コロンブス (岩波新書 黄版 93)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004200932

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  • 知らない人はいないと思われるコロンブスの、伝記ではなくて、彼自身のこと、彼をめぐるいろいろな人たちのこと、その時代のようす。
    そしてそこまでコロンブスを動かしたのは何か?ということが最後に書かれていて、「ああ、そうだったのか。」と。
    講座で語ったことを本にしたので、とてもわかりやすく、面白い本です。

    増田さんは【大航海時代】という言葉を作った人。
    中南米にも詳しいようなので、今度はそっちがわの本も読んでみたい。

  • (1979.08.24読了)(1979.08.21購入)
    *解説目録より*
    コロンブスが目指したのは、俗に信じられているように、今日のインドではない。当時の地理概念によってヨーロッパの人々が描いていた想像上の東方世界であった。彼は何を求め、何に支えられて航海したのであろうか。コロンブスを生み出した時代は、大航海時代と呼ばれ、ルネッサンスや宗教改革の波に激しく洗われた世界史の一大転換期であった。時代の動きの中で、コロンブスの生涯と、その事業の歴史的意味を描きだす。

    【目次】
    はじめに
    航海者コロンブス
    地中海とコロンブス
    地理学者コロンブス
    葛藤の時代
    終末にむかって
    あとがき
    主要人物・地名索引

    ☆増田義郎さんの本(既読)
    「古代アステカ王国」増田義郎著、中公新書、1963.01.18
    「太陽の帝国インカ」増田義郎著、角川新書、1964.06.20
    「純粋文化の条件」増田義郎著、講談社現代新書、1967.07.16
    「メキシコ革命」増田義郎著、中公新書、1968.06.25
    「新世界のユートピア」増田義郎著、研究社、1971.09.30
    「インカ帝国探検記」増田義郎著、中公文庫、1975.09.10
    「世界の歴史07 インディオ文明の興亡」増田義郎著、講談社、1977.05.20
    ※中南米
    「ラテン・アメリカ史」中屋健一著、中公新書、1964.02.25
    「アリストテレスとアメリカ・インディアン」L.ハンケ著・佐々木昭夫訳、岩波新書、1974.03.28
    「インディアスの破壊についての簡潔な報告」ラス・カサス著・染田秀藤訳、岩波文庫、1976.06.25
    「コロンブス航海誌」コロンブス著・林屋永吉訳、岩波文庫、1977.09.16
    「イスパノアメリカ文化史」ピコーン・サラス著・アンドラーデ・村江四郎訳、河出書房新社、1973.10.15
    「ラテンアメリカ文学史」ジャック・ジョゼ著・高見英一・鼓直訳、文庫クセジュ、1975.07.07

  • 大航海時代・スペイン・南米関連の泰斗である増田先生によるコロンブス本。講演録を加筆修正したものであり、親しみやすい語り口でするっと読めてしまう。
    本書はコロンブスの伝記ではなく、コロンブスがインディアス発見につながる航海を行う背景としての、9世紀~15世紀にいたるヨーロッパの文化変容、宗教観、政治情勢などを解説する。著者は、コロンブスは金銭的事業として、あるいは地理学的発見のためにインディアスを目指したというのは短絡的な理解であり、その根底にはコロンブスが所属していたフランシスコ修道会に由来する終末思想観に基づく宗教観の影響を抜きに考えられないと説く。そこには、ユダヤ人に関する迫害や改宗者、新教徒の問題なども含まれる。
    このように本書はコロンブスの航海の目的やその時代背景についての平易な紹介であり、その点において格好の本である。一方でコロンブスの航海それ自体や、インディアスでのコロンブスの事績などについては、本書ではなく他の本をあたるのが良いだろう。

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著者プロフィール

増田義郎 ますだ よしお
1928年、東京生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学名誉教授。専門は文化人類学、イベリアおよびイベロアメリカ文化史。『大航海時代叢書』(全42巻 岩波書店)の刊行を推進。主な著書に『インカ帝国探検記』『黄金の世界史』『太平洋』など。訳書に講談社学術文庫『西太平洋の遠洋航海者』(B.マリノフスキ著)のほか、『ワルツへの招待』(ロザモンド・レーマン著)、『片隅の人生』(サマセット・モーム著)などがある。2016年没。


「2020年 『アステカとインカ 黄金帝国の滅亡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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