ヨーロッパ文化と日本文化 (岩波文庫)

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  • 岩波書店 (1991年6月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003345917

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ヨーロッパ文化と日本文化 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 安土桃山時代に来日したイエズス会ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスによるヨーロッパと日本の文化比較を記した小冊子の解説書。底本はルイス・フロイスが来日23年目で九州・加津佐で記した『日欧文化比較』で、本書では訳者がわかりやすいように行ごとに解釈を付け、挿図している。
    構成としては、日欧の比較を習俗・文化・宗教・道具などの分類として章立てし、項目毎に「われわれは(ヨーロッパでは)○○○。彼らは(日本では)×××。」といった簡略な比較文になっている。
    それぞれの比較はとても面白く現代でもわかるものもあり、とても興味深い。その一方で解釈を読むと日本側の記載は貶める方の誇張も多い気がする。フロイスの趣旨を考えると、ヨーロッパ文化との違いを奇異に、そしてさかさまなものとして伝える側面が多く見受けられ、90%くらいは「何考えているんだ日本人は・・・」的な記載が多いように感じられる。(笑)外見的な比較が多く、内面まで理解した記述ではないのが残念なところで、このままではどこまでいっても「異邦人の視点」を抜け出していない感じだ。
    少し前まではフロイスの大著『日本史』をはじめあまり史料として研究に使用されることは少なかったとのことですが(誇張や勘違いがあるためか?)、近年、見直されてきているとのことで、こうした同時代の一次史料は大いに研究の一助になってほしいと思います。

    以下は特に興味深い記述です。
    「ヨーロッパ人は大きな目を美しいとしている。日本人はそれをおそろしいものと考え、涙の出る部分の閉じているのを美しいとしている。」
    「われわれは喪に黒色を用いる。日本人は白色を用いる。」
    「われわれはいつでも唾を吐きだす。日本人は概して痰を呑み込む。」
    「ヨーロッパの女性は美しい整った眉を重んずる。日本の女性は一本の毛も残さないように、全部毛抜で抜いてしまう。」
    「われわれの間では女性が素足で歩いたならば、狂人か恥知らずと考えられるであろう。日本の女性は貴賤を問わず、一年の大半、いつも素足で歩く。」
    「ヨーロッパでは夫が前、妻が後になって歩く。日本では夫が後、妻が前を歩く。」
    「ヨーロッパの女性は分娩の後、横になって、休息する。日本の女性は分娩の後二十日の間、昼も夜も坐っていなければならない。」
    「われわれの間では、人は罪の償いをして、救霊を得るために修道会に入る。坊主らは、逸楽と休養の中で暮らし、労苦から逃れるために教団に入る。」
    「われわれの間では修道士が結婚すれば背教者になる。坊主らは信仰に飽きると、結婚をするか、または兵士になる。」
    「ヨーロッパでは主人だ死ぬと従僕らは泣きながら墓まで送って行く。日本ではある者は腹を裂き、多数の者が指先を切りとって屍を焼く火の中に投げ込む。」
    「われわれはスープが無くとも結構食事をすることができる。日本人は汁が無いと食事ができない。」
    「ヨーロッパ人は牝鶏や鶉、パイ、ブラモンジュを好む。日本人は野犬や鶴、大猿、猫、生の海藻などをよろこぶ。」(食事について)
    「われわれの馬はきわめて美しい。日本のものはそれに比べてはるかに劣っている。」
    「われわれは坐り、彼らはしゃがむ。」(トイレについて)
    「われわれの劇は詩である。彼らのは散文である。」
    「われわれの間では人に面と向かって嘘付きだということは最大の侮辱である。日本人はそれを笑い、愛嬌としている。」
    「われわれの間では礼節はおちついた、厳粛な顔でおこなわれる。日本人はいつも間違いなく偽りの微笑でおこなう。」
    「われわれは拇指または食指で鼻孔を綺麗にする。彼らは鼻孔が小さいために小指を用いておこなう。」

  • 新書文庫

  • 日本史の教科書に必ず載っているであろうルイス・フロイス。
    織田信長に気に入られたことから、長きにわたって日本文化の中枢を垣間見ることができ、記録を残した。
    大著「日本史」が有名だけど、この本はそんな難しいものではなくて、ヨーロッパと日本の違いを箇条書きのように短い文章で書き連ねたもの。
    これがすこぶる面白い。
    天正という、江戸時代より前の戦国時代、日本人はこうだったと逆に知る部分も多く、大変ためになりました。

    “彼らの習慣はわれわれの習慣ときわめてかけはなれ、異様で、縁遠いもので、このような文化の開けた、創造力の旺盛な、天賦の知性を備える人々の間に、こんな極端な対照があるとは信じられないくらいである。”

    “われわれの間では白い目を奇異に思うことはない。日本人はそれを奇怪に思い、彼らの間では稀有のことである。”
    「白眼視する」「白い目で見る」という表現はヨーロッパにないそうだ。黒目がちが好きな日本人。

    “われわれの間では男たちは髪を刈っており、禿頭にされると侮辱されたと考える。日本人は毛抜きを用いて、自分で、毛の残らないように、全部抜いてしまう。そのことは苦痛と涙を伴う。”
    涙を伴うんだ…。

    “われわれの衣服はほとんど一年の四季を通じて同じである。日本人は一年に三回変える。夏帷子、秋袷、冬着物。”
    季節によって気温差があるからね。

    “ヨーロッパの女性は芳香ある香料を使って髪に香りを与える。日本の女性はいつも(髪に)塗りつける油で悪臭を放つ。”
    かちーん。(-_-メ)

    “ヨーロッパの女性は短い年月で髪が白くなる。日本の女性は油を塗るために六十歳になっても髪が白くならない。”
    そうなの?

    “ヨーロッパでは夫が前、妻が後になって歩く。日本では夫が後、妻が前を歩く。”
    いつから変わったんだろう?

    “ヨーロッパでは親族一人が誘拐されても一門全部が死の危険に身をさらす。日本では父、母、兄弟がそのことを隠し立てして、軽く過ごしてしまう。”
    軽く?

    “ヨーロッパでは娘や処女を閉じ込めておくことはきわめて大事なことで、厳格におこなわれる。日本では娘たちは両親にことわりもしないで一日でも幾日でも、ひとりで好きな所へ出かける。”
    そんなこと、許しまへん!

    “ヨーロッパでは妻は夫の許可が無くては、家から外へ出ない。日本の女性は夫に知らせず、好きな所に行く自由をもっている。”
    自由であっても、知らせようよ。

    “ヨーロッパでは普通女性が食事を作る。日本では男性がそれを作る。そして貴人たちは料理を作るために厨房に行くことを立派なことだと思っている。”
    いつ変わったんだろう?

    “われわれの間では四歳の子供でも自分の手を使って食べることを知らない。日本の子供は三歳で、箸をつかって自分で食べる。”
    まだヨーロッパでナイフやフォークが発明される前の時代。基本手づかみ。

    “ヨーロッパの子供は多大の寵愛と温情、美食と美衣によって養育される。日本の子供は半裸で、ほとんど何らの寵愛も快楽もなく育てられる。”
    偏見じゃない?

    “われわれはスープがなくとも結構食事することができる。日本人は汁がないと食事ができない。”
    結構とはどの程度なのか?

    “われわれの間ではすべての果物は熟したものを食べ、胡瓜だけは未熟のものを食べる。日本人はすべての果物を未熟のまま食べ、胡瓜だけはすっかり黄色になった、熟したものを食べる。”
    ちょっとどういうことなのかよくわかりません。未熟な果物?熟した胡瓜?

    “われわれの間では鍋の底に焦げついた飯は戸外に捨てるか、犬に食わせる。日本ではそれは食後の果物である。またはそれを終わりに飲む湯の中に投ずる。”
    米を大切に!

    “われわれは食物に種々の薬味を加えて調味する。日本人は味噌で調味する。味噌は米と腐敗した穀物とを塩で混ぜ合わせたものである。”
    言い方!

    “われわれの間では腐敗した肉や魚を食べたり、贈ったりすることは無礼なことである。日本ではそれを食べ、また悪臭を放っても躊躇することなくそれを贈る。”
    それをなれ寿司という。普通に腐ったものは、さすがに食べたりあげたりしないよ。

    ちょっと紹介と思ったら、ほとばしってしまった。
    こんな感じで坊主や寺院、信仰に関すること、武具武器について、馬、病気や医療、書に関すること、家屋建築、船、歌舞音曲など、独断と偏見と勘違いが多少盛った文章で綴られております。

    戦国時代の女性が結構自由な感じなのが意外でした。

  • 著者:Luis Frois(1532-1597) (イエスズ会宣教師)
    訳者:岡田章雄(1908-1982)
    原題:Tratado em que se contem muito susintae abreviadamente algumas contradiçoes e diferenças de custumes antre a gente de Europa e esta provincia de Japao(1585)
    ・底本はルイス・フロイス1585年にまとめられた小冊子。シュッテ神父により1955年に“Kulturgegensätze Europa-Japan(1585)”として刊行された(ポルトガル語にドイツ語訳文と注記を付加してある)。この岩波文庫版は原文からの翻訳。
    ・岡田章雄による訳(岩波書店のあの『大航海時代双書』XI(1965)に収録)では、『日欧文化比較』と訳された。文庫版で改題。


    【目次】
    解題 [003-007]
    第一章 男性の風貌と衣服に関すること 015
    第二章 女性とその風貌,風習について 039
    第三章 児童およびその風俗について 062
    第四章 坊主ならびにその風習に関すること 070
    第五章 寺院,聖像およびその宗教の信仰に関すること 083
    第六章 日本人の食事と飲酒の仕方 092
    第七章 日本人の攻撃用および防禦武器について――付戦争 107
    第八章 馬に関すること 120
    第九章 病気,医者および薬について 131
    第十章 日本人の書法,その書物,紙,インクおよび手紙について 139
    第十一章 家屋,建築,庭園,および果実について 147
    第十二章 船とその慣習,道具について 160
    第十三章 日本の劇,喜劇,舞踊,歌および楽器について 169
    第十四章 前記の章で良くまとめられなかった異風で,特殊な事どもについて 177

    あとがき(一九六五年八月六日 岡田章雄) 197
    岩波文庫版あとがき(高橋弘一郎) 199

  • 同じ日本人でも500年近く前では生活習慣も違っていてるので、文化の比較とか難しいことは考えなくても読んでいて面白い。

    ヨーロッパ人の目線なので見下した表現になるのは当時のことなので仕方がないかな。あと、注記も現代語訳されているともっとよかったのでは。

  • 戦国武将や歴史上の秘話のような事柄は出てこない。
    400年前の日本を知る貴重な記録ではあるのだろうが、異文化に対する態度は、なんだかキリスト教的な啓蒙者の「上から」のそれであり、いちいち西洋文明の優位を述べているように感じてしまう。

  • 139

    愉快、愉快

  • 信長にも近しい存在であったルイス フロイスによる文化比較論。
    ヨーロッパ文化との差異を強調する為、極端な表現になってる感は否めないが、我々にとって日本固有の伝統だと思っていたものが、戦国時代つまり16世紀当時はそうじゃなかった点も多々あり興味深い。
    しかし、商売敵?である仏教の坊主に対しては辛辣且つ執拗。

  • 短いけど濃密。当時の日欧の身近なものを比較しつつ記す。解説がありがたい。異文化について考えるとき、この比較の視点は役立ちそう。取り上げている物は実物を見たことがないものが多かったので、博物館で見るなどして知っているものを増やす必要があると感じた。

  • *図書館の所蔵状況はこちらから確認できます*
    http://opac.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB50044380&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

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