北槎聞略: 大黒屋光太夫ロシア漂流記 (岩波文庫 青 456-1)

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  • 岩波書店
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003345610

感想・レビュー・書評

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  • 「漂流記」が好きだ。しかし、これは漂流記というカテゴリーを通り越した究極の記録であり地誌である。江戸末期の一庶民が、アリューシャン列島に流され、帰国の為に大陸を横断してロシア女帝に謁見した。何とか帰国するも、延々と続く幕府の取調べ。聴き取りを担当した桂川甫周の編纂能力の高さもあり、記憶違い等もあるが、第一級の歴史記録と言ってよいだろう。
    読んで驚愕したのは、船頭光太夫が幕府の諮問を受けた際の記述。ロシアでは、オランダから伝わった情報をもとに、日本の幕府の知識人として桂川甫周の名を挙げていた。光太夫が知らずに名を挙げた本人が、あろう事かその場に居て、話の聴き取りをしているという事実。幕末の日本を取り巻く世界情勢は、そこまで来ていたという事を如実に語るエピソードだと思いました。

    • 青格子さん
       せっかく帰国できたのに、幽閉されて一生を終える哀しさよ。
       せっかく帰国できたのに、幽閉されて一生を終える哀しさよ。
      2022/10/15
  • 漂流してロシアにたどり着いた人の話をおさめた本。江戸時代の鎖国されていた時に書かれた。

    解説を読んで思ったが意外と難破・漂流して流された日本人が多いと思った。しかも、日本に帰りたいと思わず、ロシア正教に改宗したり、学校で日本語を教える人もいた事に驚いた。

    関連して、井上靖の『おろしや国酔夢譚』を読んでみたくなった。

    岩波文庫7/100冊目。

  • おろしや国酔夢譚、大黒屋光太夫を読んだ後に目を通すと100倍面白い。光太夫らの辿った運命のみならず、当時のロシアの文化、伝統、生活などの様子が、風土、婚姻、学校、病院、食事、木、草…などテーマ毎に記されている。衣類や日用品などを描いた手書きの挿絵も豊富。ロシア語を学ぶ人にとっては、辞書のような言葉の解説の箇所も非常に面白いだろう。

  • 好奇心と行動力に脱帽。軽妙な語り口もよい。

  • 読みたい
    元々はみなもと太郎「風雲児たち」のワンシーン、大黒屋光太夫に質問をする将軍とその他の人々、が印象的だったので。井上靖「おろしや国粋夢譚」を読んだからにはこれも読まないと。

  • 青456-1

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