法律 上 (岩波文庫 青 602-0)

  • 岩波書店
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (490ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003360200

作品紹介・あらすじ

対話の舞台は地中海クレテ島。ゼウスの社への参詣の道すがら、「アテナイからの客人」ら三人が国制と法律について論じる。最善の国家についての理念を提示した『国家』に対し、本書では「現実にあるべき国家」の具体的な法律・制度全般について自由で大胆な提案を行う。プラトン最晩年の著作で、最大の長篇。

感想・レビュー・書評

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  • すっごい不思議な構成をとっている。
    序論にあたる第3巻までのグネグネまがった道行は、ちょっと読んでてしんどい。
    (レジメ作るのたいへんそうです)

    ただ完全に後期とみなされているこの作品ですら、
    「魂の世話をしてより善く生きていく」という、
    おそらくソクラテスから受け取ったであろう考え方が生きていて、
    この「善く生きる」を、社会・国家構想のなかで考える、という課題がプラトンにはあったんだなあと思うと、
    なみなみならないプラトンのエネルギーを感じる。

  • ついにソクラテスが出てこなくなった、プラトンの最期の作品。クレテ島で出会った3人(それぞれアテネ・スパルタ・クレテ出身)が「言葉の上で国家を建設する」ために議論をするという内容。
    「国家」を思わせるあらすじだが、3人のうち一人が実際に植民市の建設にかかわる予定だということで、「国家」より現実的な話になっている(あくまで比較して、という程度だが)。哲人王独裁の勧めは語られず、次善であったはずの法律順守の政治が語られたりする。シチリア島の政治への介入が失敗したことで、プラトンも考えるところがあったということだろうか。ただ、市民の生活の監視や強制の激しさ、財産のみならず妻や子供の共有などはまだあきらめていないらしいどころか、よりこじらせているような気はするが。市場制度や共同の食事など、あちこちアテナイやスパルタ等の制度をつぎはぎしているらしくて、そのあたりは歴史的に面白いと思った。

  • 1155円購入2011-01-25

  • 法律を作る背景、詳細など。

  • ¥105

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著者プロフィール

山口大学教授
1961年 大阪府生まれ
1991年 京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学
2010年 山口大学講師、助教授を経て現職

主な著訳書
『イリソスのほとり──藤澤令夫先生献呈論文集』(共著、世界思想社)
マーク・L・マックフェラン『ソクラテスの宗教』(共訳、法政大学出版局)
アルビノス他『プラトン哲学入門』(共訳、京都大学学術出版会)

「2018年 『パイドロス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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