被差別部落一千年史 (岩波文庫 青 191-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003319116

感想・レビュー・書評

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  • 若干19歳でここまでの書を書き綴れることにまずもって驚嘆の意を表したいと思う。

    一般無産者の運動は、究極においては社会組織変革の問題であっても、当面の問題として日々の経済的闘争をする。
    水平社の運動は、究極においてその綱領に言うがごとく、全人類の解放を目的とするが、当面の問題として差別待遇廃止の要求をする。ただ、これのみに終わるものではない。(p259-260)

    われらの運動は、蹴飛ばされ踏み躪られながら、なお死にえなかったわれわれが流血の闘争である。われわれの祖先は不甲斐なかった。そしてわれらは、今われらが流血の闘争をもって自らの解放を叫ばざる限り、次のジェネレーションも、またその次のジェネレーションも、永遠に鉄鎖より放たれる日のなきを想う。もしもわれらの闘争途上において、暴力が行使されることがあるならば、それは正義と自由を守るための暴力、倫理の暴力である。
    われらの進み行く方向は、われらが最もよく知っている。この必然と不可避とは、歴史の教えるところである。解放の過程をたどる歴史は、階級闘争の深化とともに、人類がその有史以前の夜明けに近づきつつあるを指し示した。
    白熱せる階級闘争の裡に、われらはわれらの進むべき方向を見る。赤き血潮に染め上げられた旗を押し立て、われらは力強く抗争し行く。階級闘争は、われらに運動の最後の帰着点を指し示す。そしてそのとき、すべての被搾取階級が解放されるとき、われらもまた解放されるであろう。(p287-288)

  • 穢多、非人
    前半は社会から排除された人間について
    後半はそのような現状を作り出した社会への声が書かれている
    同じ人間がなぜ人間ではないのか
    なぜ有産階級の者が助けないのか
    なぜ社会、司法がそれを認めたのか
    差別、社会への疑問もあるが、人間とはなにかとも考えさせられる
    ただの被差別部落についてではない
    社会へに痛烈な批判も含んでいる
    とても奥の深い一冊

  • ここまで迫力ある本ははじめてかもしれません。一気に読みました。次の一歩を考えさせられる本。

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