- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003390115
感想・レビュー・書評
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『生は短し術は長し』、"ヒポクラテスの誓い"などで有名なヒポクラテスであるが、彼が行った最も偉大な業績は、医術を迷信や神聖から分離して学問としての確固たる基礎付けを成したことであろう。
本書では、
環境と病の関係
病と迷信との分離
医学と哲学との戦い
医療技術
病理学・臨床学
医師の立場(ヒポクラテスの誓い)
に関して述べ、現代まで語り継がれている医術の普遍的立場を明らかにしている。
当時迷信や祈祷の対象であった病をこの様に技術的に捉え分析するのは、医術が学問として確立した今でこそ容易に思えるが、当時の価値観からすればとんでもなく突飛で天才的なことだ。
この様な当たり前のことに捕らわれない立場は、現代人も持つ必要があるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原題:ΠΕΡΙ ΑΡΧΑΙΗΣ ΙΗΤΡΙΚΗΣ、訳:小川政恭
空気、水、場所について◆神聖病について◆古い医術について◆技術について◆人間の自然性について◆流行病1◆流行病2◆医師の心得◆誓い -
医学の父ヒポクラテス の著書。西洋医学の父とされるが、書かれていることは東洋医学に近い。
「空気、水、場所について」や「人間の自然性について」は、公衆衛生的発想あり、人間の自然治癒力を基本とする思想が書かれている。 -
神聖病について 第一節
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川口市に無し、蕨市にあり。どう手に入れるか考え中。
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理論ではなく、事実が重要で、臨床を大事にしろ!とは、ハーネマンさんと言ってることは同じ。
オーガノンもそうだが、他の理論や議論ばかりにかまけて、患者や病気を見ない医者への非難に、かなりの文字数をさいている。 -
ヒポクラテスの医術書。水・風などの環境が健康に及ぼす影響や哲学と経験医学との論争など。とても面白い。騎馬が性機能障害と関係があると見抜くなどなかなか鋭い点もある。「神聖病について」では空気の現象の解釈者にして、感情の源である脳について書いてある。また、流行病についてはリアルなカルテ集で、「医師の心得」や「誓い」は医師のモラルを説いたものとして興味深い。