シュンペーター―孤高の経済学者 (岩波新書)

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  • 岩波書店 (1993年3月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004302735

シュンペーター―孤高の経済学者 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • 勉強になった。ケインズ、ガルブレイス、シュンペーターと伊東先生の3部作を通して読んだので、現在経済学の端緒を掴めた。経済学は、数学ではなく社会科学という考えのシュンペーターに共鳴できた。

  • イノベーション

    この言葉を聞かない日は無いと言えるくらい、よく聞く言葉だ。特に会社で、ニュースで、何かしらのプレゼンテーションで、つまりは仕事をする上で何か指針となる言葉、目標とすべき価値観としてその言葉は存在する。
    イノベーションは技術革新とも言われる。
    技術の革新。
    技術は日々進歩し、改善され、無数の商品が生産されている。

    シュンペーターは資本主義の本質をそのイノベーションと捉えた。イノベーションとは企業者の「新結合」の遂行である、と。

    新結合、つまり今まで使われていた生産手段が別の経路において使用される様な、示唆に富んだ概念だ。単純な技術革新という言葉では掴みきれない訳語の素晴らしさがこの本にはある。

  • 経済発展の要素として「新結合=イノベーション」を発見した経済学者シュンペーターの伝記&理論解説書。シュンペーターの生きた時代背景がわかるとともに、『経済発展の理論』(岩波書店)のエッセンスが端的に説明されている。

  • シュンペーターの生い立ちから人となり、基本理念などが丁寧に解説されており、網羅的にシュンペーターを理解するのに役立つ。
    企業者を単なる経営管理者と区別し、経済成長にとってイノベーションと信用創造に特別の役割を認めた炯眼に感服する。
    好況・不況が定常状態からの平衡のズレによって説明されており、技術屋にも理解しやすい理屈だ。ただ経済学と物理学は何のアナロジーもない別物であることを改めて思い知った。

  • 5章構成。前半はシュンペーターの生い立ちと、ケインズやワルラスといった著名な学者たちとの比較。ドラマチックかつ情熱的に描かれていて、読みやすい。
    後半は理論の紹介。特にⅣ章(1)の経済理論とⅤ章の哲学とシュンペーター理論の現在、が超絶面白かった。

  • シュンペーターがその著書「経済発展の理論」の中でイノベーション(新結合)を提案してから約100年が経過した。イノベーションの概念を初めて明らかにしたということ以外は、シュンペーター自身については、あまり良く知らなかったが、この本で、シュンペーターの生涯やその理論の発展、そして彼の理論の生まれた時代背景などを知ることができた。
    経済発展にとって、イノベーションの重要性がより重視されるようになった今日では、100年前のシュンペーターの慧眼には驚かされるものがある。
    なお、ある程度経済学(または経済学史)の知識がないと理解しにくい部分がある。

  • 経済学の入門的な講義を受けると、ケインズの対比として表れるシュンペーター。彼の人生とケインズの学説との対立、彼が掲げる理論で構成されている。正直なところ、シュンペーターは資本主義は静的ではなく動的なものである、ということぐらいしか理解できなかったが、彼の人生経験と徹底的ともいえる思考があったからこそ成し得たというのがわかった。

  • シュンペーターの人生と思想をまとめた本。

    「人生」部分に半分、「思想」部分の半分のページが割り振られている。個人的にシュンペーターの思想の今日的意味を考えるために購入したが、本書はその用途にはお勧めできない。

    どうも、タイトルに「シュンペーター-孤高の経済学者-」とあるように、その思想の妥当性や意味よりも、シュンペーターという個人に焦点があたっている。20世紀初頭から終盤にかけて、彼がどのように育ったのか、彼を取り巻く環境はどのようなものだったのか、彼は何を思い、何を感じながら生きたのか、といったことはこれでもかというくらい書いてあるが、21世紀である現在の現象に彼の思想を適用してみる、というような部分は一切ない。

    本書はシュンペーターを、「政策と学問は別」とし、現実のゴタゴタした現象とは一定の距離を置き普遍的な事象に集中した人間と解釈しているので、上記のような形になったのかもしれない。いずれにせよ経済史、またはシュンペーターという個人そのものに興味がある人以外には、あまりお勧めできない。

    さておき、最後に、シュンペーターの思想をまとめると
    「新古典派は均衡状態を現実経済のベースとするが、実際の経済は均衡状態にない。常に均衡状態に向かいつつも、その過程でイノベーションが起こり、不均衡が拡大し、再び均衡状態に向かうというプロセスを断続的に繰り返すものである。イノベーションは、企業家が資源をこれまでとは全く異なる方法で繋げること、すなわち「新結合」によって、実現される。」
    となる。

    効率的市場仮説やらリアルビジネスサイクルやら、ワルラス以来の均衡理論に基づいた現代経済学がことごとく反駁され、全くとは言わないまでもあまり役に立たないところを見ると、シュンペーターの上記思想は妥当であることが分かる。
    ただし、じゃあその「新結合」ってどうやって起こすの?という部分に関して、21世紀の現代、シュンペーターの理論が役に立つことも、またない。彼の思想が、経済学よりも経営学に引き継がれているのは、これが原因だろう。

  • 【読書】オーストリアの経済学者であるシュンペーター。以前から勉強したいと思っていた経済学者。本書で指摘するシュンペーター経済学の今日的意味。経済にとって最も重要なものは、技術革新、新製品による新市場の創設、コスト低下による供給曲線のへのシフト。シュンペーターの思想を理解するには、彼が生きた時代背景を知ることが有益。しかし、自分なりに彼の思想を理解するにはさらなる経済学の知識が必要であり、もっと勉強が必要。

  • 本棚にあったので何となくパラパラと読む。シュンペーターの思想と理論をある程度理解している層向けに、その背後にあった人となりや時代のうねりを理解する本として書かれている。その辺ちんぷんかんぷんなので序盤からまったく置いてけぼりを食らった。
    ただやはりシュンペーターを語る際にはケインズが不可欠であり、ケインズとの対比によって説明されてしまうということは、つまりそういうことであり、何が言いたいかというとケインズは学者としても政治家としても20世紀の偉人だったんだなということである。

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シュンペーター―孤高の経済学者 (岩波新書)の作品紹介

「不況は"お湿り"」と喝破したシュンペーター。ケインズと並び20世紀を代表するこの経済学者は、ヨーロッパ、アメリカでの生涯を通して、資本主義の本質を問い続けた。三度の結婚、大蔵大臣としての挫折など起状に富んだ軌跡を追いながら、今こそ光彩を放つそのイノヴェーション論、景気循環論、企業者像、さらには社会主義観を描く。

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