四季をめぐる51のプロポ (岩波文庫 青 656-3)

制作 : 神谷 幹夫 
  • 岩波書店
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003365632

感想・レビュー・書評

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  • アランのプロポの四季篇ですね。
    アラン(1868ー1951)は、本名 エミール=オーギュスト・シャルティエ。フランスの哲学者、評論家、モラリスト。
    プロポは便箋二枚位の断章で、アランが考案した文章形式で、日本訳は「語録」「論語」或いは「コラム」でしょうか。翻訳の神谷幹夫さんは「かたち」と訳されています。
    アランは三十年間で約五千のプロポを書いています。
    プロポは幾つかの分野に別けることが出来ます。
    アランの代表作「幸福論」は、このプロポから抜粋されたものです。
    そして、「四季をめぐる51のプロポ」も、春、夏、秋、冬にちなんだプロポを抜粋編集されたものです。
    日本の四季とは、ニュアンスが違う四季へのアランの考察がプロポで書き表されています。
    「季節は人間に近いものだ、と言った。実際、だれが季節を知っている。もっと季節を知りたいとは思わないほど十分に。だれもが知っているものには「かたち」がある。この「かたち」を、アランは見事に捉えている。」と神谷幹夫さんは綴られています。
    少し、訳が堅いのは、哲学者の考察が導きだしたものであるためかな。語り言葉ではあるのですが、アランの思考を追うかたちで読み進めるので仕方が無いですね。便箋二枚位の断章ですから、読み返しも楽ですから、一つ一つのプロポを味わいましょう。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/706977

  • うーん、春だけみて終了。
    あんまりいけてる翻訳じゃないのかな。
    得るものはなさそうで・・・

  •  プロポとは、一枚の紙に、下書きすることなく一気に書き上げた哲学断章のことで、このフランス人哲学者が生涯書き続けたものとのこと。これを毎日毎日やむことなく書き続けたことに、まずは素直に感嘆する。見習った方がいいのかも知れない。
     ここに書かれている文章の見事さは、ひとつひとつの言葉、比喩が、何かの代用物としてではなく、必然として存在していることだ。多くの場合、比喩やストーリーは、書き手が言いたいのだが直接書けないものを代わりに示す、代替物である。しかしアランのプロポが紡ぎ出す比喩は、その意味や真意を分析するようなものではない。彼は真実書きたいことを書いたのであって、文章の平易さも美しさも、そこに由来している。単純明快な哲学の、なんと奥深く難しいことか。

  • 序に代えて
    ディエップの突堤




    収穫期の終わり
    訳者あとがき
    (目次より)

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著者プロフィール

1868-1951。本名Emile Auguste Chartier。ノルマンディーに生れ、ミシュレのリセ時代に哲学者J・ラニョーの講義を通して、スピノザ、プラトン、デカルト、カント、ヘーゲル等を学ぶ。エコール・ノルマル卒業後、ルーアン、アンリ4世校などのリセで65歳まで教育に携る。ルーアン時代に「ラ・デペーシュ・ド・ルーアン」紙に「日曜日のプロポ」を書きはじめたのが、彼のプロポ(語録)形式の初めである。アランの人と著書については、アンドレ・モーロワの『アラン』(佐貫健訳、みすず書房、1964)に詳しい。邦訳されたものとして、『定義集』(森有正訳、1988)、『デカルト』(桑原武夫・野田又夫訳、1971)『プロポ』1・2(山崎庸一郎訳、2000、2003)『アラン 芸術について』(山崎庸一郎編訳、2004)『小さな哲学史』(橋本由美子訳、2008、いずれもみすず書房)などがある。

「2019年 『定義集 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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