孫子 (岩波文庫 青 207-1)

著者 :
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  • / ISBN・EAN: 9784003320716

感想・レビュー・書評

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  • 1.あらゆる一流ビジネスマンがこの本から学んでいることが気になったので、読むことにしました。

    2.この本は原文、読み下し文、現代語訳の3段階構成に分かれています。かつて、中国にいた武将の戦争への思想が書かれています。
    この本は兵法と書かれていますが、いかにして無駄に戦わないかを述べています。
    例えば、戦争を長期化させることは無意味であったり、相手の意表を突くために自分たちのなすべき策を講じたりしています。

    3.難しい部分があったので、全て理解できなかったという点で星3つにしました。
    また、これを完璧に理解できるならそりゃ一流になれるわ(笑)とも思いました。人間の心理を徹底的に考え、国を安定させるとともに敵軍を討つということがどれだけ難しいことなのかが読んでいて伝わりました。
    これを現代に置き換えると、企業であったり、家庭であったりに置き換えることができるのだろうなとも思いました。
    ただ、自分には、置き換えられるだけの実力はなく、まだ読むには早いと感じました。

  • 20190430
    兵法として古典的名著である孫子の兵法。13の篇がある事を理解した。最初の3篇が大枠であり、残りは詳細に述べている構造である。
    戦争時だけでなく、普段の生き方においても使えるエッセンスがたくさんある。参考にして自分に負けることのない人生を送りたい。
    ・事前準備。プラン。
    ・アクション時には臨機応変。スピード。戦わずにして勝つこと。
    ・自分を知り、相手を知り、計画を練る。

    //MEMO//
    兵法として、各所から引用される伝説的な本として読む必要がある。
    ・三国志
    ・村上海賊
    ・宮本武蔵
    ・ジョジョの奇妙な冒険
    また、ビジネスも戦いであり相手がどう動くか、それに合わせて次の戦略をどう立てるかといった思考法を磨く参考にしたい。

    13篇
    計篇
    ・5事7計
    ・戦争の前に熟慮すべきことについて

    作戦篇
    ・スピード
    ・相手のリソースを奪い利用する
    ・軍備、動員補充の計画

    謀攻篇
    ・コントロール。戦わずにして勝つのが一番
    ・彼を知りて己をしれば百戦危うからず

    形篇
    ・型を重視
    ・態勢

    勢篇
    ・適材適所、タイミング

    虚実篇
    ・準備の重要性
    ・実=準備で主導権を握り、虚=隙を突く。

    軍争篇
    ・機先を制する
    ・遠近の計
    ・風林火山

    急変篇
    ・対応力

    行軍篇
    ・軍隊を進める状況
    ・規律の重要性

    地形篇
    ・フィールドの状況分析

    九地篇
    ・相手との関係、土地の状況分析
    ・呉越同舟

    火攻篇
    ・火攻めのタイミング、対処法

    用間篇
    ・合理的勝利をもたらすスパイの有効性

  • 敵が利益を求めていれば誘い出せ。敵が混乱していれば敵陣を奪え。敵の備えが充実しているなら防御・回避せよ。敵が怒っていればさらに心を乱れさせよ。敵がこちらを舐めているようなら、さらに油断させよ。敵が休もうとすれば疲れさせよ。敵が団結しているなら、仲たがいを起こさせよ。

    味方のスパイに偽りの情報を教え、わざと敵に捕らえさせる。味方のスパイは拷問を受け、偽りの情報を(真実だと思って)敵に知らせる。敵は偽りの情報を真実だと思い込む。▼こちらの情報を得るためにやって来た敵のスパイを、敵よりも多い報酬を与えて転向させ、味方のスパイとして送り返す。▼敵を知り、味方を知れば100度戦っても危険はない。敵を知らず、味方も知らなければ危機に陥る。

    こちらの戦略は常に変化させよ。お決まりのパターンは相手に見抜かれて攻略されてしまう。理想の軍は無形の軍である。

    通ってはならない道がある。撃ってはならない敵がある。攻めてはならない城がある。奪ってはならない土地がある。受けてはならない主君の命令がある。

    敵が攻撃してこないことを期待するな。敵が攻撃したくてもできないような体制を構築せよ。

    勝利とは勝って当たり前の戦いに勝つこと。勝利とは劇的なものではない。勝利する将は勝利した後(勝って当然の相手だと判断した上で)、戦う。負ける将は、(勝てるかどうかわからないのに)戦った後、勝利を求める。

  • 〇学んだこと
    1.戦いに巧みな人が勝利した場合には、智謀優れた名誉もなければ、武勇優れた手柄もない
    ⇒英雄がいない勝利を実現することが重要。勝利することが当然である状況を準備する
    2.包囲した敵軍には必ず逃げ口をつくり、進退きわまった敵をあまり追い詰めてはいけない
    ⇒後退の余地を与えることが、結果的に我の損耗を極限するためには重要。敵を追い詰め過ぎないように配慮すること
    3.智者の考えは、必ず利と害を交え合わせて考える。利益のある事は害になる面も考えるから、仕事はきっと成功するし、害のある事にはその利点も合わせて考えるから、心配事も解消する
    ⇒心配毎で目の前が暗くなったときは、この言葉を思い出すことでストレスが緩和されるかも

  • 孫子の兵法は有名だが、じっくり読んだことはなかったため今回読破。兵站や地の利、兵士の士気に関することなど細かく述べられており、地理や人間心理について深い洞察力が伺える。長く語り継がれるだけのことはある。

    特に「できれば戦争しないことが良い」という思想には大いに共感できる。著者も述べている通り、戦争には莫大な労力と時間、そして金がかかる。特に城攻めなどは被害も大きい。長引けば長引くほど双方にとって益がないのが戦争である。できれば戦わずして敵を降すことが最上である。春秋時代には弁舌をもって利を解き、敵を従属させた弁士がいた。楚漢戦争でもそのような人物が活躍するが、相手の外交関係を崩したり、敵を孤立させること、そして軍隊を用いずに敵を服従させることは戦争に勝つことより大事なことだ。

    そして、一度戦争となれば、敵味方の状況を詳細に把握すること、そして自然の理を良く知ることが勝利の鍵となる。敵の意図を知る、要所を押さえる、敵が大軍の場合は隙を突いて先手を取る。以上のことは戦争以外でも応用ができる考え方だ。それは、孫子の考え方が上辺の戦術論でなく、極めて本質的で鋭い洞察に根ざしているからだ。見かけは違っていても、本質が同じということはよくある(戦争とスポーツ競技など)。孫子の兵法が戦争以外の分野でも注目されているのは、その内容が非常に本質を突いた内容だからだろう。手元において、何度も読みたい一冊である。

  • 399
    [『孫子』13篇は、中国最古の兵書である。そこには、現実的な戦術が深い思想的裏づけを得て、戦争一般、さらには人生の問題として、広い視野の中に組みこまれている。竹簡の新資料との照合も経て、またさらに読みやすくなった新訂版。原文・読み下し文・現代語訳に平易な注を加え、巻末には重要語句索引を付した。]

    「作者、孫武(そんぶ)は、一般には孫子と呼ばれる人物。「呉越同舟(ごえつどうしゅう)の故事にもなっている呉と越が激烈な抗争を繰り広げていた2500年前の時代に生まれた人物。彼は呉王の闔閭(こうりょ)に使えて兵法を練り、新興国の呉を一躍強大な国家に変えた。彼の優れているのは戦争に強いというところではなく、第一級の戦略家であり政治家であったという点にある。ー『孫子』は戦争の為に読む本ではなく、よりよき政治のためにこそ読まれるべき本である。」
    (『世界史読書案内』津野田興一著 の紹介より)

    目次
    計篇(第一)
    作戦篇(第二)
    謀攻篇(第三)
    形篇(第四)
    勢篇(第五)
    虚実篇(第六)
    軍争篇(第七)
    九変篇(第八)
    行軍篇(第九)
    地形篇(第十)
    九地篇(第十一)
    火攻篇(第十二)
    用間篇(第十三)

  • 本文を読む価値は言わずもがなですが、解説も丁寧に読む価値があります。戦いにおける突き詰めた現実主義、主導権を握る事の重要性、など他の孫子の解説本を読む前に是非読むべきなのではと思いました。
    「彼れを知りて〜」で有名な文はありますが、私が1番気に入ったフレーズは、「故に明主賢将の動きて人に勝ち、成功の衆に出づる所以の者は、(中略)必ず人に取りて敵の情を知る者なり。」ですね。要は知るためには、結局は誰が見てこないと現実は分からないって事なのでしょうが、それだけ知るという事は難しいし重要だという事で、SNSやネットニュースに囲まれる現代では耳が痛い話です。ビジネスで調査などする時にも、希望的観測だったり、上司の言う事を鵜呑みにするのではなく、自分で動いたりするって事も重要なのかなと思ったりもします。

  • 名前が全力で独り歩きしがちな、孫子の兵法です。

    兵法と聞くと、戦争を知らずに生まれた私の世代含め門外漢のように聞こえますが、その実、兵法書だけではないことが読むとわかります。

    勝負の世界。勝ち負けがある領域に当てはめると、孫子(もしくはその子孫の孫臏が書いたとも言われていますが)の言い分が自分の置かれた立場にしっくりと当てはまるのです。

    人が勝敗を知るのはいつなのか?
    勝つチームと、負けるチームは勝負の前の考え方が違う。
    組織がうまく行かない6つのポイントは・・・
    兵士と接する時には「  」と接するように扱う。

    うーん、なるほど。ビジネスコンサルティングの皆さんが、ドラッガーや、カーネギーと並べて、孫子を引用する理由がわかります。

    仕事や生活はある意味、戦争。そう思って読みすすめると、学べることが多い1冊です。

  • 無駄な解説や解釈が入っていない純度の高い孫子本が読みたかった

    そういう点ではかなり良かった

  • 仕事の役に立つかと思って読んでみたが、全然そんなことはなさそうだった。
    これ実践できる社会人っているのか?
    嫌な奴を丘を背にして迎え撃ったりするのか?
    なんとも不思議である。

    戦う前にして既に勝敗は決しているという心構えは、そうだろうと思う。が、当然目新しいことではない。

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著者プロフィール

1920年、三重県生まれ。東北帝国大学法文学部支那哲学科卒業。文学博士。東北大学名誉教授、追手門学院大学名誉教授、日本学士院会員。2003年、勲二等瑞宝章受章。著書に、『秦漢思想史研究』(平楽寺書店)、『管子の研究』(岩波書店)、『淮南子の思想』(講談社学術文庫)などがあるほか、訳書に、『論語』『荀子』『荘子』『韓非子』『孫子』『大学・中庸』(いずれも岩波文庫)など多数。2006年、逝去。

「2022年 『死と運命 中国古代の思索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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