- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003343418
作品紹介・あらすじ
古代の神々が追放されキリスト教が支配を確立する中世初期、歴史の薄闇の中に魔女はその姿を現わす。やがてルネサンスに至って、苛烈を極めた異端糺問により、おびただしい数の魔女が焚殺された。しかし、この魔女なるものとは一体なんであったのか?ミシュレ(1798‐1874)は中世以来の歴史の流れを追いながらその姿を浮彫りにしてゆく。
感想・レビュー・書評
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上巻では中世における魔女の誕生についての考察中心。小難しい話かと思いきや、なぜか物語仕立てになっている部分があって予想してたより読み易くはありました。ただそういう書き方がわかりやすいかというと微妙なのだけれど。
ものすごく乱暴な結論を述べてしまえば、悪魔にしろ魔女にしろ、結局それを生み出したのはキリスト教自身だということ。
一神教である彼らが追い払った古い神々とそれを信じる人々がまず邪悪とされた歴史、さらに宗教と医学の相反する立場=医者を頼らず神に祈れ、信仰心があれば病気も怪我も医学で治す必要はないというまともな人間からしたら頭おかしいとしか思えない教会の理論。しかし現実には疫病や飢えから神様は守ってくれないわけで、虐げられた庶民が教会や国家権力に反発し、キリスト以外の神様や薬草に詳しい人間を頼るのは当然のなりゆき。しかしつまりそれが「魔女」的行為ととみなされたわけですね。
妖術使い(男性)ではなく魔女(女性)ばかりが狩られる被害者であったというのは男尊女卑の歴史の一端なのでしょうか。いずれにしても理不尽・・・詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いま集会から帰って来ました、とばかりの筆致に胸がときめく。薄暗がりかアルコーヴでこっそり読もう。
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角野栄子が魔女に会いに行く時読んだ本。
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ヨーロッパ中世の魔女について、成立から魔女狩り手前のサバド隆盛期までを――サタンに魅入られた一人の女を軸に叙事的に記。かなり変わった書き方であるが読み進めやすく、また当時の民衆の置かれた状況(とみに女性に関して)での機微を鮮やかに描く。
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10/7 読了。
下巻捜索中。 -
ヴォルテール「哲学辞典」
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魔女研究には欠かせないですよね。
内容は。。。妖しい部分もありますが参考になります。
引用もさせていただきました。
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久しぶりに大学の図書館(←現在工事中)
へ行ったら、文庫の本棚と視聴覚資料が
入口のあるフロアに移動していました。
有り難いことです。
で、題名だけで借りてきました。
中身は、民衆を薬草や呪いで助ける一方、
忌まわしいものとして裁判やら刑罰の対象となった
『魔女』がじゃあ一体なんなのか、か
書かれていました。
古い書物の引用が多いのだけど、
何処までが何かの引用で、どこからが事実で、
更にいつの間にか読者にわかりやすく説明するため
であろう作者のたとえ話(妄想)なのか、
わかりづらい……
中世ヨーロッパについての知識が殆どなかったため、
意外に思うことが多々ありました。
ローマ教会の「あの世で天国で幸せになる」という思想が、
ゆきつくところまでいっちゃうと、
「この世なんてどうでもいい」になって、
病気や怪我は放っておけ、という考えが
恐ろしいと感じました。
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大学の課題で読んだ。難しすぎる。もう歴史書なのか小説なのか分からん。これは魔女誕生の考察?納得する点もたくさんあったけど。