- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004160014
感想・レビュー・書評
-
彌永昌吉先生の名著
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
岩波新書ということで、数学について一般読者向けに書かれた軽い読み物なかと思って買ったけど、読んでみたら本格的な数学の本で、読み応えがありました。大学の数学のテキストかとさえ思いました。難しかったけど、面白かったです。集合や写像の基礎的な概念から、数の体系を形作っていきます。上巻では自然数とその拡張である「0」を含んだもの。無限集合と有限集合について。付録として「集合論のパラドックスと数学基礎論」
この本を読んでいると「数って何?」「数学の概念とは?」と、哲学的問題も考えさせられます。 -
新書にもかかわらず、わたしが読んだ専門書の中では数学的に最も厳密である。
”自明”で終わらせることはない。一見当たり前のことをこれでもかというぐらい論証していく。
付録では、集合論を通して、数学の深淵をのぞき込むこともできる。 -
1891年に発表された論文の "ペアノの公理"。
デデキントの"数とは何か"を読んでいたのですんなり頭に入ってきましたが、公理的に厳密に定義されている命題は気持ちが良いですね。
例えば分配法則などは暗記(暗黙のルール、または直感に基づくもの)ではなく厳密に証明可能な法則であり、抽象概念について覚えのない義務教育期間では数学のこのような法則郡(ルール、私達の考えた"数学"を用いた操作で論理的矛盾が生じないという基礎)を教えることは難しくて、そのあたりに数学教育の難しさもあるのだなと考えました。
ブルバキなどの理想も美しく世代を超えて基礎と発展の分野が開拓されているわけですが、ヒトの時間は限られてますからね。 -
☆ちゃんとした数学書。