現代社会主義を考える: ロシア革命から21世紀へ (岩波新書 新赤版 4)
- 岩波書店 (1988年1月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004300045
作品紹介・あらすじ
1枚岩の党、その1党による強権的な支配、社会主義国同士の武力衝突…。社会主義の現実は、人間解放、国家の死滅といった革命の理想から大きくかけ離れている。何がこの乖離を生んだのか。スターリン体制への転機となった1920-30年代のソ連政治を見直しつつ今日の「ペレストロイカ」の意義を考え、社会主義再生への道をさぐる。
感想・レビュー・書評
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著者 溪内 謙 著
通し番号 新赤版 4
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 1988/01/20
ISBN 9784004300045
Cコード 0231
体裁 新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 254頁
在庫 品切れ
一枚岩の党,その一党による強権的な支配,社会主義国同士の武力衝突…….社会主義の現実は,人間解放,国家の死滅といった革命の理想から大きくかけ離れている.何がこの乖離を生んだのか.スターリン体制への転機となった一九二○‐三○年代のソ連政治を見直しつつ今日の「ペレストロイカ」の意義を考え,社会主義再生への道をさぐる.
〈一枚岩の党,その一党による強権的な支配,社会主義国同士の武力衝突…….社会主義の現実は,人間解放,国家の死滅といった革命の理想から大きくかけ離れている.何がこの乖離を生んだのか.スターリン体制への転機となった一九二○‐三○年代のソ連政治を見直しつつ今日の「ペレストロイカ」の意義を考え,社会主義再生への道をさぐる.
〈https://www.iwanami.co.jp/book/b267823.html〉詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1930年代のスターリン政権下のソヴィエト連邦を中心に、マルクス主義がナショナリズムや国家とどのように結びつくことになったのかを明らかにするとともに、本書刊行時に推し進められつつあったゴルバチョフによるペレストロイカが取り組むべき課題について考察している本です。
共産主義の理念に対する苦い挫折を経験したF・ボルケナウの「クレムリン学」は、ソヴィエトの体制をむき出しの権力闘争としてえがきました。本書はこうした立場から距離を置き、「思想」としてのマルクス主義へ立ち返ろうとする古典主義にも一定の積極的な意義を認めつつも、現実のなかでマルクス主義がナショナリズムや国家に取り込まれてしまった事実を重視し、そのプロセスをていねいに解き明かすことを試みています。
ソヴィエトを中心とする社会主義のたどった歴史を考えるうえで有益な考察が随所に示されており、興味深く読みました。