- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003321010
感想・レビュー・書評
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漫画キングダムが好きだから読んでみた。すごく面白い。現代の会社の組織でも同じことが起きてると思う。
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国の収め方が多いが、人としてどういうことをすれば良いのか具体的に考えさせられる著書であると思う。君子は色んなことを考えながら発言したり、行動したりしないと国が平和にならないことには賛同するけれど、具体的な君子論としては論語よりやや君子に求めているもののレベルが高い気がした。
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法家の韓非子の言葉を書いたもの。実際に本人のものではないものも含む。
性悪説に立ち、人は利で動くものだから、それを抑えるために法律禁令が必要と説く。
ただし、その方法は正しくても、それを説くものは恨まれ、うまく君主が使ってくれるのは稀とし、実際自身もその運命をたどっている。
言っていることは正しいと思うが、世が人の世である限り、理想を達するのは難しいと思う。頭ではそう思っても人は感情の生き物であり、頭ではなく気持ちで動く。
原則は原則、ただし外れることがあっても、それは人だからとするのがよいのかもしれない。 -
「ー仁義と愛恵は役にたたず、厳刑と重罰によってこそ国が治められる、ー」
臣下が他の仕事を手伝うのを禁止
君主の利益は有能な人材を官職につけること、臣下の利益は無能のまま職につくこと。
刑罰は重要。 -
君子は法によって、賞と罰を与えないといけない。そしてその権利を家臣に与えてはいけない⇦君子が家臣を制御するのではなく、君子は家臣に制御されてしまう。
賞と罰は、法に基づいて行わなければならない。それを徹底しないと、徒党を組んだり、君主に甘言を用いたりする臣が出てきて、国が乱れる。
そもそも人は自分(家臣)の利益になることを(人を憎まなくても)求めて行動するものだから、功績を挙げたものを賞する、命令通り行動しなかった者は例え結果が良くても罰すると、徹底することが必要。
古今東西、特に春秋時代に国が衰えた事例や強くなった事例を挙げて説明している。
現代にも通じることも多く、非常に勉強になった。 -
韓非子は韓非が書いた思想書である。彼の法を重んじる思想は秦の治世にもつながっていく。悪名高い焚書坑儒や厳しい法律は、韓非子の思想に通じている。彼の思想は、それまでの徳を重んじる治世とは正反対である。君主は決して臣下を信じるな、議論は無用である、例え良いことをしたとしても、法を破った者は罰するべきであるなど、性悪説に基づいた思想である。徹底した法の運用と明確な賞罰によって国を治めるべきと説く。
内容も、孔子などの従来の思想に比べると、人間味がなく冷たい印象を受ける。そして、法に基づいた治世を行った秦も統一から十数年で滅ぼされていることから、間違った思想と取れなくもない。
しかし、彼は韓非子の中で、徳を重んじる従来の発想では戦国時代は統一できない理由を述べている。昔とは時代が変わっており、その時代に合わせた治世の方法が必要だと説いている。秦に仕えた商オウなど、法家の思想によって秦は強国となり統一に向かったことを考えると、富国強兵のために必要な思想だったとも思える。
韓非子は、当時の説客達が説く思想に比べて相当に合理的であり、具体的である。道徳的な思想をや仁愛などを排斥し、実力主義を推進し、国としての実利を追求している。そういう部分ではマキャベリの君主論に近いところがあるかもしれない。
感情的にはあまり受容れられない考え方だが、強い組織を作る上で、1つの考え方になるだろう。 -
本当に優れたリーダーは周りに忖度をさせない。
自分を一歩引いた場所に置き、適材適所にて人材の可能性を引き出す。そして謙虚である。
一方組織の重要課題より、自分を良く見せること、体面を保つことに力を入れている指導者には注意が必要。
それにしても韓非の無念の死には胸が痛む。 -
金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=35493
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN10624868 -
11月末から少しずつ読み始めて漸く読了。中身が興味深いので書き下し文を書写しながら読み進めて行ったらこんなに時間がかかってしまった。
論語は、形式主義的で説教臭くて解説本以上に読み進むことは無かったし、それに対して人間愛(兼愛)や専守防衛(非攻)を解く墨子はユニークで論語よりはよっぽど面白かったものの、理想主義に過ぎて(そもそも理想が古代の聖王なので)、防衛戦のプロ集団になった一派がいたのは面白いとしても、理論として現実離れしているなと感じていたところ。
その点、韓非子は、人間(臣下)は利己的で自己利益を求める存在という透徹した性悪説に立ち、そのために法制度・賞罰制度を整え、透明性・客観性を持って是非を判断し、信賞必罰に徹してこそ、支配体制が引き締まり、統治が上手く行くことを手を変え品を変え説明している。2000年以上も前にこれだけ見通していたことは凄いと思うし、技術革新はともかく人間の本質は変わらないものと改めて理解した。虚々実々の現実世界には、孔子や墨子よりは、この思想かなと。国のトップからサークルの幹事までリーダシップが求められるあらゆる人にオススメできる。組織管理の要諦という意味では、そこいらのビジネス書よりも参考になる。
説話も含めて面白く、読みやすい。但し、本書の構成は、漢文白文、書き下し文、現代語訳となっており、漢文白文は流石にちんぷんかんぷんなので、書き下し文を精読し、書写し、それと現代語訳を見比べらながら少しずつ理解する形で根気よく読み進めている(洋書よりしんどい)。白文はまたそのうちトライするか・・・。
なお、本シリーズの韓非子は全4巻で本書はその第一巻。これを読むのに3ヶ月掛かっているので、全部読破するのは一年仕事になるかもしれない。 -
久しぶりに再読。いまの社会、組織にも通用しそうなところが沢山ある。
説の務めは、説く所の矜る所を飾りて、其の恥ずる所を滅するを知るに在り。これは、ごもっともだと思う。
史記など読んでいると、説話が分かって面白い。