日本語 新版 上 (岩波新書 新赤版 2)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004300021

感想・レビュー・書評

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  •  今時、「日本語」に興味をお持ちになった方はどんな本をお読みになるのでしょう。「100プンでわかる日本語」なんていう本はあるのでしょうか。
     今となっては、古い本なのかもしれませんが、ある時まで、決定版だった、あるいはここから始める本だったのがこの本ですね。
     日本語に限らず、言語について考えるには様々なアプローチがありますが、素人がついていける、可能な限りのアプローチを解説していて、それぞれのアプローチから、次の道へと進んでいくことができる書き方は、他にはなかなかありません。
     石川啄木の親友、金田一京助の息子で、テレビで人気の秀穂は息子。ぼくは一度講演を聞いたことがありますが、平安朝の音韻を口にした金田一春彦先生のこえの響きは今でも忘れることができません。スゴイ学者ですよ。
     学生さん向けの案内をブログに載せています。一度覗いてみてください。
      https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201904110002/
     

  • 文章を書く職業柄、気になって読んでみました。
    古い著書ながらも日本語の美しさ、便利さ、煩わしさ等素晴らしい面も、もう少しこうだったらなと言う面も知れてとても勉強になりました。
    後半、文化と語彙の節がありますが、とても興味深かったです。
    早速(下)を読みはじめます。

  • 大人になって自分は読書量が足りない、語彙が少ない、表現力を磨かねば——などと焦っていたが、無闇矢鱈に読書をする前に、まずこの本を手に取ることができて良かったと思う。日本語の味わい方のコツがちょっと掴めた気がする。

    なるほど。「ご利益」を「ゴリヤク」と読むのは宗教(仏教)的な言葉だからなのか!……等、具体例が身近で面白く、すぐ学びにつながる。
    小・中・高校と一生懸命国語をやってきはずなのであるが、しかし日本語についてはまだまだ知らない事が多い。なんとなく違和感を感じつつも通り過ぎてしまっていた自身の母語。その特徴や美しさや歴史を、海外の言語と比較しながら改めて学びなおすことができた。一般人向けにこういう本を残してくださったこと、金田一先生には感謝を申し上げたい。

    また読み返したいし、下巻も買ったので読みます。

  • さすがにこの時代に読むには古すぎる感がある。
    一例を上げただけで根拠としている説明が多く、あまり説得力を感じなかった。

  • 【電子ブックへのリンク先】※スマホ・読上版です!

    https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000085139

    ※学外から利用する場合は、「学認アカウントを・・・」をクリックし、所属機関に本学を選択してキャンパスIDでログインしてください。

  • 【目次】
    1.世界のなかの日本語
    2.発音から見た日本語
    3.語彙から見た日本語

    【感想】
    30年近く前の本なので古くさい記述も所々あるが、それでも内容は面白い。他の言語と比べて日本語が難しいところ、優れたところ、語彙の豊かさなどなるほどと感じる部分が多々ある。

  • これはかなり面白い。
    日本語の分析を世界の国々と比較しながらやっていく。
    日本という国の特徴をとらえ直すことができ、その工程では、けっこう笑えるような内容も出てくる。
    雑学としては一級で、日本に住んでいて日本語を話すのに知らなかったことがあるのに愕然とする。

    日本の歌の歌詞の分析も含まれていて、作詞にも役立つ。

  • 外国語と比べて日本語が有している言語学的な特徴を取り上げ,これを取っ掛かりにしてその背後にある文化や精神性の共通点や相違点について考察していく内容.上巻は単語や発音についてのテーマが中心である.
    漢字ベースで語彙が作られているという背景から,同じ単語に対して全く違う発音をすることが許容されている,というのが非日本語話者からすると不可解だというのは,なかなか日本語を使っている側には想像しづらいが,言われてみればそうかもしれないと思う.
    日本語は発話者の地位や立場を反映して文体が豊富にあるので,特に書き言葉での表現の幅が広がるという点について,これまで私自身はむしろ,同じ内容を伝える上で文体の差異が余計なバイアスになっていると感じることが多く,否定的に捉えてきたところがあるが,著者はどちらかというと肯定的に捉えている.
    同様の意味を持つ単語で和語,漢語,洋語の3種がある時に,和→漢→洋の順で次第に格や品質が良くなるというのは,今まで気付かなかったものの確かにそうなっているものが多く,興味深いと思う.これもつまるところ,その語を使う人の身分を反映していると考えられ,著者が述べている身分と言葉の関連を支持するものの一つであるように思われる.

  • 内容的に難しいのではないだろうかと思い読みはじめたが、専門書的では無くわかりやすく書かれていて理解しやすい。
    日本語の特徴、他の言語との比較など興味深く読める。
    下巻を読むのがとても楽しみだ。

  • 日本語の特色を、分かりやすく説明している本です。上巻では、世界の諸言語の中で日本語がどのような特色を持っているかということや、日本語の発音と語彙の特色が解説されています。

    単に日本語の仕組みを説明するのではなく、その背後に日本の文化的特色を見ようとしているところに、本書のおもしろさがあります。今日では、やや文化的本質主義のきらいがあるのも事実ですが、取り上げられている例などが生き生きとしていて、おもしろく読めます。

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著者プロフィール

大正2年、言語学者金田一京助の長男として東京に生まれる。昭和12年、東京帝国大学国文科を卒業。専攻は国語学。名古屋大学で助教授、東京外国語大学、上智大学で教授を歴任。東京芸術大学、ハワイ大学、在中国日本語研修センター(北京)、NHKアナウンサー養成所などで講師、玉川学園客員教授なども務め、日本ペンクラブ理事なども兼任した。著書に、『日本語』『ことばの歳時記』など多数。なかでも教科書や辞書『現代新国語辞典』他の編纂で多くの人に親しまれた日本語研究の第一人者。平成9年文化功労者に選ばれる。平成16年5月没。

「2016年 『美しい日本語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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