キリストにならいて (岩波文庫)

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制作 : 大沢 章  呉 茂一 
  • 岩波書店 (1960年5月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003380413

キリストにならいて (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 現世にあるものはすべて、被造物であって無価値だから信仰、そして来世にのみ希望をおくべき、という話

  •  この『キリストに倣いて』は聖書に次いでもっともよく読まれた作品とされている。書かれている内容は神の愛なき人生、すなわち富や地位といったものを頼みにする人生というのは空虚なものであり、ただ神の愛を感じている人生がもっとも実り多い人生だというのである。色々と作品内において述べられているが、結局のところ言いたいのはこのことである。

     いうまでもなく本作品はキリスト教信徒へと書かれたものだが、キリスト教信徒ではない私もこの作品を味わうことができた。そもそも本作品において書かれているのは、古今東西の賢者が口を揃えて言っている内容である。外界を頼らず、ただ内界を大事にせよ、と。このことはエピクテトス然り、ショーペンハウアー然りが彼の幸福論において述べられていることである。神の愛というのは結局世界への愛、感謝というものであり、ひいては自己への愛というものであるのだろう。無論この自己への愛というのはエゴイズムとは似て非なるものである。

     実際のところ多くの人間が不幸、というか疲労してそうな顔をして毎日を生きている。よく現代社会のストレスとかという言葉が聞かれるが、それは何も現代社会に限ったことではない。結局なぜこれほど人が不幸なのかと言われれば、自分の幸福の土台を自分自身においておらず、地位や富に置いているからである。だが幸福の土台を自分自身に置くというのはやはり難しいことのようだ。神への愛、という言葉を聞くと現代日本においては胡散臭い眼で見られることだろう。だがそれは幸福において欠かせないものなのであり、幸福な人間はみなやはりこの神の愛を持っている。ただその名称・呼び名が違うであろうが。とはいえ、神の愛は感じようとして感じられるものなのか、という私は疑問に思っており、それは大いに先天性に依存しているものではないか、と私は考えている。言い換えれば神の愛を説いたところで、それを全く感じてない人は結局は一笑に付して終わりであろう。仕方のないことかもしれない。ただ私は神の愛を感じている珍しい人間の一人であり、それで満足するべきなのかもしれない。

  • ちょっと厭世的過ぎる気はするが、心を和らげてくれるのも確か。

  • 15世紀のドイツで書かれたキリスト教徒の心得帖のような本。

    仕事に向かう通勤電車の中で、毎朝黙々と読んでおりました。修道士向けに書かれた本だけあって、とても真摯で静謐な語り口になっています。悪く言えばお説教なので読んでいて眠くなることもありましたが、なかなか良い時間を過ごせたと思います。特に第二巻第十二章「尊い十字架の王道について」がいいです。

    本書全体は4部に分かれています。第三巻は問答形式になっていて、(キリスト)が語りかけてきます。人間が神の言葉を語るのはいかがなものかと思わないでもないですが、無論聖書からの引用が基盤にありますので、一種のパラフレーズと捉えるべきなのかもしれません。なお「第四巻 祭壇の秘蹟について 聖体拝受についての敬虔な勧告」は自分にはピンと来なかったので読み飛ばしました。

    本書を読んでいると、「自己否定」につながる記述がとにかく目立ちます。欧米人は個人に重きをおく、自己主張を大切にするというイメージがありましたので、本書が"世界中で聖書についで最もよく読まれた書物であるといわれる"のは意外に思われました。「近代的自我」とも言われるように、自分を確立することを良しとする価値観は、人間の歴史全体でみれば比較的新しいものなのでしょう。

    "他人にはそれぞれ好きなことを要求させ、勝手なことに威張らせておくがいい、また勝手に千度のまた千倍も、賛めあげられていさせるがいい、だがお前は、あれやこれやを得意がって威張ることはせず、自分自身を蔑むことを喜びとし、私一人だけの気に入ること、私だけの栄光を喜びとするよう。それでお前は、生を通じ死を通じて、いつも神が、お前に置いて栄光を示されるよう、乞い願うべきである(ピリピ・一の二〇)"(P.197)

  • キリスト教について知るだけでなく人としてどのように生きていくべきかについて諭してくれる本。ルドルフ・シュタイナーお勧めの本。

  • 世界中で聖書についで最もよく読まれた書物(!)らしい。キリスト教において「良く生きる」とは、つまるところ「キリストにならいて」生きることである。この書を通して「キリスト教的生」の真髄に触れてほしい。(2010:柳田洋夫先生推薦)

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