インド思想史 (岩波文庫 青 266-1)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003326619

作品紹介・あらすじ

広い視野でインド思想を眺めわたし、その主要なテーマを原典の簡潔な要約・引用をまじえ、原典自らに語らせる形で説き明かし、その歴史的展開を跡づけた密度の濃いコンパクトな概説書。一般読者はもとより、インド思想研究者にも多くの示唆を与える、インド学の世界的泰斗J.ゴンダによる奥行きの深い基礎文献。

感想・レビュー・書評

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  • 『サンスクリット語初等文法』でも知られるインド学者・J.ゴンダが著した、古代インド思想の概説書。ヴェーダ思想から古典ヨーガまでの連綿と続くそれぞれの思想の特徴や展開を、原典からの引用も交えて明快に叙述する。
    本書は、ゴンダが著した"Inleiding tot het indische denken."(1948)の前半部"Hoofdstuk Ⅰ. Vedisch Geloof etc.― Hoofdstuk ⅩⅢ. Kritiek en Materialisme"(pp.9-163)の邦訳である。ヴェーダ時代から紀元五世紀までのインド思想(古典サーンキヤ、ヨーガまで)を、原典の簡潔な引用と共に解説している。原著が編まれたのは1948年ではあるが、それぞれの思想の特徴や問題意識、歴史的展開や思想間の繋がりを詳細かつ明快に記述しており、古代インド思想の概説書として今なお遜色ないものとなっている。個人的に興味深いと思ったのは、インド思想が全体的に総合的な傾向を有していた、また古期ウパニシャッド時代までのインド思想には(道徳的な動機付けではなく)潜在力の行使による利己的目標の達成の意識が通底していたという指摘であった。
    多数の専門用語が頻出し難解な概念も多い為、初学者向けと言うよりかはある程度の知識を有する中級者向けの本ではある。しかし、多様な発展を遂げた古代インド思想を概観することが出来る魅力的な一冊と言えるだろう。

  • インド哲学の概要をよくまとめてあるとおもう。たぶん。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/706873

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