中世の奇蹟と幻想 (岩波新書 新赤版 98)

著者 :
  • 岩波書店
3.43
  • (2)
  • (3)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 63
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004300984

作品紹介・あらすじ

キリストの涙にふれる時、病は癒え、死者は蘇る。中世はまさに奇蹟の続発する時代であった。奇蹟はなぜ起こるのか。中世史研究の第一人者である著者が、聖者伝、奇蹟録から興味深い説話や妖異譚をとり上げて語りつつ、各地に叢生した霊場とそこをめざす巡礼の急増に民衆の信仰の実態を見出し、ヨーロッパ民衆の心性史に新しい光をあてる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「聖なる泥棒」の解説に出ていたので。

    それほど体系的ではなかったし、
    予備知識がある程度必要な感じだったので、
    真剣に読むという訳ではなかったが、
    あれこれ書かれていたエピソードが面白かった。

    異なる宗旨の僧同士が食べ物の上で十字を切る祝福を競い、
    煮えたつ鍋を慌てて食べてしまう話とか、
    聖遺物を盗んだと堂々と書いてあったり、
    しかるべき崇拝を受けていないから盗んでしまえとか、
    盗むために10年間他の教会に潜り込むとか、
    年に一度、聖者の骨まで1キロ以上も前へ後ろへはねて巡礼するとか。

    宗教は面白い。

  • 2章までは奇跡譚について
    3章以降は聖者と聖遺物崇敬およびその民衆の受容と教会側の諸対応について
    エミールマールの「12世紀フランスの芸術と宗教」が主要な引用元か
    語り口調かつ話が断続的?なのでやや読みにくい

  • [ 内容 ]
    キリストの涙にふれる時、病は癒え、死者は蘇る。
    中世はまさに奇蹟の続発する時代であった。
    奇蹟はなぜ起こるのか。
    中世史研究の第一人者である著者が、聖者伝、奇蹟録から興味深い説話や妖異譚をとり上げて語りつつ、各地に叢生した霊場とそこをめざす巡礼の急増に民衆の信仰の実態を見出し、ヨーロッパ民衆の心性史に新しい光をあてる。

    [ 目次 ]
    不思議な物語
    僧坊の夜語り
    世々の伝え
    さまざまの聖者たち
    生ける聖遺物

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2冊

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1930-2016年。岡山県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業。高知大学教授、中央大学教授をへて、高知大学名誉教授。専門は、フランス中世史。主な著書に、『異端カタリ派の研究』、『中世の奇蹟と幻想』、『フランス中世史夜話』など。主な訳書に、エマニュエル・ル・ロワ・ラデュリ『モンタイユー』(共訳)、マルク・ブロック『王の奇跡』(共訳)、ジャン・クロード・シュミット『中世歴史人類学試論』など。


「2021年 『異端審問』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡邊昌美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×