君主論 (岩波文庫)

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制作 : Nicoll`o Machiavelli  河島 英昭 
  • 岩波書店 (1998年6月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003400319

君主論 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れたニッコロ・マキャヴェッリのあまりにも有名な国家政治論。

    その序において、フィレンツェの君主家であったロレンツォ・デ・メディチに献呈したというスタイルを取っている。
    16世紀イタリアは群雄割拠しており、さらにフランスやスペインといった強国が介入する争乱の場と化していた。一度は理想君主の一人としたヴァレンチーノ公(チェーザレ・ボルジア)によるイタリア統一を願ったマキャヴェッリであったが、彼は早々に失脚してしまう。こうした中、時の教皇レオ10世はメディチ家出身のジョヴァンニ・デ・メディチであり、メディチ家によるイタリア統一という希望を託すという意味において本書は執筆されたということである。
    解説によればマキャヴェッリはフィレンツェ共和国時代の政府書記官であったが、メディチ家の復権とともに投獄され職を失うという経歴を持っている。メディチ家へのこうした接近は彼の処世術の一環でもあったことだろう。

    本書を語る上で外せないのが有名なマキャヴェリズムである。最終的な勝利のためには、ありとあらゆる手段を講じ、どんな汚いやり方でもその目的のためなら容認し推奨する究極の権力第一主義!その思想は人間の心理や思考、行動パターンの鋭い洞察や分析に根差したものであり、今日なおも胸に突き刺さってくるものがある。
    そして、本書に通底するマキャヴェッリの視角は「力量」と「運命」である。この視点は姉妹編といってもよい『ディスコルシ』でも特に強調されていたもので、「力量」と「運命」を持つ者が君主の座に着きこれを維持できるとし、さらには「運命」の女神を従わせるのは人間の「力量」であるともいい、君主の座に登るものが備えるべき決意と方法を過去の事例を丹念に紐解きながら訴えるのである。
    本書の内容からすると『ディスコルシ』と被る部分も多々見られ、同時期に構想した内容をテーマに沿う形で整理・分類して二書に分けたものであったのだろう。

    本書の前半は、君主の政体(つまり国)のパターンをひとつひとつ取り上げた上でその長短を述べ、次に君主政体が持つ軍隊のパターンを取り上げてその長短を述べる。
    そして後半では、君主が褒められることと貶されることとか、気前が良いこととケチであることとか、あるいは信義を守るべきやいなや、軽蔑と憎悪を免れるには?、名声を得るには?などなど、君主が採るべき姿勢や態度とその効果について述べる。
    訳者解説によれば、前半部分は「君主政体論」で後半部分は文字通りの「君主論」に分けることができるという。
    確かに前半はそのテーマの趣旨からいって、様々な古今の政体や軍隊のありようの事例を上げながらその末路について解説しているのに対し、後半は君主たるべき者への進言が基本となっているといえ、後半こそ本書を著したかったマキャヴェッリの真骨頂が述べられているといっても良いであろう。
    中でも自分なりにずっしりときたのは、君主は冷酷でなければならない!普段はケチでなければならない!普段から考えていなければならないことは戦争のことであり他はどうでもよい!信義は守らなくて良い、必要とあらば悪の中にも入っていけ!しかし、普段は慈悲深く誠実で宗教心が篤いように見せておけ!信義を破る時は一気呵成に!ということである。
    前近代の国と権力者の役割は現代の国家に比べかなり限定的なので、究極的にはこのような思想に辿りつくのだろうという考えがある一方で、人間心理や行動に根差した普遍的な思想であるが故に現代でも立派に通用するのではないかとも思える。
    ということで、早速、日ごろの生活に取り入れよう!ひひひ。

  • 教科書ではルソーの流れで登場していたが、こんな内容だったとは、、、群雄割拠するイタリアにおける統治論を過去の事例をもとに、展開している。君主を経営者、国を企業に置き換えると、リーダーシップ論やポジショニング理論といった現在の経営学に通じる。先行論文が少ない当時でこの洞察には驚嘆。賞賛と批判が多いのは、感情を湧き立てる書なのであろう。

  • ヨーロッパ政治思想史の参考文献として読まねばならず。
    重~いページをめくったら、その日のうちに最終ページをとじました。

    政治家の言っていることがこんなによく分かるなんて!と政治に通じた気を起こすところだったが、マキアヴェッリの分かりやすいレトリックのお蔭なよう。

    人間など所詮自分のことしか考えていない、という前提に則った所論の展開は説得力十分で筋道の通った裏のない言葉はとても気持ちがよい。

    女の子が電車の中で読むにはあまりに可愛気のない本ではあるが、イタリアでは学生の必読図書だそうで、世紀を越えて読まれるだけの価値が大いに感じられた。

  • 国を奪って君主になりたい人,必読。

    メディチ家に向けて書かれたものだったのか。
    15-16世紀のイタリア史を知っていた方がよく読めそう。分からないところは読み飛ばしてもいいとは思うけど。

    軍備の重要性を説き,横暴さと狡猾さの双方を君主に求める一方で,民衆の力を侮るなとも。

    チェーザレ・ボルジア推し。

    翻訳は,学術的な立場を重視してなされたよう。
    訳文が読みにくいのも,訳注が充実しているのもそのためだろうが,個人的には,もっと読みやすく意訳してほしかった。

  • 自分の中で、自己啓発本といえばこの本。

  • 君主論は、君主政体について、それを維持する軍隊について、君主の資質について、君主の取り組みについて、新しい君主の出現について、という構成なわけですが、内容は最高のリーダシップ論とですね。「ひとつは、・・・、いまひとつは、・・・」、という形式の、マキャベリの一刀両断していく文体が、歯切れが良く気持ちよい。

  • 支配階級と被支配階級があるとすれば、
    支配階級側の人間が読む本。

    君主たるもものの心がけ。

    善行が必ずしも良いというわけではなく、その逆もしかり。
    運命によりかかるのでなく、人間の力量によって策を講じることで、運命にも逆らえる。

  • 読みやすい
    何回も読まないと頭に入らなそう。
    まぁいいやをなくす。これ

  • 平易で読みやすい。訳注が多いのも良い。
    ダンテ神曲、塩野さんのチェーザレボルジアを読んだ後だったので、すんなり読めた。

  • 今から500年前の著作だが、現代にも十分に通用する名作。リーダーを目指す人には必読ではないだろうか。

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