幼児教育を考える (岩波新書 新赤版 121)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004301219

感想・レビュー・書評

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  • 1990年刊行。著者はお茶の水女子大学教授。ミルやウィーナーに代表される英才教育の影の部分の描写が印象深い。一方、叔父が厳格教育を施した吉田松陰はさほど暗い影がなさそう。これは、全人格的に依存する親からの指導でないなら、悪影響は小さいと考えられるからである。なお、本書で示される90年代的ネグレクト(の萌芽のようなもの)が問題なのは全くそのとおりで、この時期には議論のテーブルに乗っていたことが興味深い。全体的な印象を言えば、詰めた論を展開するというのではなく、エッセイ風に纏め上げたとの感。

  • たぶん、ずいぶん前のリサイクル市でもらってきて、数ページ読んだだけで、放っておいた本です。で、今回わけあって読み通してみた。そうしたら、なんと後半に野生児についての記述があった。神童と呼ばれたウィーナーの話とか、ミル父子の話とかも興味深かったけれど、やはり一番の収穫はアマラとカマラの話だった。またこの話をまともに紹介されるのかと思ったけれど、読み進めると全く逆だった。完全に否定されている。それで当然、納得できた。それにしても未だにオオカミに育てられた子どもとして紹介している本もあるというのはどういうわけなんだろう。大学の教科書レベルでも出てくるそうだから、再生産されているということだろうか。ただ、本書では単に否定するだけでなく、歴史的背景の中でどうしてそんな話が広まってしまったのかにも触れられている。そういう点を読めただけでも、本書の値打ちはあった。

  • さっくりいこう☆

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