中国文明論集 (岩波文庫 青 133-1)

著者 :
制作 : 礪波 護 
  • 岩波書店
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003313312

感想・レビュー・書評

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    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    宮崎市定氏の中国史の様々な論文などをまとめた一冊
    面白い内容の文章がいくつもあるが、なかでも面白いと感じたのは「中国商人気質」の日本人と中国人の商人の違いだ。
    日本人の商人は客が欲しそうな顔をしたら足許を見られ、一文も負けることがないが、中国の商人は値段交渉の翌日に再交渉すると負けてくれる。これは中国の商人が客がそれほどに気に入った商品をお世話できるのは商人として本望だというのだ。
    どうも中国の商人は商売を一度きりとは考えておらず、一度に多量の茶を買う客よりも、何度も少量の茶を買いに来る客を大事にするためだそうだ。
    そして最後に日本人がヨーロッパの制度を戦術として性急に取り入れたことが様々な点で矛盾を起こしていることを指摘し、本当の近代精神のレールを敷いて、その上に走るべきルールを築く必要があることを書いている。

  •  中国史の大家が書いた論文集
     この著者が書いたアジア史概説は読むべし

  • 中国史家、宮崎市定の論文をいくつか抜き出してまとめたもの。1人の人間がここまで広範囲の事を語れるのかという感じ。
    まだまだ、他にも著作があるらしいので読みたくなった。

  • 日本きっての中国史家・宮崎市定の論考14編を収めた論集。多くの史料から記述を引用する実証的姿勢もさることながら、その平明な語り口も魅力の一つである。また中国文明、東洋文明の本質を明らかにしつつも、それらを西洋文明や西アジア文明との比較において捉えようとするところが、著者の幅広い視野を窺わせる。

  • 卒論本。宮崎市定「東洋のルネッサンスと西洋のルネッサンス」は私のテーマに関する先行研究の草分け。

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著者プロフィール

1901-95年。長野県生まれ。京都帝国大学文学部史学科卒業。京都大学名誉教授。文学博士(京都大学)。文化功労者。専門は,東洋史学。主な著書に『東洋に於ける素朴主義の民族と文明主義の社会』(1940年)、『アジア史概説』全2巻(1947-48年)、『雍正帝』(1950年)、『九品官人法の研究』(1956年、日本学士院賞)、『科挙』(1963年)、『水滸伝』(1972年)、『論語の新研究』(1974年)、『中国史』全2巻(1983年)ほか多数。『宮崎市定全集』全24巻+別巻1(1991-94年)がある。

「2021年 『素朴と文明の歴史学 精選・東洋史論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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