乳幼児の世界――こころの発達 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201410

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  • 乳幼児が発達する過程を平易な言葉で説明してくれている。
    今、0歳/3歳/5歳の子供達を育てている身としては大変に共感できるし、逆に「なるほど子供達のあの行動はこういうことか」と気付かされる場面も多かった。

    社会的側面についても、全てが環境要因であり母親の責任であるかのような風潮へ一石を投じており80年初版の書籍としては実に現代的な感覚を持ち合わせている。

  • 乳幼児の発達の基本的なところについて、さまざまな実験や理論に触れながら、でもつめたくもなくスッと入ってくる解説がわかりやすく、参考になります。

  • ○新生児は「寝ること」「泣くこと」「お乳を吸うこと」がそのすべてのように見えるが、以下のように少しずつ異なった状態が見られる。
    水準1 深い眠り
    水準2 浅い眠り
    水準3 静かな覚醒状態
    水準4 活動的な覚醒状態
    水準5 泣き叫ぶ状態

    ○赤ちゃんは「無力で何もできない存在」ではない。「見るはたらき」や「知るはたらき」を備えている。方法論ばかりの育児書を読んでいては育児と飼育をはき違える。

    ○赤ちゃんは、生まれたときから環境の刺激を積極的選択的にとり入れて同化していこうとする行動の主体。この主体的な動作と周囲の事象との関係を随伴関係という。

    ○ことば獲得の過程について、赤ちゃんは生まれはじめの「融合状態」から、動作や状情況を「共有する状態」へと移る。大人と子供の間で共感、共鳴の世界がパターン化されることを「ならびあう」関係という。これはことばの獲得が間近であることを意味する。

    ○ことばの発達について、物と関係していく力も重要。「物を介して人と交わること、人を介して物とかかわること」これを「三項関係」という。

  • (1981.01.08読了)(1981.01.04購入)
    内容紹介
    赤ちゃんは、母親との肉体のつながりから離れ、新たな心のつながりの中へ出発する。無力に見える新生児も、実は人とかかわろうとする積極的な動きを見せる。著しく進んだ発達研究の知見をもとに、誕生から3歳までの子どもが周囲とのかかわりの中で、どのような道すじで育っていくかを明らかにし、さらに現代の子育ての問題を考える。

    ☆関連図書(既読)
    「小児外科」駿河敬次郎著、中公新書、1967.03.25
    「新生児」三宅廉・黒丸正四郎著、NHKブックス、1971.05.20
    「胎児の環境としての母体」荒井良著、岩波新書、1976.09.20
    「子どものからだ・ことば・情緒」荒井良著、三笠書房、1980.02.15
    「子どもをダメにしたのは父親だ」荒井良著、主婦の友社、1980.09.02

  • 乳幼児の心理・認識の発達について、いくつかの視点から描きます。専門用語に逃げずに、あくまでも平易に、実例を挙げながらの文章は安心して読めました。ただ、内容的にはへーそうなんだと読み流してしまいましたので、いつか読み直すかなー

  • 25年以上前の記述だけに、今現在とは事実が異なる部分はあるのかもしれない。
    それでも乳幼児の発達を手軽に知ることができる。

    新生児の特徴、手、笑い、ことば、認知、三歳の特徴というような内容で読みやすい。

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