読書と社会科学 (岩波新書)

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著者 : 内田義彦
  • 岩波書店 (1985年1月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004202882

読書と社会科学 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 読書について書かれた本は山ほどあるが、個人的に最も共感できる内容であった。
    Ⅰ「読むこと」と「聴くこと」と
    本文中に掬うような読み方や粗読への批判や読書後の感想文の重要さが書かれているため今これを書くのですら非常にやりづらいが、焦点を定めることが大事ともあったので強いて言うなら、本で「モノ」を読むという考え方は根底に必要なものではないかと。そして「情報として読む」のと「古典として読む」(一読不明快)の二通りの読み方があること。楽譜通り正確に演奏することが基本であって、個人のくせや気質から楽譜にせまっていくところに演奏の妙味があるといった話は普段音楽を聴いたり演奏したりする際の感覚の構造的な理解を助けるものであった。
    自分の読みに対する信念と著者に対する信念が疑問への第一歩であると。そうなると普段朝井リョウを全面的に肯定して読んでるのは娯楽としてはよくても実は非生産的であり著者への人間的信頼が欠如していることになるらしいぞ…。
    高級な批判力っていう発想がすでに高級な批判力やと思う。批判っていうことをポジディブに捉えたいですね。
    Ⅲ創造現場の社会科学
    章によって割りとテイストが異なっている。
    単純に「人生の行楽は勉強に在り」っていい言葉、ちょっと無理をするって今風に言うとストイックとか意識高いってなるけど良いことよね。

  • 10刷1988年。95

  • 高校生のとき、代々木にある某ゼミナールの久保寺亨先生に勧められて読んだ本。当時は社会科学の古典として本を読むということが体得出来ず、悶々としていました。大人になった今、少しは分かったのかなあ?

  • 読了。読書術について記述したものであり、内容は至極当然のことを記述しているので、参考になることが多い。ただし、論の運び方が二転三転するなど、論旨が一本道ではないのがたまにキズか。

  • 大学や大学院で、リーディングアサインメントが課せられる。その際、学習課題上の指示は適宜あるものの、実は基本的な文献の「読み方」が、丁寧に指導されているケースは少ないのかもしれない。本書は、社会科学分野の本の読書論が説かれているが、書籍となった本だけでなく、前述の文献課題を読むときにも必要な思考法として活用できるだろう。この思考法を一口にいえば、自らが「概念装置」を体得することである。概念装置を作り上げ維持していくことで、幾多の学説と対峙できるという。別な表現をすれば、先行研究をチェックするときに必要な視座や、論文中で議論を展開する際に用いる道具、といえよう。

    「概念装置」の獲得には、①古典としての読みの習熟、②同語異議の例から異語同義の共通部分をなんとか見つけること、③対象である自然そのもの(学説ではなく)の観察・考察、といったことが求められている。つまるところ、概念装置とは、自分が苦労して得た、「認識手段」として活用できる「専門語の組み合わせ」である。この装置を用いて社会をとらえることが「社会科学」といえる。

  •  認識の手段としての概念装置を手作りし、それを用いながらものを自分の眼で見なければならない。その為には自分を信じ著者を信じて、それを通して思わざるところに発見や宝を見出すという「古典としての読書」を身につける必要がある―といった内容。
     全体をふまえて、何にでも知的好奇心や探究心が必要であり、それ満たす為の努力を楽しめる気質を養いたいと思った。それに関連する、怠け者根性を捨てて人生におけるあらゆることを勉強し、楽しみを深めて人生を濃くする術を覚えるところ、それが大学である、という言葉にハッとさせられる。

  • 人生で最も感銘を受けたと言っても過言ではない著作。著者の人間性がよく出ている本だと思います。あの時代の研究者で「進歩」云々的な話がなかったのにも一種驚きを感じたところでもあります。

    概念装置の話は難しかったですが学問はもちろんのこと人間に対する姿勢を問うている部分には大変共感しました。

    初めから短絡的な批判をするのではなく一旦よく耳を傾けてその上で批判(吟味)をすることを大切にする姿勢をとり、「初めから聴かないというのは、つまり、その人に対する全面的軽蔑ですね。人格無視。」とも言っています。

    「ほんとうの連なりは、安易な連なりを断ち切ったところで、初めて現れてくるものです」という言葉が印象深く感じました。

  • 批判についての話はなるほどと思った

  • 【著者】
    内田義彦(1913-1989)経済史・社会思想史。

    【出版社の紹介文】
    電子顕微鏡を通して肉眼では見えない世界を見るように,社会科学では,概念という装置をつかって現象の奥にある本質を見きわめようとする.自前の概念装置をいかにして作るか.それを身につけることで何が見えてくるか.古典を読むことと社会科学を学ぶこととを重ね合わせて,本はどう読むべきかの実習を読者とともに試みる実践的読書論.
    http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/42/4/4202880.html

    【目次】
    Ⅰ 「読むこと」と「聴くこと」 001
     はじめに――読書の問題性
     一 読みの構造
     二 読み深めの諸相
     三 聴くということ
    Ⅱ 自由への断章   079
     A 創造としての読み
     B 経験科学の創造
    Ⅲ 創造現場の社会科学――概念装置を中心に―― 101
     はじめに――問題の所在
     一 日常語で見えるもの
     二 社会学のウルトラ・アイ
     三 概念装置の手作りを
    あとがき   211

  • 読書によって、社会科学に必要な概念装置をどうやって得るのかという本。社会科学をどう考えればいいかということに関して、わかり易い書き方で深い所まで追求している。

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