石橋湛山評論集 (岩波文庫 青 168-1)

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著者 : 石橋湛山
制作 : 松尾 尊兌 
  • 岩波書店 (1984年8月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003316818

石橋湛山評論集 (岩波文庫 青 168-1)の感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • ずっと積んでいたが、「東洋経済」のアーカイヴが電子化されたのを販売する立場になって、思い出して読んだ。自由主義の人、というのは聞いていたが、想像以上に一本筋の通った評論を貫いた人だった。あの時代の渦中にいて、植民地不要論や軍備全廃論を堂々と唱えていることに驚くし、その炯眼は素晴らしい。婦人論や綱紀粛正の行き過ぎを戒める論はそのまま現代に通じそうだ。他国のナショナリズムに対する態度にも心打たれる。戦時中、新聞より雑誌には弾圧は緩かったとも言われるが、レトリックを駆使し持論を展開したその努力も大きいのではないか。

  • あの時代にあって、これだけリベラルな発言を続けることには、相当の覚悟と勇気がなければできるものではなかったであろう。いまの政治家の言動を見ていると、”付和雷同”か、とにかく何が何でも"けなす”かの態度が目立ちます。自分の考え、信念を貫き行動する為政者のなんと数少ないことか。そんな中で、翁長知事の言動は(難しいことは勉強不足であまり分からないのですが)、首尾一貫しているように思います。

  • 石橋湛山(1884-1973)の評論・エッセイを選び文庫に編集したもの。論調は(他意なく)自由主義で一貫している。そしてたいしたことではないが、文章が明快なので(時代や題材の割に)とても読みやすい。

    【メモ】
    ・石橋湛山記念財団 略歴
    http://www.ishibashi-mf.org/profile/index.html


    【目次】
    凡 例         003

    Ⅰ 急進的自由主義者の出発1912-1913  009
    1 問題の社会化 
    2 国家と宗教および文芸 
    3 哲学的日本を建設すべし 
    4 愚なるかな神宮建設の議 ほか 
    5 維新後夫人に対する観念の変遷 
    6 犬養・尾崎両氏に与う 
    7 我に移民の要なし 

    Ⅱ 大正デモクラシーの陣頭で 1914-1923  049
    1 青島は断じて領有すべからず 
    2 禍根をのこす外交政策 
    3 代議政治の論理 
    4 帝国議会を年中常設とすべし 
    5 過激派政府を承認せよ 
    6 騒擾(ソウジョウ)の政治的意義 
    7 鮮人暴動に対する理解 
    8 罷業を悪まば ほか 
    9 一切を棄つるの覚悟 
    10 大日本主義の幻想 
    11 白蓮夫人の家出 ほか 
    12 死もまた社会奉仕 ほか 
    13 精神の振興とは ほか 

    Ⅲ 政党政治への提言 1924-1931  133
    1 婦人を社会的に活動せしめよ 
    2 行政改革の根本主義 
    3 市町村に地租営業税を移譲すべし 
    4 直訴兵卒の軍法会議と特殊部落問題 
    5 共産主義の正体 
    6 戦死者を思え 
    7 近来の世相ただ事ならず 

    Ⅳ 戦時下の抵抗 1931-1945  175
    1 満蒙問題解決根本方針如何 
    2 綱紀粛正主義者の認識不足、我が政治の良化をかえって妨げん 
    3 世界解放主義を掲げて 
    4 ドイツの背反は何を訓えるか 
    5 いわゆる軍人の政治干与 
    6 百年戦争の予想 
    7 敢えて婆心を披瀝し新内閣に望む 
    8 ベルリン最後の光景 

    Ⅴ 戦後日本の進路 1945-1968  255
    1 更生日本の針路 
    2 プレスクラブ演説草稿 
    3 池田外交路線へ望む 
    4 日本防衛論 

    注          285
    解 説(松尾尊兌)  293

  • まったく古びていない、どころか今の社会への提言そのものなんではないかと思ってしまうほど、新鮮さに溢れています。
    金言の数々。シンプルな主張、明快な論理。軸としなやかさと。
    今こそ必読の一冊。

    http://cotanote.com/archives/10135

  • 現状認識の確かさとぶれない信念の人。すごい。

  • 石橋湛山の評論文。記者であるので、その文章力はもちろんだが、時代を見抜く力がすごい。
    現代に彼が生きていれば、どのような視点でもって日本の外交を論じているか・・・。

  • 政治のことはよくわからないし、どうにもサッパリしませんが、石橋湛山は読んでるんでしょうね?!とセイジカに質したくなること多々。

  •  一ジャーナリストとして、東洋経済新報社の主幹(代表)として、総理大臣、大蔵大臣などを歴任した政治家として、言論を訴え続けた石橋湛山の評論集。

     明治末から昭和の戦後までと時間の隔たりがあるものの、民主主義に対する考え方も、植民地に対する考え方も、理路整然としていて現実的で、一貫性のある主張をしている点にただ感嘆するのみ。そして、現在日本を取り巻く問題にも通じる部分があること多々。今の日本にはこういった主張ができるジャーナリストが求められているのかもしれない。私の大学の偉大なる先達。

     特に気に入ったものを抜粋する。

    「私は決して今の社会運動の中に流れておる思想を一々ことごとく是認するのではない。その中にはあるいは前にも述べたが如く、問題はすべて経済だけで解けると余りに考えた迷想もある。(略)例えば平和問題という如きものにしても、今はもはや「人道」、「正義」などという漠然たる感情に立脚した説は著しく空虚を感じて、而してその「人道」、「正義」というものの内容が問題となってきた。(略)国民道徳の問題とか、家族制に関する問題とが近頃非常に多く論ぜられてきたのはこれを示している。」(1912(明治45)年「社会の問題化」)

    「思うに我が国は一の謬想に陥れり。人口過剰ということこれなり。」 (1913(大正2)年「我に移民の要なし」)

    「しかるに我が国民には、その大欲がない。朝鮮は、台湾、支那、満州、またはシベリヤ、樺太等の、少しばかりの土地や、財産に目をくれて、その保護やら取り込みに汲々としておる。従って積極的に、世界大に、策動するの余裕がない。卑近の例を以ていえば王より飛車を可愛がるヘボ将棋だ。結果は、せっかく逃げ廻った飛車も取らるれば、王も雪隠詰めに会う。いわゆる太平洋及び極東会議は、まさにこの状況に我が国の落ちんとする形成を現したものである。(略)これに反してもし我が国と国民に、何もかも棄てて掛るの覚悟、小欲を去って、大欲に就くの聡明があったならば、吾輩はまず第一に、我が国から進んで軍備縮小会議を提議し得たはずだったと思う。第二に、仮りに会議の主動者には和が国際的位地低くして、成り得なんだとしても、もし政府と国民に、総てを棄てて掛るの覚悟があるならば、会議そのものは、必ず我に有利に導き得るに相違ない」 (1921(大正10)年「一切を棄つるの覚悟」)

  • 日本の歴代首相というと、どうも信用できないと言いますか---偏見もあるとは思いますが---いまひとつ尊敬出来ないのです。
    しかし、石橋湛山だけは真の政治家であり、日本のことを真剣に考えた稀有の人物ではないかと思います。
    病気を理由に早々に退陣しまったことが、かえすがえすも残念でなりません。

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