君たちはどう生きるか (岩波文庫)

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著者 : 吉野源三郎
  • 岩波書店 (1982年11月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003315811

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君たちはどう生きるか (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 思うところがあり、書き直しました。<(_ _)>

    初めて読んだのは小学校高学年。
    5年生だったか、6年生だったろうか。
    人間ってなんだろう? 生きるってなんだろう? 
    と純粋に思い始めた頃だ。

    それから今まで何度読み直したか分からない。

    「コペル君」と「おじさん」の会話が淡々と進む。
    コペル君が学校で出会う様々な事件。
    それに対してコペル君が感じたことに、おじさんがノートに返答を書く。

    人を差別してはいけない。
    人間なんてデパートの屋上から眺めたらちっぽけなものだ。
    その一分子として、主観的ではない客観的な視点を持たねばならない。
    立派な人間とはどういう人間のことをさすのか。

    ニュートン、ナポレオンなどの偉人を引き合いに出したり“生産関係”などの社会科学的な言葉で、人間のつながりを教えたり。

    おじさんのノートは、常に豊富な示唆に富んでいる。

    子ども心に、「そうか、人間はこう考えて生きていかなければならないんだ」と感銘した記憶がよみがえる。

    戦時中の子供たちに“人間の生き方”を真正面から問うた吉野源三郎の不朽の名作。
    それ故に太平洋戦争が始まってからは刊行も許されなくなった。

    読んだ後、それからの私の人生の指針となった珠玉の一冊。
    まさに、私の人生を決めた生涯の一冊。
    ※ちなみに、池上彰氏も自分の人生に影響を与えた一冊だと言っています。

    大人になった今読んでも、深く考えさせられる名著であるのは間違いない。

    子どもたちのみならず、多くの大人たちにも読んでもらいたい。
    宝物のような作品。

    今の子供たちに真正面から問いたい。考えてもらいたい。
    君たちはどう生きるか?

    そして、自ら、或いはまわりの大人たちにも問うべきだろう。
    これから、私は、あなたたちはどう生きるか? と。

  • 名作。読む前に気合いを入れてみたのだけど、拍子抜けするほど読みやすかった。

    コペル君の成長には、コペル君自身の知的好奇心と、出会いと経験、それから彼の好奇心を支える周りの人々が欠かせないのだと思う。
    結局、人は一人で生きるより、皆で生きることの方がより複雑な経験を得るのだな。
    そうして、芽生えた苦しみや悲しみを、糧にしようとするアドバイスは、私の心にもぴったりはまって、心地良いものだった。

    マイナスの感情に囚われることは、なにも不幸なのではない。
    そんな風に感じ、落ち込み、迷う自分を知ることの大切さを思い知らされた。

    コペル君を育てることは、簡単なことではない。
    必要なときに、必要な言葉をかけてあげることのできる、大人にも余裕がないといけないからだ。
    けれど、学ぶことの楽しさを、生きることの美しさを感じ、伝えてゆける余裕の持った大人が増えるのならば、きっとワクワクするような社会になるんだろうな……とも思ってしまう。

    貧しさと、生産する者の尊さ。
    立場と、立場では覆せない、人の在り方。
    裏切りと、それを受け止めることの勇気。

    丸山眞男の解説も、すごくいい。

  • 昔読んだかすかな記憶から、この本を手に取った。なんとなく好きだった程度の感覚が、今あらためて読むことで、こんな素敵な本だったのかとまで変化した。今出会えてよかったし、これからいろんな人に勧めたい本。

  •  本書の物語は、中学生コペル君の体験と、それに対する叔父さんのアドバイスというかたちで展開してゆきます。もちろんその主題にあるのは「どう生きるか」ということですが、それは個人としての心の在りようの問題であると同時に、社会のなかで生きる者としての心の在りようの問題でもあります。つまり「どう生きるか」という問いかけは、人として持つべき心について考えるだけではなく、世の中の何を見て何を感じるかということ、またそうして見聞きしたものをどのようにして世の中との関係のなかで考えてゆくか、という問いかけでもあるのです。

     なぜ自分が生きるために世の中の物事を見て感じ考えなければならないのか。それは「どう生きるか」ということを自分で問い考え続けなければならないからだと著者はいいます。目標にすべき「立派さ」というものは人から与えられるものではなく、自分の感動のうちにしかありません。ですから、叔父さんは、名のある立派な人間になってほしいと言っている訳ではありません。いくら名があってもそこに心がなければ意味がないのです(重要なところなので念のため)。

     ですから、コペル君に助言する叔父さんは、ほとんどの場合何かの明解な答えを教えているわけではありません。自分はどうすべきなのかということは、自分で考えなければ意味がないからです。叔父さんは、コペル君が考えたことが世の中にどう繋がるかを教えるだけです。そこからコペル君は、日常で見聞きした物事について「世の中にどう繋がるか」という視点から考えるようになってゆくのです。たった一つの例外、叔父さんが明快な答えを突きつけたのは、コペル君が自分の心の弱さに負け、自分の良心にそむく行動をとったときだけでした。自分がすべきだと思ったことから逃げようとしたときだけだったのです。

     このような意味で、本書は「どう生きるか」を”教える”のではなく、「どう生きるか」と問いかけている本なのです。本書が軍国主義化していた日本において”少国民”に向けて書かれたという文脈を超えて、今なお読まれ続ける理由は、その問いかけにあるのでしょう。

     それは、解説にもあるように、「甘ったるいヒューマニズム」でも「かびのはえた理想主義」でもなく、それについて誰もが考えざるを得ない問いかけなのです。

  • この著書は、15歳になるかならないかのコペル君と、大学を出て間もない法学士の叔父さんとのやり取りという形で、人生いかに生きていくべきかと、昭和10年、戦争の足音が近付く中で、 哲学者の吉野源三郎氏が記した子供への希望の書である。
    大学時代から、この本を読むべきと勧められらた経験は何度もある。
    しかし、34歳になる今まで読了して、心に沁みいったことはなかった。
    つまり、それだけ私自身が未熟であったという何よりもの証である。
    子どもに対して倫理観を教えたり、社会観を教えられる大人が極端に減っている理由を考えてみると、自らを客観的に捉える感性を喪ってしまっている点にあるのではなかろうか。
    あらゆるものを主観的に、瞬間的に判断していまう人が増えてきた日本社会において、改めてこの著書が読まれる意義は、非常に大きい。
    私自身が、「君はどう生きるか?」と問われても、明確な答えを見出せていない。
    だからこそ、たまには立ち止まって、『コペル君なら何を考えるだろう?』、そう思い返す時間を大切にしたい。
    それが読後の唯一の感想である。

  • コペル君だそうだ、コペル君。本を開いたときに思い出したが、以前読んだ時には、読み終えられなかったので、本棚に登録しなかったのだろうな。

    昭和12年の本ってと思うが、 本田建ー氏のお勧め本でまた手に取ってみる。こんなに長い間支持される本もすごいね。

    中学一年生の主人公、おじさんとの対話でニュートンの発見、ナポレオンの英雄的精神等、生き方を学んでいく本。

    古くても良い考えはや本は、変わらないとは思うが、娘たちが中学生の時にこれを題材にして話をしてもピンとくるだろうか、という点では不明。

    【学】
    アレクサンダー大王は紀元前334年、ギリシャ同盟軍を率いてアジア大陸を征服してまわった。東西の文明を結びつける為に、遠征の要所、要所にギリシャ人を住ませた。仏教は有ったが、仏像を彫刻する文化がインドには無く、ギリシャ人によって仏像は作られたので、仏像の顔は西洋人っぽい

    # 本田建ー氏お勧め本

  • この本はまったく堅苦しくありません。
    主に登場するのは、中学2年生のコペル君とその友人たち、そしてコペル君のおじさんです。
    コペル君が感じたことを、コペル君のおじさんがとても丁寧に説明しながら鋭く分析していきます。
    それを読みながら読者はいつのまにか自分はどう生きるかを考えます。

  • 小1の終わりに、何かの付録だった豊田佐吉の伝記まんがを読んで感動して、図書室にあった伝記のシリーズ(ヘレン・ケラーとか野口英世とか…)を片っ端から読んでいった。何が琴線に触れたのかは分からないけれど、道徳的なもの、教訓的なものに惹かれる年ごろはあるのだろうと思う。そしてひと昔前までは、そうした子供たちを対象にした本が多く尊刺し、またそれを読ませるような風があったように思う(ただのノスタルジックな記憶ねつ造だろうか)。

    そうした類の本の代表が本書であろう。知人から進められて手に取ったが、非常に面白かった。願わくは、小学生が自発的にこの本と出会ってくれることを。でも現在の環境じゃそれも奇跡に近い気がする。

  • タイトルから説教臭さを感じるかもしれません。元々1935年から刊行された『日本少国民文庫』の倫理をまかなうものとして書かれたものなので、もちろんそういう部分も多々あります。しかし実際に読んでみるとそれよりも物語の面白さに引き込まれます。
    主人公コペル君の日々の生活とそこから生じる疑問や問題。それに対して叔父さんが科学的知識や歴史事項や自らの経験を踏まえての意見を返す。その叔父さんの意見がコペル君の体験に基づいているからこそ、教科書的ではない言葉として届きます。また科学や歴史の知識というのは実践的に己の体験に則して見ることで血肉となることも併せて感じさせられます。
    何よりコペル君と級友たちの友情がいいんですね。はじめちょっと変わったやつと思っていたのが、経験を通じて相手のことを知り友情を育むことになる。80年近く前の作品なのに面白く読ませるのは、そんな友達関係の素敵さが変わらないからでしょうか。戦後一変した社会情勢に合わせて言葉や文章の変更が為されたとのことですが、この文庫化の際にまた元の形に戻されたそうです。きっと社会情勢や風俗は変われど変わらぬものがあることを示すためにも、その方がいいのでしょう。もちろんそこに現代的感覚と思想を付け加えて己のものにする必要はあるでしょうが。

  • 生きるということを考えた時、この本に出会った。
    自分の弱さを浮き彫りにさせるような、後悔の章では本当に震えるような気持ちになった。それでも潔く立ち向かい新たな一歩を踏み出す事が人生の岐路にとって大切でなんだと感じた。自分も一歩踏み出して、目の前の誰かを大切にしたい。
    人間分子、網目の法則に早く気づいて良かったと思うし、自分だけでなく誰かにも伝えたいと思った。

    心が震えた書で、また読み返したい。

    読み返すと、心が折れそうになるとき立ち向かう気持ちになれるような本だと改めて感じる。

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著者がコペル君の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か。それは、人生いかに生くべきかと問うとき、常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ、というメッセージであった。著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載。

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