メキシコからの手紙―インディヘナのなかで考えたこと (岩波新書)

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著者 : 黒沼ユリ子
  • 岩波書店 (1980年4月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201168

メキシコからの手紙―インディヘナのなかで考えたこと (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 著者がインディヘナ側にいつも立とうとしている良心にがすばらしくて読ませる。その良心から見たウエフットラのインディヘナでの暮らしの本。絶版みたいだけど、もっと名作として読まれてもいいのでは。

    たとえば、お医者さんがまったくいないインディヘナの50の村々から100人女の人を集めて医者にする学校をつくったときは、閉鎖的な村から女性をだすのは反対されるかと思ったらみんな大歓迎で、卒業式は家族が誇りにおもって迎えにきただとか、高等教育になっちゃってたモンテッソーリ教育をナウア語でやるための先生を育てるとか、バイオリンを教えてあげるとか、異なる文化を持つ人と尊敬を持って交流することの難しさと楽しさが伝わってくる。

    メキシコに旅した時に疑問に思った、
    「なんでこの国、こんなに先進国に見えるのに貧しいんだろう(物価が日本と同じくらいなのに、平均月給が月に6万円くらいらしい)」
    「なんでこの国、旅してみるとこんなに安全なのに危険だ危険だって言われるんだろう」
    の答えが分かる。
    一部の上流階級の人たちだけが豊かで、中産階級のメスティソも貧しく、虐げられたインディヘナたちは想像を絶するほどもっと貧しい。1500年代から続くこの構造が、特に支配層も、時には人を殺して支配してたりして、真の意味でまだ貧しいから、その貧しさの連鎖から抜け出せないんだろう。あと、地形と言語。山が多くて高いし、細かい言語がたくさんあるから、教育が行き届かない。先祖代々続く支配されてきた歴史と、言語と地形の問題がメキシコは大きすぎる。

  • (1983.03.08読了)(1982.12.10購入)
    副題「インディヘナのなかで考えたこと」
    *解説目録より*
    メキシコの山奥の村に暮らして私の世界観は大転換を迫られた、と著者は書く。コロンブスのアメリカ〝発見〟以来、この大陸の原住民インディヘナは土地を奪われ富を失い、彼らの祖先がつくった石像のように今日までじっと黙って生きてきた。しかし彼らの間で生活した著者は、いま貧困と圧制に抗して立ち上がるインディヘナたちの姿を見た。国際的に活躍するバイオリニストが、激動の第三世界の内側からおくる衝撃のレポート。

    【目次】
    1 なぜ「インディオ」か
    2 空腹の長い歴史
    3 ウエフットラへの道
    4 「理性の人々」と「理性なしの人々」
    5 クリスマスの市で
    6 山頂の村の夜明け
    7 尼僧院のなかの小学校
    8 農婦のための技能開発講習会
    9 バイオリンのおけいこ
    10 教育の新しい芽
    11 土地所有をめぐる深い溝
    12 メキシコの現在―政治・経済・文化―
    あとがき

    ※メキシコ
    「メキシコの青春」北川民次著、カッパブックス、1955.10.01
    「写真 メキシコ」三木淳著、現代教養文庫、1961.12.15
    「古代アステカ王国」増田義郎著、中公新書、1963.01.18
    「メキシコ革命」増田義郎著、中公新書、1968.06.25
    「アステカ文明」ジャック・スーステル著・狩野千秋訳、文庫クセジュ、1971.04.05
    「マヤ文明」石田英一郎著、中公新書、1967.03.25
    「メキシコのすべて」深作光貞著、角川文庫、1967.08.25
    「メキシコ 歴史と遺蹟と現代」高山智博著、実業之日本社、1968.04.01
    「メキシコ古代文化の謎と遺産」ゴレンスティン著・田口実訳、佑学社、1976.02.15
    「メキシコ民芸の旅」利根山光人著、平凡社新書、1976.07.08
    「メヒコと日本人」石田雄著、東京大学出版会、1973.01.20
    「グアダルーペの聖母」鶴見俊輔著、筑摩書房、1976.07.15

  • 日本人バイオリニストが現地で暮らした目で見ると、いろいろなものが見えている。 その一端を表したのが本書である。

    本書はメキシコと付き合う上で、記憶しておくとよい視点を提供してくれている。
    メキシコでバイオリンという新しい音楽活動が、どのような効果をもたらすかも興味深い。

    自分では、メキシコに1度行ったことがある。
    ヨーロッパ人の観光地のアカプルコだけで、
    現地という視点はすっぱり抜け落ちている。

    ps.
    中南米の社会運動家の方にスペイン語を話すことの意味を聞いたところ、その方は母語がスペイン語だったそうで、何の質問をされているのかわからないようでした。

    遠くから見ている外国の状況は、その国から来た人に聞いても、違う立場の人のことは語れない。中南米の混血政策と、スペイン語化、ポルトガル語化はある意味成功しているのだと思った。

  • 理性をもっていない人(動物に近い)という認識。
    原先生。

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メキシコからの手紙―インディヘナのなかで考えたこと (岩波新書)の作品紹介

コロンブスのアメリカ「発見」以来、この大陸の原住民インディヘナは土地を奪われ富を失ない今日まで生きてきた。しかし、メキシコの山村で彼らの間に暮した著者は、いま貧困と圧制に抗して立ち上る彼らの姿を見た。国際的に活躍するバイオリニストが、激動の第三世界を内側からとらえ、自らの「先進国」を鋭く抉る衝撃のレポート。

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