モーム短篇選〈下〉 (岩波文庫)

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制作 : 行方 昭夫  行方 昭夫 
  • 岩波書店 (2008年11月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003725030

モーム短篇選〈下〉 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「物知り博士」は色んな作品で繰り返されているモームの持論(完全な善人も完全な悪人もいない、むしろ善人の悪徳や悪人の善行に興味を惹かれる的な)が、ぎゅっと凝縮されたような小品。物知り博士を揶揄される嫌われ者のいやなところをこれでもかと描写しておきながら、最後の最後に「ちょっといいやつ」と思わされる。「冬の船旅」もある意味同じ系列かな。

    「マウントドレイゴ卿」は心理分析医の話で、モームには珍しくちょっと不思議系というか悪夢的な余韻。

    「ジゴロとジゴレット」素直な男性は夫婦愛の話と受け止めるのかもしれないけれど、女性が読むとこれは「旦那の愛情を試したな」とニヤリとしますよね。旦那さんのとった行動は「正解」だったんですよ。

    「ロータス・イーター」は『月と六ペンス』や上巻の「エドワード~」と通じるテーマなのだけれど、ラストがかなりシニカルです。

    「サナトリウム」はラストの印象がモームらしからぬ(?)爽やかなハッピーエンドで、逆に何か裏があるんじゃないかと疑ってしまったけれど、とくにないらしい(笑)。

    「大佐の奥方」「五十女」は、慎ましやかな人妻が平然と夫を裏切り素知らぬふりで不倫や犯罪をおかす点で上巻の「手紙」などにも共通する、じわじわ怖い女性の話。

    総じて、個人的にはどれもオチが面白いというよりは登場人物の言動が面白かったです。

    ※収録作品
    「物知り博士」「詩人」「ランチ」「漁夫サルヴァトーレ」「蟻とキリギリス」「マウントドレイゴ卿」「ジゴロとジゴレット」「ロータス・イーター」「サナトリウム」「大佐の奥方」「五十女」「冬の船旅」

  • モームの短編12編が収められている.
    「月と六ペンス」を読んだときにも思ったのだが,モームの小説のおもしろさとは何だろう? 劇的でドラマチックな場面がある訳でも無く(あるお話しもあるけど),あおる訳でも無く,そういう意味ではエンターテイメントの対極にある訳だが,しかし話に引き込まれページを繰る手が止まらないのである.小説の醍醐味を味わった気がする.

  • 昔授業で読んだ懐かしい作品。

  • 2014 4/27読了。Amazonで購入。
    個人的モーム期間中に読んだうちの一冊。
    上巻に比べるとより短めの作品が多い。
    解説にある、モームは「話としての面白さ」を追っているとあるとおりに、オチがあったり筋がはっきりしたりしている話が多くてすらすら読める。

  • 13/03/14 おちがわからない作品もあったが、大いに楽しめた。

  • 春日武彦氏が「ロータス・イーター」を紹介していたので読むことにした。
    モームははじめてだが、巧みなストーリーにほとほと感心する。訳文もすばらしい。リズム感のいい日本語は暗誦したくなるほど。
    モームはモーパッサンよりも人間味が感じられ読後感がよい。「ロータス・イーター」はおおむね春日氏の評するとおりだったが、最後の一文に込められた哀切さがことに印象に残る。
    「物知り博士」、悪人にひそむ善良さを描いた逸品。
    「冬の船旅」、コミカルな会話が絶妙で何度も読み返してしまう。ふとモーパッサンの「脂肪の塊」を思い出してしまったが「冬の船旅」はそこまで残酷でもなく、品よく救いのあるマイルドな食感。
    なお、巻末の詳細な解説がたいへん助かった。

  • 不可知論。人間の矛盾にフォーカス。The真理。だからこんなに面白い作品ばかり書けるんだろうなと。イギリスのモーパッサンと言われてるけど、自分はモームのほうが個人的に好きかも。いかつい顔して茶目っ気たっぷりなことをしてのける文豪の印象を決定づける作品。また読む。

  • 現代小説と並べても違和感の無いユーモアセンスだと思いました。舌触りのさっぱりとした、良質なオチが好ましいです。

  • ・ランチ
    「なら別」という表現のいやらしさ。
    一品しか食べないはずが、何種も平らげていく。
    他人への無関心と価値観のズレ。
    いや、違う。これはたかりにきているのでは。

  • 英語の授業でモームの作品を使用したのをきっかけに。
    作品自体は100年以上前に書かれたものだが、現代的な訳文で読みやすい。
    にやりとしたり、じーんと来たり、クセになる読後感。

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モーム短篇選〈下〉 (岩波文庫)の作品紹介

作者の後半期、六十代から七十代の短篇集に収められた作品を収録。巧みな語り口にますます磨きがかかり、人間観察にさらに深みが加わる。我々の周囲にもいそうな様々な人物が登場するが、作者の辛辣な描写の奥に意外なほど優しい眼差しが窺える十二篇。

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