笑い (岩波文庫 青 645-3)

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制作 : 林 達夫 
  • 岩波書店 (1976年11月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003364536

笑い (岩波文庫 青 645-3)の感想・レビュー・書評

  • 笑いというものを学問にしたのは、フロイトやベルグソンのおかげだと思える。
    笑うという行動というよりは、何かを「おかしい」感じるのは一体どういうことなのか、この心の動きは一体何なのだ。ベルグソンの興味はそこから始まる。
    それを考えるために、ベルグソンは、一体何を我々はおかしいと感じるのか、そこから攻める。モリエールの喜劇に詳しい訳ではないが、ベルグソンにとって、相当魅力的なものであったに違いない。
    たしかに彼のおかしみは、モリエールをはじめとする当時の喜劇に限った話であるかもしれない。シェイクスピアなどのことは一切と言っていいほど触れられていない。しかし、彼がこのようにして、笑いの観察をじっと始めたことこそ、笑いを学問したことこそ、意義であると思う。誰しもが何かをおかしいと感じる。当たり前すぎることだ。だが、この当たり前が当たり前である不思議さ、そして、このおかしみというものがひとを強く動かし、精神が立ち上がる。これを考えずにギリシア以降捨て置かれたということが、ベルグソンにとっては我慢ならなかったのだと思う。
    生きるということはおかしみをどこかで感じるということだ。学問はその不思議を追究することに他ならない。彼が今後この笑いというものをどこまで追求していったかは知らぬ。けれど、彼はきっと必ず、どこかでこの笑いについて探究し続けたはずだ。これは始まりに過ぎない。

  • 古書店にて購入。初ベルクソンにこれというのもどうかと思うが、別にベルクソン哲学の勉強をしているわけではなく、巷にはびこる自称〈お笑い評論家〉たちの先達のようなこの著作に、どのような現代的意義が残されているのかを確認したいがために買ったようなものなのでまあ良しとする。解説にもある通り、著者の視線の先にあるのは何よりモリエールであり、古に名高いアリストパネスやシェイクスピア、ラブレーらは埒外にある。よってその論調も〈恐らく我々はこの点をあまりに深く追究しない方がいいであろう〉と些か微温的になってしまっている。

  • 2015.5.25笑いを哲学的に、また古典喜劇から考察し、笑いとは何か、笑いの起こる条件とは何かを論じた本。ほぼ流し読み。具体例に喜劇のことが多かったので、主張を説明する具体例がほとんどわからなかったが、それでも点がついている文、つまり主張は理解できた。ある観念や世界観を破壊することが笑いにつながると思っていたので、ではいかに壊せばいいかという疑問の元読んだ。大雑把にしか理解できなかったが、有機の中に無機を、人間的生の性質の中に機械的性質を見出すこと、それはつまり繰り返し、ひっくり返し、交叉だったり、感情的、行為的、形質的こわばり、精神性の主張の際に肉体に注目する、などである。笑いとカエルは解剖したら死ぬという通り、あまり厳密にわからなくてよかったと思う。有機の内に無機を、無機の内に有機を、くらいのベースの考えのもと、あとは自分の経験から笑いを深めていきたい。古典的笑いの書から、世界の壊し方を知れてよかった。ただ、ひたすら読みにくい、、、。

  • 全然笑えない。

  • 「笑う」という現象と、それを喚起する「おかしみ」の構造分析。その社会的意味を明らかに。

  • 笑いは社会的身ぶりであると同時に、その本質は機械的な「ぎこちなさ」を指摘して対象に屈辱を与えることである。

  • 喜劇における笑いの分析によって、笑いの持つ生活や社会にとっての効用を暴きだし、生活や社会よって生が緊張や弾力を要求されていることが明らかにされている。

    笑いは社会による不適用への罰でもあり、一時の緊張をほぐすものではあるが直後には生活や社会への適用へととんぼ返りさせられるものである。

    悲劇と喜劇の本質的な違いや芸術の捉え方など非常に価値ある話しが語られている。
    ベルクソンさんかっこいい!

    Mahalo

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(佐藤優選)113
    思想・哲学・宗教

  • 事例が知らない事ばかりで結局のところわからない事ばかり。
    笑いについての一例は人間の機械的こわばりから発せられるというのがかろうじてわかった。

  • 喜劇は地位に、悲劇は個人に帰属するという言葉(不正確)に強烈なインパクトを受けた。ゴーゴリの「検察官」は前者で、シェイクスピアの「ハムレット」は後者だ。「笑い」というタイトルに騙されてはいけない。本格的な考察がちりばめられている

  • ・無生物の生物性
    ・人間の機械性
    ・不意打ち
    ・落差

    ・繰返し
    ・ひっくり返し
    ・交叉

    ・自動現象
    ・放心
    ・非社交性

    ・機智
    ・滑稽

  • やはり、哲学書は苦手です。
    「笑い」について考察しているのですが、いや本当に笑えないほど読みにくい。まー、「笑い」をこれだけ読みにくく書けるものかと逆に感心しました。

    「笑い」は論じずとも、感じるだけで十分ですと言った感じです。

  • 笑いというものを考察する。 読んでみるとわかりますが、笑いという事象についてこんなに納得できるのか、と驚きます。

  • いつか読みたいと思って早何年だろうか。ベルクソンだなんて!難しいの苦手なの。いやきっと読もう!

  • 19世紀フランスの哲学者によるお笑い論。ではないですが、社会における笑いの機能について、驚くほど明晰な分析を行っています。いたるところで膝をうつこと間違いなしの1冊。

  • 親父に借りた本。
    何か難しい本を読みたいと言う単純な動機から借りた。大変読むのに時間がかかり、こつこつと読んでいたが結局まだ読み終わっていないまま数ヶ月放置している。
    人はなぜ笑うのか、どういう場面で笑うのか、といった問題に対する分析を試みるという発想が私にはなかった。様々な笑いに共通するぎこちなさのようなものを見出し、その追求をしよう、というところまで読んだ気がする。要追読。

  • 確かに、笑いを論じた本なのに全く笑えない。
    そもそも事例が古すぎて、イメージしにくい。
    しかし、お笑いブームといわれる現代だからこそ読むべき価値のある本。
    笑いとは根底で普遍的であり、文化による差などないのではないかと思わせてくれる見事な分析が展開されている。

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