判断力批判 下 (岩波文庫 青 625-8)

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著者 : カント
制作 : 篠田 英雄 
  • 岩波書店 (1964年11月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003362587

判断力批判 下 (岩波文庫 青 625-8)の感想・レビュー・書評

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  •  再読。カントの批判三部作のうち、美や芸術に関する判断について記述したもの。
    「美」をめぐるカントの思索はやはり興味深いものであり、美学の古典的なスタイルを示しているものとおもう。
     カントは美的判断を「趣味判断」と呼んでいる。そして「美」は快いものだが、そこには何らかの普遍性がなければならない。というか、美的判断そのものが、他の人びとにとっても同様に美であることを要求する。
     けれども美的判断はまったく「主観的な」判断であるため、それを公式化することはできない。
     ところでカントは「美」について、また「芸術」(=美的技術)について語るとき、常に「自然」にも言及せずにはいない。この自然の美は、たとえば、花や夕焼けの美しさのようなものである。
     また、これが厄介な点だが、カントは「合目的性」という概念で自然や芸術の美を説明する。
     最近読んだ進化論の本では、背後に神を想定せざるをえないような「合目的性」の考えは、生物学的レベルでは誤りであるとするのが一般的らしい。
     カントは最終的に神概念を全力で擁護するつもりだったから、この点、決定的に「現代の知」と異なる。
     では芸術における「合目的性」をどう捉えればよいのか。確かに「技術としての芸術」は作者が意図的に諸要素を配置することによって、合目的的だとは言える。ただし、この意識的統制の原理は、20世紀音楽の、たとえばケージやクセナキス以降では(部分的に)破棄される。シュルレアリスムで既に、「意識的な技術としての芸術」は否定されていた。我々は「意識」「意志」や「理性」に対する全幅の信頼を、もはやカントの時代のようには持っていない。
     するとカントの言う「合目的性」は原理としてはやはり重要性を失ったというべきだろうか。

     この本の前半はたしかに面白いが、訳はあまりよくないようだ。光文社古典新訳文庫で、「実践理性」「判断力」が引き続き出るならば、もう一度手にして熟読してみたい。

  • 『判断力批判』第二編および判断力批判のための独立した序論が含まれる。目的論的判断は人間理性にとって不可欠なものであり、それは機械論的自然観とも両立しうることなどが説かれる。第二編はもっぱら趣味批判にページが割かれた第1編よりも、さらに自然を人間はいかに判断することができるか、という論点に絞り込んだ内容となっている。

  • 下巻に入って「神」と「自然」が登場し、ますます混沌として来ました。

    一つ言えるのは、究極的な「神」が存在するという前提がなければ、
    多くのことがらは証明されないということです。

    神様の不思議を一つ。
    人は「自らを創り出したものを自ら創り出す」という事です。
    創造主である神を考え出したのも人なんですよね…。
    卵が先か、鶏が先か-という感じです。

    取りあえず氏の3部作は読み通すことができました。
    もう少し歳をとったらば読み直したいです。
    今はもうお腹いっぱいだ。。。

  • 目次
    第二部 目的論的判断力の批判
     第一篇 目的論的判断力の分析論
      62実質的‐客観的合目的性から区別された単なる形式的‐客観的合目的性について
      63自然の内的合目的性から区別された自然の相対的合目的性について
      ほか
     第二篇 目的論的判断力の弁証論
      69判断力のアンチノミーとは何か
      70判断力のアンチノミーの提示
       ほか
    付録 判断力批判『第一序論』
     Ⅰ体系としての哲学について
     Ⅱ哲学の根底には上級認識能力の体系が存する、そこでこの体系について
     Ⅲ
     Ⅳ
     Ⅴ
     Ⅵ
     Ⅶ
     Ⅷ
     Ⅸ
     Ⅹ
     Ⅺ
     Ⅻ

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