ得ない。また同時に一国の外交政策を担うものたる気概と誇りとがひしひしと感じられる。いずれを見ても比類なき一流の外交官であり、政治家であり、文筆家であった陸奥の、永遠に残る著作である。

     近代日本外交の金字塔ここにあり、と言えよう。

  • 陸奥宗光自身の編によって、日清戦争の端緒から三国干渉への対処までを記した本で、おそらく、近代史を多少勉強した人間なら目新しい事実はないと思う。ただ、当事者ならではの感想なども記してあり、それなりの価値はあると言えるだろう。

  • 世界の中で日本を支えてきた外交官たちにお疲れ様と言いたい。

  • 下関条約により日本の不平等条約を撤廃させた陸奥宗光による回顧録。
    東学党の乱により朝鮮国内が混乱し、清国との争いが起き日清戦争の発生、下関条約の締結、三国干渉までが綴られている。
    当時の日本の機密文章であり、当時の日本全権主任であった陸奥宗光の回顧録の歴史的価値は非常に高い。

全4件中 1 - 4件を表示

新訂 蹇蹇録―日清戦争外交秘録 (岩波文庫)のその他の作品

陸奥宗光の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マックス ヴェー...
有効な右矢印 無効な右矢印

新訂 蹇蹇録―日清戦争外交秘録 (岩波文庫)に関連する談話室の質問

新訂 蹇蹇録―日清戦争外交秘録 (岩波文庫)に関連するまとめ

新訂 蹇蹇録―日清戦争外交秘録 (岩波文庫)はこんな本です

新訂 蹇蹇録―日清戦争外交秘録 (岩波文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

新訂 蹇蹇録―日清戦争外交秘録 (岩波文庫)の作品紹介

日清戦争(1894‐95)の時の日本外交の全容を述べた、当時の外務大臣=陸奥宗光(1844‐97)の回想録。新たに草稿をはじめ推敲の過程で刊行された諸刊本との異同を綿密に校訂、校注と解説で本書の成立経緯を初めて明らかにした。表題は、「蹇蹇匪躬」(心身を労し、全力を尽して君主に仕える意)という『易経』の言葉による。

ツイートする