- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004110729
感想・レビュー・書評
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読了。近代経済について余りにも知らなさすぎなので遅まきながら。もう40年以上前の新書だけど、やっぱり名著と呼ばれてるだけあるわ。超面白かった。ビルトイン・スタビライザーが出来るようになった原理と貨幣の一般理論の「触り」の部分だけなぞって満足したw
現実に則った実学的な理論だとまだ他のよりも取っ付きやすいっていうのもあって、割りと気軽に読めた。非自発的失業者が出てしまう経済を憎みケインズの提唱した資本主義下での完全雇用を目指すが故に、大企業の利潤追求を排除して社会主義を目指す左派というのは何回読んでも皮肉にしか見えなかったw詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ケインズは資本主義以前を前提とする伝統的な経済学を打破し、不況期を説明する一般理論を考案した。不景気の時に増税し、政府の投資が新たな有効需要を作る。逆に景気が過熱した時は税収を下げ、社会から需要を減らす。
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ケインズの思想や背景がわかる本であるが、今の世代には少し読みにくいかもしれない。
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スゴく分かりやすいケインズ経済学入門書。ケインズを理解するにはまずはここから。
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4004110726 215p 2003・10・27 63刷
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ケインズ主義の発生からその理論まで。
1920年代にイギリスで発生したケインズの経済理論。
彼の階級論、思想に始まり、新しい経済学の内容までを述べている。
始まりが彼の思想から始まったため、当時の状況や彼の理想とする社会が最初に提示されていて入りやすい。
メインの経済理論の理解には時間がかかったが、とても興味深く目からウロコだった。
高校の政治経済は古典主義が主で、ケインズや混合経済について学んだが、その骨格となる乗数理論と流動性選好説については述べられなかった。
累進課税にしても、それは所得の再分配とともに消費性向を高め雇用量の増大に繋がっていることまでは考えが及ばなかった。
さらに、インフレーションによって金利生活者の富を減らし、知らぬ間に安楽往生させるという手腕は興味深い。
彼の理論は等質的な経済を前提にしたことや独占を考慮していないことにより、後年改変されていくが、現在正しいとされる政府の動きにはまだまだ彼の理論に拠るものが大きいと思う。
いつか『一般理論』を読むことができれば、と思う。 -
内容(「BOOK」データベースより)
一九二九年の大恐慌いらい、資本主義世界の経済運動は、ケインズをぬきにしては理解できなくなった。「新しい経済学」あるいは「ケインズ革命」とよばれるケインズの思想と理論が、イギリス社会の現実のなかから、いかにして生み出され、それが、従来の経済学の体系を、そして資本主義の現実をどのように変えていったかを明らかにする。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊東 光晴
1927年、東京に生まれる。1951年、東京商科大学卒業。専攻、理論経済学。現在、京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
目次
1 三つの階級・三つの政党―ケインズの階級観(チャーチルとケインズ
一九二〇年代の経済問題 ほか)
2 知性主義―若き日のケインズの思想(マーシャルとケインズ
ソサエティーとその思想―ベンタム主義への批判と叡知主義 ほか)
3 新しい経済学の誕生(新しい現実、古い理論
『一般理論』の骨ぐみ)
4 現代資本主義とケインズ経済学(投資決定論の修正
ケインズの見なかったもの ほか)
ケインズ経済学をより深く学ぶために(投資と貯蓄との関係
『一般理論』の解説書 ほか) -
クルーグマン氏の書と篠原氏の「私の履歴書」からの展開で、先に読了の吉川氏の著作と合わせて読始。
現実への対処――行動ありき、と理解――や、物事に対する知性による計画と処理、というのは感銘。
現在の状況も歴史的な危機の只中にあるが、本書に記載あるような、命を賭すような議論や行動を目の当たりにしていないと感ずるのは、私自身の怠慢。
伊東氏や根井氏の文体は私には大変心地好いことを発見・確認。 -
08/05/25、ブックオフで購入。