忘れられた日本人 (岩波文庫 青 164-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003316412

感想・レビュー・書評

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  • 学生のときにこの本が全然目に入らなかったのはどうしてなんだろう。
    読んでおけばもっと民俗学を面白く勉強できたのに。
    日本人について知らなすぎると反省。

  • 百姓という英雄たち

  • 4-00-331641-2
    c0139P570.

    忘れられた日本人

    岩波文庫 青164.1
    1984/05/16. 第1刷発行
    1993/05/18. 第23刷発行

    著者:宮本常一(みやもと つねいち)
    発行所:株式会社岩波書店

    表紙より
    昭和14年以来日本全国をくまなく歩き、各地の民間伝承を克明に調査した著者(1907-81)が、文化を築き支えてきた伝承者=老人達がどのような環境に生きてきたかを、古老たち自身の語るライフヒストリーをまじえて生き生きと描く。
    辺境の地で黙々と生きる日本人の存在を歴史の舞台に浮かび上がらせた宮本民俗学の代表作(解説=網野善彦)----

    手にしたきっかけ
    通称「本コロ・2」と言われる佐野眞一氏の著書に出てきた5冊のうちの1冊。

  • 日本中を旅して一般の人から話を聞いた宮本常一の代表作。日本中を旅して階段や廃校の写真をSNSにアップロードしている人の大先達。

  • 昭和14年以来、日本全国をくまなく歩き、各地の民間伝承を克明に調査した著者(1907‐81)が、文化を築き支えてきた伝承者=老人達がどのような環境に生きてきたかを、古老たち自身の語るライフヒストリーをまじえて生き生きと描く。辺境の地で黙々と生きる日本人の存在を歴史の舞台にうかびあがらせた宮本民俗学の代表作。

  • こういう民俗学的な話はやはり「エロばなし」が面白い。ある地方では男女共に誰と寝ても良かった!めちゃオープン。

  • 辺境の地で黙々と生きる日本人の知恵。
    村では、寄合制度が形成され、そこでは表面的には村の取り決めや自治が行われていたが、本質的には村の人々との知識の共有がメインだった。
    今から120.130年前は、読み書きができない人の方が多く、読み書きができるひとの役割が非常に大きかった。そのような人々は、正確に村で起きていることを記録し、伝承し、のちの世代を発展させることを目的としていた。今の時代で考えてみると、文字は溢れんばかりに存在していて、その存在意義を考える暇もない。のちの時代へと伝えていくという文字の一面を考えてみると、もう少し責任を持たないといけないかもしれない。
    今、日本にある村は絶滅しつつあるが、昔はそのコミュニティで人々が生活を営み、生きた知識を繋いで行ったという事実をこれからの時代にも伝えていかなければならない。

  • すべてを手放しに称賛することはできないけど、善悪で判断しない、法律で線引きしない世界には、現代にはない豊かさがあると思った。教育や開墾が何をもたらし、何を失くしてしまったのか、考えるきっかけになる本。

  • スタジオジブリの宮崎駿・高畑勲の愛読書であり、彼らの作品に影響を与えた本であると何かで見て読んでみる気になった。

    明治から昭和にかけて生きた地方の古老たちのライフヒストリーを民俗学者の宮本氏がまとめて本にしたもの。

    100年以上前の地方の村社会で生活した人々の話が面白いのかなと最初思っていたのだが、良い意味で完全に裏切られた。
    当時の人々の生活についていかに私が何も知らず、テレビや歴史物語で刷り込まれたステレオタイプ的な人間像しか持っていないか思い知らされた。
    彼らの人生が本当に多種多様であった様で、地方から東京はおろか、台湾や韓国まで働きに行った人等もいたようだ。
    また、生まれ育った村で誠実に一生懸命働き、人はおろか動物たちにも深いやさしさと愛情を寄せ生きている人たちの話など、その心根の善良さに心を打たれてしまった。
    一つ言えるのは、殆どの人が、世間体や一般常識よりも自分の心に忠実に生きたのだという事。
    あと当時は性的に大変おおらかであったのだなと感じさせられた。

    大変読む価値のある一冊であった。

  • 幕末から明治にかけての古老のお話し。貨幣経済が浸透したなかにも、村落共同体のしきたりや明らかな身分差など中世的、封建的な匂いを感じる話しが多い。文明開化を中心とした教科書的な歴史との同時代に、パラレルに存在した民俗学的な景色である。
    近代の価値観では会議は結論が大事であり、性は秘匿し慎むものと相場が決まっている。しかし、対馬の会議はプロセスに重きを置くため結論がでるまで何日も続き、土佐における性の交わりは単調な暮らしにおける最も身近な娯楽である。
    私が手にとったのは61刷である。岩波文庫のなかでも人気の一冊であることがわかるが、その理由は近現代に欠けたものに想いをはせるノスタルジックな感覚だけでないと思う。冷静になって自省したとき、曽祖父母の時代にまであった感性がどこか自分のなかにも息づいている直感を残すからであろう。

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著者プロフィール

1907年(明治40)~1981年(昭和56)。山口県周防大島に生まれる。柳田國男の「旅と伝説」を手にしたことがきっかけとなり、柳田國男、澁澤敬三という生涯の師に出会い、民俗学者への道を歩み始める。1939年(昭和14)、澁澤の主宰するアチック・ミューゼアムの所員となり、五七歳で武蔵野美術大学に奉職するまで、在野の民俗学者として日本の津々浦々を歩き、離島や地方の農山漁村の生活を記録に残すと共に村々の生活向上に尽力した。1953年(昭和28)、全国離島振興協議会結成とともに無給事務局長に就任して以降、1981年1月に73歳で没するまで、全国の離島振興運動の指導者として運動の先頭に立ちつづけた。また、1966年(昭和41)に日本観光文化研究所を設立、後進の育成にも努めた。「忘れられた日本人」(岩波文庫)、「宮本常一著作集」(未來社)、「宮本常一離島論集」(みずのわ出版)他、多数の著作を遺した。宮本の遺品、著作・蔵書、写真類は遺族から山口県東和町(現周防大島町)に寄贈され、宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)が所蔵している。

「2022年 『ふるさとを憶う 宮本常一ふるさと選書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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