知的生産の技術 (岩波新書)

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著者 : 梅棹忠夫
  • 岩波書店 (1969年7月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004150930

知的生産の技術 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 「仕事にすぐ効く 魔法の文房具」に載っていた。「『自分』というものは、時間とともに、たちまち『他人』になってしまう」という文の紹介とともに。
    この文は「カードとそのつかいかた」の章と、「日記と記録」の章でみられた。

    *学内図書館にて借りる
    この本を読んで、一番言いたいのが「とても読みやすい!」ということ。
    タイトルや発行年を考えてもぜったいに読みづらいものだと思い込んでいただけに驚いた。
    むずかしいものが苦手な人はぜひ読んでみてほしい。

    内容としては、タイプライターのくだりなど古さを感じたりするところもあるが、国語教育の問題などいまでも通じる話題もあったり面白い。
    読書方法や手紙の書き方なんて、小学校では学ばなかったなあ。
    watashi naraba ro-maji no tegami ha hoshiku nai na.
    なぜなら、読みづらいから!

    原稿の章で、(理系の学生に)レポートを提出してもらったさい、レポート用紙で提出する学生に苦言を呈していた(原稿用紙で提出する方がよいらしい)のと、ひらがなタイプライターの試作品20組のうち、一つが石原慎太郎氏のもとにあるというエピソードが、どこか時代を感じさせていいな、と。

  • 古いがまだまだvalid。

    みんな試行錯誤していることがよくわかる。
    最適なシステムは、環境によって変化するのだから、万人にとって完璧なシステムなど存在しない。あるのは、原則だけ。
    この原則は時代が変わっても変化しない。
    そして、この本で論じられているのは原則。
    だから、この本はまだまだvalid。

    タイプライターの歴史は非常に面白く思った。
    全てひらがなの手紙を書いていたとは恐れ入った。

    これとてまだvalidだと思う。
    僕は、ローマ字入力→変換しているけど、
    英語を打つときは、変換なし。
    そもそもかな入力が自然で、労力も半分で済むはずなんだ。

  • いまや「古典」といってもよいであろう一冊。情報化社会となって久しい今日、私たちの周りには膨大な量の情報(あえてここでは重要性・種類を問わない)が氾濫した。そして、私たちは改めて気づかされる。「情報≠知」であると。むしろ、情報単体での価値は、低下したといっていい。では、私たちは、この大量の情報をどのようにして整理し、意味付けし、ある一定の文脈をもつ「知(知識ないし思考)」に練りあげていけば良いのか。その過程こそ、まさに「知的生産」であり、この本がいわんとするところである。現代版や類似本は多数出版されているが、原典に当たらずして、語ることなかれ。一種の通過儀礼として、一度頭に読み込ませておきたい一冊だ。

  • 時代は移り変わり、科学技術は進歩したが、この本で述べられている知的生産の技術はなお色あせることはないと感じた。むしろ、進歩した科学技術を組み合わせることでより有効なものにできる。

    個人的には、カード・システムはEvernoteで代用できると思う。ミニ論文をEvernoteに、そこから発展した長い文章はブログに、という風にしていきたい。今までも、思いついたアイデアは随時記録していたので、より発展させたい。

    ☆4なのは、タイプライターのくだりはあまり現在においては有効ではないと感じたから。

  • もう半世紀前に上梓された本ながら、現代でも充分通用する内容。
    一言で言えば、情報処理と伝達の技術ということになると思います。
    冒頭で「これはハウツー本ではない」という趣旨のことが書かれていますが、読んでいると具体的な方法が紹介されていて、どちらかというとハウツー本に思えます。
    筆者は最後に、「読むだけではなく実践が大事」と書いているので、紹介されていたカードによる情報整理とかシンプルで分かりやすい文章の書き方など、参考に出来るものはその考え方を参考に自分なりに取り入れていきたいと思います。
    溢れる情報に溺れる現代、自分もそうですが、情報整理と情報活用に困っている人は、ぜひ。

  • 新しい実用本ばかり読む自分にとって、1960年代の書籍を最初から最後まで読了するというのは珍しい経験かも。だいたい皆同じ感想を持つと思うが、知的生産の技術は、時代が変わっても原理原則は変わらないことを認識させる。

    「発想はメモに残す」

    ヒラメキやアイディアを宇宙線に例えていて面白い。<誰の頭にも平等に宇宙線は降り注いでいるのに>、メモに残す人と残さない人がいるという表現。梅棹先生にはカードと万年筆があった。我々にはスマホがある。Evernoteがある。ブログがありTwitterがある。これ以上ない検索性。ありがたい時代だなと思う。



    「複写を残す」

    この時代、複写といえば、ペンと紙で書き写すことを言った。<提出論文の複写>って今と当時の違いを想像するだけで気が遠くなる。現代に生まれてよかった・・・。



    「ノートからカードへ」

    整理法を変えていく過程は丁寧に書かれていて、とても納得感の感じられるものである。工夫、こだわり、思い切りの積み重ね。この方の場合、周りの研究者のやり方を取り入れたり参考にしたりと、本人も友人に恵まれていると書く通り、周囲との切磋琢磨による工夫改善が優れている。そのうちの一人にKJ法の川喜田二郎がいるというのも素敵すぎるエピソードです。



    「線の引き方=二重読み」

    読書時に、2本以上のペンや色を使い分けるとき、そのルールが人によって違うのが面白い。梅棹は、「大事なところ」と「面白いところ」で線を引き分けるという。前者は筆者の主張に追随して感心したところ、後者は読者である自分の感じ取ったこと。後者を「筆者とは別の『あらぬこと』を考えながら読んでいることの証拠」とした表現が面白い。本を二重に読むということ。割と誰もがしていると思うが、プロになるほど、聞かれて答えられるような明確なルール化があるように思う。

    院に、「納得したこと」と「納得できない腹が立つこと」の二色に引き分けているという先生がいた。社会学の先生っぽくてこれも面白いね。



    「読むと”みる”の違い」

    耳の痛い話。本は最後までしっかり読了するものと、つまみ食いして読むものがあるけれど、前者を「読む」として、後者は「みる」とする。本にはその構成も含めて著者の思考体系があるわけだから、「読んだ」本でないかぎり、少なくとも批評はしないという。これは現代社会への教訓と思う。ネットにおけるキュレーション(まとめサイトみたいな)の盛り上がりで、情報とはつまみ食いする(べき)ものだと、いつのまにか道理となってしまった気がする。ナナメ読みならまだいいが、目次を見て関心の無いところは読むなと指南する者までいる。論文だってアブストラクトと本文の最後しか読まなかったりするのは当たり前。でもそれじゃ本質に触れたことにはならないんだよね。確かに。

    ”みた”だけで、読んだ気にならないようにしたいと思う。

  • 【感応電流のための読書】
    読書には食物と同じように、糧となる知的生産の為の読書と味わう為の読書がある。糧とするためには、著書を正確に理解する事とは別に、自分にとって発見があった箇所をカードにまとめる事で、本に書かれている内容を越えた知的生産のための素材を獲得できる。
    このように本の正確な理解に加えて、本をダシに自分の思想を開発する「感応電流」を起こす事が知的生産の読書で重要である。

  • 以下、マーカーを引いた1文と備忘。
    知的生産とは、知的情報の生産である。既存の、あるいは新規の、さまざまな情報をもとにして、それに、それぞれの人間の知的情報処理能力を作用させてそこにあたらしい情報をつくりだす作業なのである。
    先に読んだ波頭さんの本では、情報は不確実性を減らす物という定義があった。
    つまり、人は既存/新規の情報に思考を加えることで、不確実性を減らす新しい物を産みだすと。それが知的生産ということになるのかもしれない。
    本文では、この知的生産を行う為の技術に王道はなく、安直な道も無いという。そして、考えるだけでなく実際にやってみる事に大変さと面白みがあり、価値があると締めていた。
    この本が書かれたのは1969年。もちろん例示が古い部分もあるが、現代に置き換えても通じる物は多々あり、面白かった。

  • (これは!)と思うところを本を読みながらその都度メモしていましたが、これからは、まず傍線などを引いてチェックし、通読してから数日間放置して(積読)、それから改めてチェックした部分を読み返す。それでもまだ(これは!)と思うならカード化することにしてみます。

  • KJ 法に感心があり読みました。
    忘れるために記録する。
    本は一度に読んでしまう。
    手紙は雛形を作っておく。
    等々色々興味深かったです。

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学校では知識は教えるけれど知識の獲得のしかたはあまり教えてくれない。メモのとり方、カードの利用法、原稿の書き方など基本的技術の訓練不足が研究能力の低下をもたらすと考える著者は、長年にわたる模索の体験と共同討論の中から確信をえて、創造的な知的生産を行なうための実践的技術についての提案を試みる。

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