経済発展の理論 上(シュムペーター): 企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究 (岩波文庫 白 147-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003414712

感想・レビュー・書評

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  • Financial Education & Design という勉強会の、とある回の課題図書です。
    みなさん造詣が深く、読むポイントも各々の問題意識によって異なり、とても面白かったです。
    経済の本を読んだのは初めてでしたが、とても楽しかった。

    第2章とあとがきをなんとか読めば、エッセンスはわかります。笑
    あとは、日々の仕事にどう活かしていくかが問われます。

    ********
    第2章の「発展」という概念が大切。
    弁証法の概念を実質的に援用して「発展」を定義。
    旧いものと新しいものが相剋するところから、新しいものが旧いものを打ち負かすことによって止揚し、新しい秩序がつくられるという。

    銀行家・利息の役割について言及。

    *********
    いまから100年前、激動の時代に激動の澳・独で、まだ経済学が新しい学問だった頃の学者さん・大蔵大臣さんだったひとの著書。

    「イノベーション」という言葉を用いていないのに「初めて用いた」ということになっています。

    *********
    訳がひどいですが、翻訳にもいろいろ難しさがあるそうです。
    原文をなるべく逐語的に訳したほうがいいのか、とか。(『歴史を変えた誤訳』など参照)

    数十年前の学生さんやビジネスマンさんたちが
    この訳をほいほい読めていたとしたら、想像力が豊かすぎます。

  • 改めて本書を読み直してみると、MBAの講座やビジネス書でよく言われる、「イノベーションとは新結合」との言がいかに原著を読まずに耳学問でワードだけ聞きかじった軽薄なものであるかがよくわかります。シュンペーターは本書において新結合をそのようには語っていません(逆になぜこれほどイノベーションと結び付けられて世に出回ってしまったのか不思議)。

    本書で考察される企業者はアントレプレナーに近い概念と思います。この企業者が新たな信用創造をいかに成し遂げられるようにするか、そこに経済発展の肝があるということについて、非常にわかりやすく議論がなされていきます。

    本書は1章が読みにくいと感じるかもしれませんが、書かれていることは経済学の極々基本的な内容なので、お堅い訳出に目をくらまされないように。ここで本書を放り出してしまうのは勿体無いです。2章から読み始めても中身は読むことができますので、諦めそうになったら途中から読むことをオススメ致します。

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