ユダヤの民と宗教: イスラエルの道 (岩波新書 青版 C163)

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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004121633

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  • 客観的な視点でユダヤの思想と、ユダヤ教の変遷とどのように、キリスト教と分離したか書かれてあって、頭の中を整理できた。ユダヤ教徒たちの、全ての目的は、イスラエルの土地に、恒久平和の土地を築き、メシアが地上にやってくることである。

    トーラの解釈にはタルムードなどの、さまざまなものがあるが、そのに一貫性を求めているのではなく、その膨大な解釈の遺産に価値がある。

    年表もあってよかった。
    またいつか読み返す。ユダヤ教についてもっと知ったら、キリスト教やイスラム教ももっと深く理解できそう。

  • 内容紹介(amazon)
    ヨーロッパ文化の底流には,ギリシアの思想とならんでユダヤの宗教が遺産として宿っている.キリスト教の母胎となったユダヤ教の特質を述べるとともに,ユダヤ人がなぜ「祖国なき民」として迫害されなければならなかったか,また,そうしたなかで,ユダヤ教が,この民族の精神の支えとしてどういう役割を果してきたかを明らかにする.

  • ユダヤ教には、素朴で潔癖な遊牧民の信仰に立ち返ろうとする内在的な力がある。それは、イスラム教やピューリタンに通じる。

    ユダヤ人とピューリタンの間には不思議に似たところがある。ともに司祭や牧師や預言者のような特権階級を持っていない。また、どちらも結果を重視し、それを救いと考え、「来世の生」は「現世」における実現、改善に全力を注ぐための二次的なものになっている。

    カトリックとプロテスタントの違いは、救いのために教会が必要かどうか。

    世界の宗教は、現世否定的か肯定的かで分けられる。

    旧約に出てくる異教の多くは農耕神であり、繰り返される異教との戦いは、遊牧信仰vs農耕信仰の戦いともとれる。アベルとカインの対立も、遊牧vs農耕。種なしパンも農耕否定?

    アブラハム、イサク、ヤコブの神は、多神の中の最も強い神だったが、捕囚時代(預言者の時代)になると唯一絶対の一神教となって行く。

    預言者は、民族神とみなされていた神が、全人類の神であることを説いた。中でもヨナ書は、エズラ、ネヘミヤの排他主義への対抗文学として書かれたものであり、旧約の普遍主義の代表。

    ユダ王国の宗教改革
    1.ヒゼキヤ、イザヤ
    2.ヨシヤ、エレミヤ

    元々のモーセ五書では、神の名はエロヒム(エル=神の畏敬複数形。多神の中の一神を表す)と、ヤハウェの2つが使われていたが、ヒゼキヤによって1つに統一された。

    インド思想。
    ブラフマン(非人格的宇宙原理)とアートマン(人格的原理)の本質的同一を解く。ブラフマン=自然科学、アートマン=人文科学?

    ヘロデ王はエドムの家系。

    オスカー・クルマン
    「霊魂の不滅か肉体の復活か」
    この2つの概念は混同されがちだが、相入れない。

    西洋に住むユダヤ人の西洋批判には、母親に対する批判のような温かみはなく、冷徹である。

    ユダヤ人の語る懐疑論を信用してはならない。どれほど世俗化し、西洋社会と同化しているように見えても、またシナゴーグや宗教は行事に参加していなくても、彼らは本質的に宗教的である。

    西洋を東洋から隔てる大きな思想、二元論(理性と非理性、国家と宗教…)、ユダヤ人はついにこれを受け入れなかった。

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