- Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004000136
感想・レビュー・書評
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2013.11.07 読了
数字と計算法の発達の跡、と表紙の見返しにはある。本書のことを過不足なく言い得ている。
しかし、僕がこの本を古本屋で手に取った時は、零が持つ、その概念的なものを求めていたんだと思う。
そういう意味で僕には物足りなかったのだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
偉大な書です。
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数への楽しい道案内
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数学史の本であるといえるし、数学の哲学の本であるともいえる。
とても興味深く、面白い。 -
数学が抱えていた基礎部分への挑戦の軌跡を著述。零の発見についてはほぼ何も書いてないに等しいが、歴史的、数学的興味は尽きない内容だ。
記数法の確立に零が果たした役割、数値計算上の対数の威力、無限級数の和を扱う上での注意、
幾何と代数の統一、有理数、無理数、超越数(代数的数)の自然な定義、連続性への探求。
どれも興味深いテーマであった。自然に本格数学への入り口に誘われた感じだ。 -
『201208 数学強化月間』
高校の時の世界史の先生が絶賛していた本。長らく積読していた。 -
(1966.06.10読了)( 1966.05.23購入)
*本の帯より*
本書は、古代インドにおける零という数字の発見より説き起こして数学における計算の発達をのべ、ピタゴラスの「万物は数なり」という命題のギリシャ哲学における意味を説いてデテキントに及ぶというふうに、極めて平易に真の数学文化史をのべた。数学の歴史を知ると同時に、数の面白さに読者はあらためて驚かされることであろう。
【目次】
零の発見―アラビア数字の由来―
直線を切る―連続の問題―
☆関連図書(既読)
「無限と連続」遠山啓著、岩波新書、1952.05.10
「数について」デーデキント著・河野伊三郎訳、岩波文庫、1961.11.16 -
本のタイトルは、インド人に敬意を払っているが、件の大発見の話だけではなく、数学萌芽の足跡を紹介する読み物になっている。三平方の定理に歓喜したピタゴラス一派は、その反動で正方形の対角線がきれいな整数比にならぬことに気付いてしまい、落胆に極みに陥ったという。「美しさ」に囚われるギリシャ人の悲劇だが、そんなことに無頓着で実用性を重視したアラビア人が、負数に平方根に立方根と、その世界を拡げていった対比が面白い。
初版が1939年、2012年に106回目の増刷ということなので、お祖父ちゃんの時代から読み継がれてきた本だ。「....ソロバンが電卓に圧倒されて、日本の社会から姿を消す日が来るか....」という、未来人気分を味わえる文もあるが、これだけの歳を重ねた書物が、今でも読むに堪え得るということ自体、数学の普遍性を物語っている。ピタゴラスですら2千年前、0を見つけた名もなきインド人はもっと昔の人なのだ。微分を作ったニュートンなんかはつい最近ということになる。それでもソロバンは駆逐されてしまったけど(笑)。