- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003321034
感想・レビュー・書評
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古代の聖王の仁義の徳を語っても、それで国を正すことができないのは、これはやはりそれで遊ぶことはできても、実際には国を治めることのできないものだからである
賢明な君主は、相手が自分に背かないことを頼みとはせず、相手がそむけないような自分であることを頼みとする。相手が自分を騙さないことを頼みとはせず、相手が騙せないような自分であることを頼みとする
上君のともにおるは皆その師なり、中は皆その友なり、下はことごとくその使なり
そもそも烏を馴らすには、その下羽を切り取ってしまう。下羽を切り取ると、必ず人に頼って餌を食べることになるから、どうしても人になれない訳にはいかない
君主は外国を手本にしようとするものだが、外国の事情が正しく伝えられなければ事は成功しない。君主は古代を手本にしようとするものだが、学者の説明が適切でなければ名誉は上がらない
お前の身に利益を得たいと思ったら、まずお前の主君が利益を得るようにすることだ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第3巻でも引き続き現実主義に立って、理想論ではなく現実の統治とはいかなるものかを説いている。
前半の説話集では、宋襄の仁や矛盾などの説話が語られている。宋襄の仁は、まさに孔子が理想とする仁の発想が、リアルな政治の現実では役に立たないことも多いことを示している。また、全体として、完全無欠ではない君主が利益に左右される臣下をいかに統率して行くかという点に重きが置かれている。理想論よりは、今の現実社会にも妥当するのでは無いかと思う。
後半の難とされる一連の章では、議論の様相がディベートとなる。前提として過去の説話を紹介した上で、或るひと曰く、という形で別の現実的な視点から批評する。最後の方の章では、批評が二段構え(別々の視点から批評を二回)となっており、奥深さを増している。言いがかりでは?という項目もなきにしもあらずだが、議論の立て方を学ぶ上でも参考になると思う。また、批評の対象として理想の君主であった斉の桓公やその宰相の管仲がかなりの頻度で槍玉に上がっており、題材の選び方も面白かった。
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金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=35493
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN10624868 -
第三冊は「外儲説林左上 第三十二」から「難 四 第三十九」を収録。様々な説話が集められているので、楽しめる。
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引き続き、法による統治の大事さを説いている。特に後半部分は、賞と罰について説いている。
但し、統治の方法、例えば賞と罰は臣下と役割分担せず君主自らが与えないといけない、とか、法に基づいて与えなければならない、とか。
あと、孔子や管仲など、過去の偉人を批判しているのも面白い。荀子を尊んでいるのも面白い。 -
*オフィス樋口Booksの記事と重複しています。アドレス;http://books-officehiguchi.com/archives/3885141.html
これらの本の構成は、漢文(原文)→書き下し文→口語訳の順で各段ごとにつけている。
中国の法思想・政治思想の本であるが、読者自身が韓非子の思想を身近な具体例がないので、ピンとこないし、自ら考えなければならないので、初学者向けとは言えない。今後の研究方針として、政治思想の研究で、これらの本と私の専門分野との往復をしながら研究を進めたい。 -
4003321030 372p 2007・4・5 12刷